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美しすぎる張り姿!中国発のテントブランド<THE FREE SPIRITS>を試し張り(2ページ目)

TFSのラインナップは、4つのカテゴリーに分かれています

TFSのテントは4つのシリーズで構成

※TFS日本公式サイトの画像を編集

さて、TFSの日本公式サイトで発表されているテントは全部で12張り。それらは4つのレーベルに分けられています。

BLACK LABEL:TFSのスタンダードとなるテント。生地やポールなどの素材を、主に品質の安定した中国トップサプライヤー製品で構成したコストパフォーマンスに優れたシリーズ。

BLUE LABEL:ライトウェイトなテント。軽量さを追求し、生地やポールなどの素材を世界のトップサプライヤーの軽量な部材で構成したシリーズ。

RED LABEL:アドベンチャーにも対応するテント。特に耐久性の高い生地・構造を採用した冒険者に捧げるシリーズ。最高級の生地で構成し、重量比世界最高水準の強度を持ちます。

WHITE LABEL:ベースキャンプに使用する大型テント。ポールにDAC社、YUNAN社製品を採用することで、軽量さと強度を兼ね備えたシリーズ。

日本の山岳環境、登山者の好みに合わせたテントも多い

日本の山で使用するならブルーかレッドレーベルがいい
撮影:ポンチョ

TFSには、いわゆるファミリーテントのような、コスパと大きさ重視のテントはなく、1~2人用の小型テント、しかも山岳用が中心です。

また4つのレーベルのうち、登山に積極的に活用したいのは、「BLUE」と「RED」です。とはいえスタンダードな「BLACK」が登山で使えないという訳ではありません。

それに日本で販売されるモデルは、軽量化を強化、インナーテントもメッシュではなくモノフィラメントパネルを採用するなど、日本の山岳環境、登山者の好みに合った仕様のものが多くあります。

山岳用テントには珍しいナチュラル系カラーも特長

ナチュラルなテントカラーがキレイ

撮影:ポンチョ

山岳用テントというと、そのカラーは青、赤、黄の、しかもビビットなものが中心です。遭難時など、それらエマージェンシーカラーが役立つからですが、しかしテント内で過ごす時に安らぎを重視したい場合もあります。だから緑もメーカーによっては用意されていますが、それでも落ち着きを感じられる発色のものは少ないです。

テント内は和める色合いで落ち着く

撮影:ポンチョ

しかしTFSで目立つテントカラーは、ナチュラル系です。

赤系もありますが、発色は渋め。今回借りた「パンゴリン プロ 3S」はススキの穂のような茅色(かやいろ)、「ゴロミティー」はグレーがかった深緑の山鳩色。

テント内に入ると、その色合いは美しく、疲れた身体、緊張した精神を和らげてくれるように思えます。美しさの追求は、張りだけでなく、テントカラーからも感じられます。

ダブルウォール・自立型山岳テントの「PANGOLIN PRO」

TFS随一の美しさを誇るパンゴリン プロ

撮影:ポンチョ

パンゴリン プロ ※2021年12月中旬より発売予定
価格:¥48,070(税込) 
重量:1,280g(3シーズン)、1,300g(4シーズン)

日本の山岳環境、そして日本の登山者の好みにもっともフィットするであろうテントがコレ。モデル名は、「センザンコウ」という動物名。そのフォルムが、テントとよく似ているからでしょう。

その美しい佇まいは、TFSのなかでも随一。重量は超軽量とまではいえませんが、山岳テントとして必要十分な軽さです。

インナーテントはモノフィラメントを採用した3シーズンもでると、ナイロン製の4シーズンモデルから選べる

撮影:ポンチョ

インナーテントは、軽量な撥水モノフィラメント製パネルの3シーズン用と、保温性に優れたナイロン+メッシュパネルの4シーズン用を選べます。3シーズン用でも気温10℃くらいまで快適に過ごせる設定なので、夏山中心の使用であれば問題ありません。

インナーテントやジッパー部までナチュラル系カラーで統一

撮影:ポンチョ

インナーテントの生地、ジッパー部は、レインフライ同様の茶系。特に濃い茶のジッパー部はテントのデザイン、カラーによくマッチしたもので、こうした点からもこだわりの強さを感じられます。

Y字ポールが生む曲線がたまらない!

双Y字ポールは設営簡単

撮影:ポンチョ

テントポールは、ハイエンドブランドがこぞって使用するDAC社製。軽量性を重視したNFLというモデルを採用。1本ポールの双Y字型で、インナーテントの四隅に固定するバックルは、ポールエンドをカチッとはめ込む仕様で、設営がラクです。

ポールの曲線もキレイ

撮影:ポンチョ

インナーテントに装備されたフックをポールに吊り下げて設営。よく吊り下げ式は、袋状のスリーブにポールを通すタイプよりも設営がラクと言われますが、吊り下げ式でも中にはフックを掛けるのにかなり力が必要なものもあります。
でも、これは、スムーズ!

室内空間は1人使用なら十分な広さ

撮影:ポンチョ ※イラスト:TFS

室内幅は出入り口側で130cm。成人男性2人使用では窮屈かもしれません。でも、カップルなら問題なし。ひとりで使うなら快適! ただし、カタログ値210cmの奥行きは、身長174cmの筆者でジャストに感じられたので、大柄な人は対角線に寝るなどの必要がありそうです。

前室部分のギミックがおもしろい!

前室フライはパカッと大きく開けられる

撮影:ポンチョ

前室の奥行きは、65cmあってシューズや荷物を置くには十分。でもフライの高さがないので煮炊きをするには注意が必要そうです。

ただし、フライの出入り口部分は、ジッパーでパカッと開けられる構造なので、晴天時なら空を眺めながらごろ寝することが気持ちよさそうです。

前室フライをアップしてタープ状に使用可能

撮影:ポンチョ

また出入り口部分のジッパータブが4つ備わっていて、左右から開けて、フライの端をトレッキングポール等で持ち上げれば、タープ状に使用することもできます。先ほど前室での煮炊きは注意と書きましたが、このフライをタープ状に低く張れば、風雨を抑えつつ、前室で煮炊きできるでしょう。少し手間ではありますが……。

こうしたギミックは、長辺側の横開きのテントでは時々見かけますが、短辺側が出入り口のテントではかなり珍しい仕様。ストイックな山岳用というだけでなく、さまざまなアウトドア・アクティビティでも活用したくなります。

本体サイドの張り綱が美しさを生む!

美しいだけではなく、機能美といえるテント

撮影:ポンチョ

さて、いろいろ試してみて、なんでこのパンゴリン プロは美しいのだろうと考えた時、目に留まったのが本体サイドの張り綱でした。この張り綱、引くことでレインフライに張りが生まれます。

さらにこの張り綱部分はインナーテントとも連結するストラップが備わっていて、テント内空間を広げています。そして、風の影響を受けやすいY字ポールテントに、強度をもたらします。張り綱部分の下のレインフライのスソ部分は、傘のような形状で、張りをさらに強くし、インナーテントへの風雨の吹き込みも抑えてくれます。

なるほど、パンゴリン プロは、ただ美しいだけでなく、機能美を備えたテントだったのでした。

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