生地の知識と熟練の縫製技が織りなす美しさ
中国の山東省青島市で2011年に創業した<THE FREE SPIRITS-自由之魂->。ブランド名の由来は、2009年中国人登山家が登った四川省の山「スーグーニャンシャン)」の新ルートからだそう。英語表記の頭文字を取って<TFS>とも呼ばれています。
創業者は、上の写真の王 吉剛(ワン ジガン)氏。中国のテント工場「青島帆布」で18年間テント製作を手掛けた後、「いつかは世界一と言われるようなテントブランドとなりたい」と独立したそうです。
品質にこだわり、自社工場をつくったブランド
当初、自身がデザインしたテントを中国国内のいくつもの工場に生産依頼してみたものの、納得のいく工場に出合えず……。そこで品質に妥協しない工場を持って自社生産する一大決心をしました。
すると独立前からのワン氏の仕事を知るハイエンドアウトドアブランドや品質の噂を聞きつけたブランドが、TFSの自社工場にテントを始めとした縫製製品の生産を委託するようになったそう。間もなく、ハイブランドのテントの企画・設計・開発・生産、つまりテントづくりのすべてを行なうODM生産工場として、業界屈指の評判を得ることに至りました。
世界随一のシワのないテント
TFSの品質の高さを物語るのが、テントのシワのない美しさ、そのシルエットだといいます。
今回、TFSの日本展開を手掛ける輸入元からテントを借りて実際に張ってみたところ、驚きました! ポールをセットしペグダウン。テンションコードを引いて、当たり前に張っただけで、本体に歪みやシワは皆無。いや、本当に美しくて、しばらく見惚れてしまいました!
上の写真、スチーマーを当ててシワを伸ばしたり、写真のフレーム外で引っ張ったりなんてしていません。ただフツーに張って、この張りなんです。
すべてがピンとしているということではなく、前室やファスナーのカバーなど、畳みジワが出る部分もあります。
でも、本体部分のフライはピン!と張っていて、初めて設営しても、「あれ、なんかキレイに張れないなぁ」なんてことがありません。
この美しい張りは、ワン氏が長年テントの設計を学び、生地の特徴を理解した裁断によって実現しているといいます。
例えば部位ごとに繊維の方向までも考慮して最適な生地を裁断、ノビの異なる生地の特性を考慮した微妙なサイズ調整も行なうそうです。
加えてTFS工場で働くベテラン縫製士が熟練の技を注入。
関わるすべての職人の品質に対するこだわりが、世界随一のシワのない美しいテントとして形作られます。
「いつかは世界一」というワン氏の目標は、美しさに限ればすでに実現できているでしょう!