業界人が愛用するギアを拝見!ワタシ的5つの神アイテム【島田麻衣子さん編】
山の景色を眺めつつ、つい気になってしまうのが、ほかの登山者が使っている山道具。横目で眺めれば、見たこともない快適グッズに出会えるかもしれません。今回は山道具に目の肥えた男女4名の業界人に、愛用ギアを聞きました! ラストとなる4人目は、元登山用品店スタッフで、いまは登山ガイドとして活躍する島田麻衣子さんです。
2022/11/09 更新
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編集者
YAMA HACK編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
登山者が「安全に」「自分らしく」山や自然を楽しむサポートをするため、登山、トレイルランニング、ボルダリングなどさまざまなアクティビティに挑戦しています。
YAMA HACK編集部のプロフィール
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制作者
山岳ライター、登山ガイド
吉澤英晃
よしざわ・ひであき/1986年生まれ、群馬県出身。大学で探検サークルに入り、アウトドアアクティビティに傾倒。卒業後、所属していた社会人山岳会で本格的に沢登りや雪山登山を開始。旅行代理店、登山用品輸入代理店の営業職を経て、2018年からフリーのライターとして活動中。登山専門メディアへの寄稿多数。2024年、日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅡ取得。
吉澤英晃のプロフィール
写真提供:島田麻衣子さん
登山ガイド、島田麻衣子さんにインタビュー!
身を守るばかりでなく、登山を快適に楽しくしてくれる山道具。みんなは何を使っているんだろう? なんて、ついつい気になってしまいますよね。
しかもそれが、仕事で毎日山道具に接している知識が豊富な業界人ならどうでしょう。今回は山道具に精通する男女4人の業界人に、愛して止まない“オレ的・ワタシ的神アイテム”を、5つ厳選して教えてもらいました!

ついに最終回となる4回目。今回おすすめアイテムを紹介してくれるのは、島田麻衣子さんです。
島田麻衣子
元登山用品店スタッフで、現職は登山ガイド。一児の母。きのこ検定1級を持つ大のきのこ好き。マイナールート、テント泊、山ごはんなど、幅広い切り口で登山を楽しむ。島田ガイド事務所所属。好日山荘おとな女子登山部のガイドとしても活動中。
山道具に精通する業界人として、専門店勤務と登山ガイドという経歴は、ある意味最強ではないでしょうか? 話題の新作を使いこなしているのか、それとも信頼の厚い定番品を好いているのか、愛用する山道具が気になります!
スタイルを決めずに、いろいろな角度で山を楽しむ!
好きな山行スタイルについて尋ねてみると「あえてスタイルを決めずに、なんでも楽しみたいと思っています」とのこと。島田さんの、山を愛する心と懐の広さが垣間見えます。
「あえて言うなら…」ということで、「読図必須のマイナールートでの静かな山歩きが好き」とも答えてくれました。

最近楽しかったのは台高山脈。テント場も避難小屋もない山の中で、歩けるだけ歩き、張れる所でテントを張る。そんな山旅を今後も楽しんでいきたいなと思っています。
深い山の中を自由に歩き回る様子がイメージできて、なんだかとってもうらやましい!
スタイルを問わず自由に山登りを謳歌する島田さんの愛用品を、さっそくチェックしていきましょう!
ソフトな着心地で一年中着回す「ウールのロングスリーブシャツ」
<アイスブレーカー>スピア ロングスリーブ フェミニンクルー
最初に紹介してくれた商品は、アイスブレーカーのロングスリーブシャツ。アイスブレーカーと言えば、2回目に登場した牛田浩一さんも、こちらのメーカーのウェアを愛用していました。品質の高さは折り紙付きと言えるでしょう。

そもそも私は、一年中ウールのウェアを愛用しているウール好き。薄手のアンダーウェアは特に出番が多く、暑い季節は一枚もしくはTシャツを重ね着して、寒い季節は厚手のベースレイヤーの下に着用します。
一枚だけだとすぐに傷んでしまうので、ローテーションして長く愛用するために購入しました。
ベースレイヤーの下にさらに薄手のアンダーウェアを着るというのが目からウロコ。次の雪山シーズンに試してみたくなりますね。

おすすめのポイントは、なんと言っても柔らかくて滑らかな着心地と、ウールならではの汗冷えのしにくさ。汗の臭いが気にならない点も嬉しいです。
化学繊維が混紡されているので、ウール100%のウェアと比べると耐久性が高く、ガシガシ使っても大丈夫!
実は筆者もアイスブレーカーのTシャツを持っており、着心地の良さに激しく同感。
ただし、残念なことにこちらの商品は販売が終了してしまった旧モデルなんだとか。購入できる後継品がないか聞いてみました。
同じ用途で使用できる現行モデルに「サイレン ロングスリーブ スウィートハート」があります。より薄くなりストレッチ性も高いので、汗ばむ季節や運動量の多い山行にもおすすめです。
サイレン ロングスリーブ スウィートハート(レディース)
型番 IUW11614
素材:150g/m2 Jersey Corespun (ウール83%(メリノウール)、ナイロン12%、ポリウレタン(ライクラ®)5%)
重量:120g(Sサイズ)
icebreaker|サイレン ロングスリーブ スウィートハート(レディース)
8年も愛用しているカッコいい「トレッキングパンツ」
<ザ・ノース・フェイス>アルパインライトパンツ

山登りの服装を検討するとき、パンツの機能まで考えたことはありますか? パンツは登山の快適性を左右する大切なウェアです。
以前は裾の広いパンツをよく穿いていたのですが、内側が擦れたり岩場で邪魔になったりして足捌きが悪く、良いパンツがないか探していた折に見つけた商品がこれです。
かれこれ8年くらい愛用しています。
8年も愛用しているとは、一体どんなポイントが気に入っているのでしょう。

膝の立体裁断と高いストレッチ性による抜群の動きやすさ。裾はキュッとすぼまっていますが、ほかの部分はピタッとし過ぎず、見た目のカッコ良さもお気に入りです。程よい厚みで、上にレインパンツやハードシェルパンツを穿いてもモコモコしません。
夏のアルプス縦走から、タイツと組み合わせれば雪山登山まで、オールシーズンで着用できます。
一年中使えるパンツは貴重な存在。現役登山ガイドがおすすめするパンツ、注目です。
アルパインライトパンツ(レディース)
型番 NBW32027
素材:APEX Aerobic Light(ナイロン90%、ポリウレタン10%)
重量:305g(Mサイズ)
THE NORTH FACE|アルパインライトパンツ(レディース)
プレヒート不要で簡単に扱える「ガソリンバーナー」
<SOTO>ストームブレイカー

3つ目に教えてくれたのは、SOTOの分離型バーナー。前回、山畑さんも同じメーカーの違うモデルを愛用していた所を見ると、アイスブレーカーと同様に、SOTOも業界人の間で人気が高いメーカーのようです。
仕事でもプライベートでも山ごはんを楽しむ機会が多く、以前はコンパクトな直結型バーナーと、安定感のある分離型バーナーを使い分けていました。
さらにもう一台買うなら、経済的で低温に強いガソリンバーナーかなと思い、面倒くさがりな私でも使いこなせそうなモデルを探して見つけたのがこちらです。
海外を旅するバックパッカーや雪山登山をする人に根強い人気があるガソリンバーナー。「面倒くさがりな私でも使いこなせそうなモデル」とは、どんな機能を秘めているのでしょう?
ガソリンバーナーと言えば、毎回のプレヒート(予熱作業)にメンテナンス……憧れつつも敬遠されがちなアイテムですが、ストームブレイカーは、なんとどちらも不要。また、ホワイトガソリンだけでなく自動車用のガソリンも使用できるため、経済的でありつつ海外でも活躍します。
分離型なので安全性も高く、燃料にガソリンを使えば低温下でも、とってもパワフル。高所や雪山などでは特におすすめです!

しかもこちらのバーナーは、ガス缶も使えるハイブリッドタイプ。山にキャンプに海外旅行に、シーンも季節も場所も問わずに活躍すること間違いなし!
ストームブレイカー SOD-372
外形寸法:幅150×奥行130×高さ90mm(使用時・本体のみ)、幅65×奥行65×高さ90mm(収納時)
ゴトク外径:φ170mm
重量:合計448g(本体:225g、ガスバルブ:53g、ポンプ:170g)
使用時間:約0.8時間(SOD-725T 1本使用時)、約1.6時間(自動車用レギュラーガソリン480ml使用時)
材質:[ゴトク・バーナーヘッド・器具栓つまみ]ステンレス、[ジェネレーター]真鍮
付属品:収納ポーチ、バーナーベース、メンテナンスキット
SOTO|ストームブレイカー SOD-372
地面からの冷気をシャットアウトする「自動膨張式マット」
<サーマレスト>プロライトプラス女性用

マットはテント泊の必需品。クローズドセルフォーム、セルフインフレーティング、エアチャンバーとタイプが別れていて、さらにモデルも多いため、どれが良いのか悩むことが多いですよね。
断熱性が高く、ザックの中に収納しやすいマットを探してこのモデルを手に入れました。
以前ほかのマットが使用中にパンクして辛い思いをしたことがあったので、万が一故障しても最低限のクッション性と断熱性が保たれる点が購入の決め手です。
サーマレストは世界ではじめて自動膨張式マットを作ったことで知られる、マットメーカーのパイオニア。内側にスポンジを内蔵しており、これによって最低限のクッション性と断熱性が保たれる仕組みです。

セルフインフレーティングタイプとしては断熱性が高く、軽量コンパクト。女性用モデルは全長が168cmしか選べませんが、断熱性が高いので、足元にはザックなどを敷けばOKという寒がりな男性にもおすすめです。
私もかなり寒さに弱い方ですが、雪山でも快適に眠ることができています。
ちなみに、「プロライト」の断熱性を高めたモデルが「プロライトプラス」で、さらに女性用はノーマルモデルより断熱性が高くなっています。
(断熱性を表すR値は、プロライト/2.4、プロライトプラス/3.2、プロライトプラス女性用/3.9)
プロライトプラス女性用
サイズ:51×168cm
重量:640g
表面材質:50Dミニヘックスポリエステル
裏面材質 :50Dポリエステル
厚さ:3.8cm
収納サイズ(長さ×直径):28×12cm
R値:3.9
ベンチレーションがお気に入りの「登山用テント」
<ニーモ>タニ 2P

当企画のラストを飾る愛用品は、登山用テントです。いつかテント泊に挑戦してみたい。そんな想いを抱いている読者の方は多いのではないでしょうか。
島田さんの愛用品は、アメリカのアウトドアギアメーカー・ニーモが日本の山岳シーンを意識して開発した人気モデルです。
山でごはんを作って食べるのが楽しくなってきた頃、出入り口が長辺側にあり、前室の広いテントが欲しいなと思い悩んでいたところ、ちょうどこのテントが発売され、運命を感じて購入しました。
入口が長辺にあると出入りがラクになるだけでなく、前室と呼ばれるフライシートに覆われた場所で調理が行いやすいという利点があります。
設営方法はポールにインナーテントを吊り下るタイプなので、設営スペースの範囲内で作業ができ、狭いテント場でも周りを気にせずに設営できます。
さらに、こちらのテントは前室の張り出しが80cmもあるので、島田さんの期待通り前室の面積が広いと言えるでしょう。

いちばんのお気に入りは、入口部分のベンチレーション。フロアに近い位置にデザインされているので、寝たまま開け閉めすることができるんです。当日の気温や湿度に合わせて通気性を調整できるのがいいですね。
現行モデルは入口の反対側のパネルにもベンチレーションが追加され、換気性能が向上。より快適になっています。
ニーモ タニ 2P
就寝人数:2人
最小重量:1.18kg
本体素材:15Dナイロン/メッシュ
フライ素材:15D Sil/Silナイロン
フロア素材:15D Sil/PeUナイロン
フロア面積:2.8m2
前室面積:0.9m2
NEMO|タニ 2P
全4回の連載はこれにて終了! ビビッときたアイテムはありましたか?
島田さんの愛用品は奇をてらわず、それでいて、どれもこれも使いやすそう。ザ・ノース・フェイスのパンツは男性用を試してみたいし、SOTOのストームブレイカーもコメントにあったように、雪山にもってこいなんですよね。ん〜、これじゃお金がいくらあっても足りません!
全4回に渡ってお届けしてきた「オレ・ワタシ的5つの神アイテム」。読者の皆さんの物欲アンテナに引っ掛かるアイテムはありましたか? お気に入りの山道具を携えて、間近に迫った夏山シーズンを一緒に満喫しましょう!