登山ガイド、島田麻衣子さんにインタビュー!
身を守るばかりでなく、登山を快適に楽しくしてくれる山道具。みんなは何を使っているんだろう? なんて、ついつい気になってしまいますよね。
しかもそれが、仕事で毎日山道具に接している知識が豊富な業界人ならどうでしょう。今回は山道具に精通する男女4人の業界人に、愛して止まない“オレ的・ワタシ的神アイテム”を、5つ厳選して教えてもらいました!
スタイルを決めずに、いろいろな角度で山を楽しむ!
好きな山行スタイルについて尋ねてみると「あえてスタイルを決めずに、なんでも楽しみたいと思っています」とのこと。島田さんの、山を愛する心と懐の広さが垣間見えます。
「あえて言うなら…」ということで、「読図必須のマイナールートでの静かな山歩きが好き」とも答えてくれました。
深い山の中を自由に歩き回る様子がイメージできて、なんだかとってもうらやましい!
スタイルを問わず自由に山登りを謳歌する島田さんの愛用品を、さっそくチェックしていきましょう!
ソフトな着心地で一年中着回す「ウールのロングスリーブシャツ」
<アイスブレーカー>スピア ロングスリーブ フェミニンクルー
最初に紹介してくれた商品は、アイスブレーカーのロングスリーブシャツ。アイスブレーカーと言えば、2回目に登場した牛田浩一さんも、こちらのメーカーのウェアを愛用していました。品質の高さは折り紙付きと言えるでしょう。
一枚だけだとすぐに傷んでしまうので、ローテーションして長く愛用するために購入しました。
ベースレイヤーの下にさらに薄手のアンダーウェアを着るというのが目からウロコ。次の雪山シーズンに試してみたくなりますね。
化学繊維が混紡されているので、ウール100%のウェアと比べると耐久性が高く、ガシガシ使っても大丈夫!
実は筆者もアイスブレーカーのTシャツを持っており、着心地の良さに激しく同感。
ただし、残念なことにこちらの商品は販売が終了してしまった旧モデルなんだとか。購入できる後継品がないか聞いてみました。
icebreaker|サイレン ロングスリーブ スウィートハート(レディース)
8年も愛用しているカッコいい「トレッキングパンツ」
<ザ・ノース・フェイス>アルパインライトパンツ
山登りの服装を検討するとき、パンツの機能まで考えたことはありますか? パンツは登山の快適性を左右する大切なウェアです。
かれこれ8年くらい愛用しています。
8年も愛用しているとは、一体どんなポイントが気に入っているのでしょう。
夏のアルプス縦走から、タイツと組み合わせれば雪山登山まで、オールシーズンで着用できます。
一年中使えるパンツは貴重な存在。現役登山ガイドがおすすめするパンツ、注目です。
THE NORTH FACE|アルパインライトパンツ(レディース)
プレヒート不要で簡単に扱える「ガソリンバーナー」
<SOTO>ストームブレイカー
3つ目に教えてくれたのは、SOTOの分離型バーナー。前回、山畑さんも同じメーカーの違うモデルを愛用していた所を見ると、アイスブレーカーと同様に、SOTOも業界人の間で人気が高いメーカーのようです。
さらにもう一台買うなら、経済的で低温に強いガソリンバーナーかなと思い、面倒くさがりな私でも使いこなせそうなモデルを探して見つけたのがこちらです。
海外を旅するバックパッカーや雪山登山をする人に根強い人気があるガソリンバーナー。「面倒くさがりな私でも使いこなせそうなモデル」とは、どんな機能を秘めているのでしょう?
分離型なので安全性も高く、燃料にガソリンを使えば低温下でも、とってもパワフル。高所や雪山などでは特におすすめです!
しかもこちらのバーナーは、ガス缶も使えるハイブリッドタイプ。山にキャンプに海外旅行に、シーンも季節も場所も問わずに活躍すること間違いなし!
地面からの冷気をシャットアウトする「自動膨張式マット」
<サーマレスト>プロライトプラス女性用
マットはテント泊の必需品。クローズドセルフォーム、セルフインフレーティング、エアチャンバーとタイプが別れていて、さらにモデルも多いため、どれが良いのか悩むことが多いですよね。
以前ほかのマットが使用中にパンクして辛い思いをしたことがあったので、万が一故障しても最低限のクッション性と断熱性が保たれる点が購入の決め手です。
サーマレストは世界ではじめて自動膨張式マットを作ったことで知られる、マットメーカーのパイオニア。内側にスポンジを内蔵しており、これによって最低限のクッション性と断熱性が保たれる仕組みです。
私もかなり寒さに弱い方ですが、雪山でも快適に眠ることができています。
ちなみに、「プロライト」の断熱性を高めたモデルが「プロライトプラス」で、さらに女性用はノーマルモデルより断熱性が高くなっています。
ベンチレーションがお気に入りの「登山用テント」
<ニーモ>タニ 2P
当企画のラストを飾る愛用品は、登山用テントです。いつかテント泊に挑戦してみたい。そんな想いを抱いている読者の方は多いのではないでしょうか。
島田さんの愛用品は、アメリカのアウトドアギアメーカー・ニーモが日本の山岳シーンを意識して開発した人気モデルです。
入口が長辺にあると出入りがラクになるだけでなく、前室と呼ばれるフライシートに覆われた場所で調理が行いやすいという利点があります。
さらに、こちらのテントは前室の張り出しが80cmもあるので、島田さんの期待通り前室の面積が広いと言えるでしょう。
現行モデルは入口の反対側のパネルにもベンチレーションが追加され、換気性能が向上。より快適になっています。
ニーモ タニ 2P
最小重量:1.18kg
本体素材:15Dナイロン/メッシュ
フライ素材:15D Sil/Silナイロン
フロア素材:15D Sil/PeUナイロン
フロア面積:2.8m2
前室面積:0.9m2
全4回の連載はこれにて終了! ビビッときたアイテムはありましたか?
島田さんの愛用品は奇をてらわず、それでいて、どれもこれも使いやすそう。ザ・ノース・フェイスのパンツは男性用を試してみたいし、SOTOのストームブレイカーもコメントにあったように、雪山にもってこいなんですよね。ん〜、これじゃお金がいくらあっても足りません!
全4回に渡ってお届けしてきた「オレ・ワタシ的5つの神アイテム」。読者の皆さんの物欲アンテナに引っ掛かるアイテムはありましたか? お気に入りの山道具を携えて、間近に迫った夏山シーズンを一緒に満喫しましょう!