業界人が愛用するギアを拝見!オレ的5つの神アイテム【牛田浩一さん編】
山の景色を眺めつつ、つい気になってしまうのが他の登山者が使っている山道具。横目に眺めれば、見たこともない快適グッズに出会えるかもしれません。そこで、山道具に目の肥えた男女4名の業界人に、愛用ギアを聞きました! 2人目は株式会社B.O.Wの代表を務め「アウトドアの何でも屋」として活動する牛田さんです。
2021/04/15 更新
制作者
山岳ライター
吉澤英晃
群馬県出身。大学時代に所属した探検部で登山を開始。以降、沢登り、クライミング、雪山、アイスクライミング、山スキーなど、オールジャンルで山を楽しむ。登山用品の営業職を経て、現在はフリーの編集・ライターとして活動中。
吉澤英晃のプロフィール
写真提供:牛田さん
B.O.W代表、牛田浩一さんにインタビュー

身を守るばかりでなく、登山を快適に楽しくしてくれる山道具。みんなは何を使っているんだろう? なんて、ついつい気になってしまいますよね。
しかもそれが、仕事で毎日山道具に接している知識豊富な業界人ならどうでしょう。今回は山道具に精通する男女4人の業界人に、愛して止まない“オレ的・ワタシ的神アイテム”を、5つ厳選して教えてもらいました!

第2回目におすすめアイテムを紹介してくれるのは、牛田浩一さん。
牛田浩一
(株)B.O.W代表。アウトドア専門のアタッシュドプレスをメインに、マーケティング、プロダクト開発、イベント、撮影コーディネートなど「アウトドアの何でも屋」として活動。プライベートで山に行くときはテント泊を好む。理由は「山でお酒を飲みたいから! 」
PRを担当するのは、米国のアウトドアギアメーカー「MSR」や、メリノウールウエアの「アイスブレーカー」など。イベントやメーカー展示会にも頻繁に出没する、まさに山道具に精通した業界人です。
お気に入りの山は、自然にどっぷり浸かれる飯豊山
大好きな山は、山形県・新潟県・福島県の三県堺に位置する飯豊山。

とにかく尾根を歩くのが大好きです。おすすめルートは、飯豊山荘〜丸森尾根〜地神山〜門内岳:門内小屋(泊)〜梶川尾根〜飯豊山荘。登りはじめは急登が多いですが、景観が良く、秋になれば紅葉も楽しめるので、疲れは吹き飛んでしまいます。
門内小屋のテント場から眺める景色は、きっと絶景なのでしょう。ん〜、いつか計画してみたい!
そんなテント泊でも大活躍する牛田さんの愛用ギアを、さっそく5つ紹介しましょう!!
①短時間でお湯が沸く高効率の「バーナー」
<MSR>ウインドバーナー

こちらは2020年に国内で展開がスタートしたばかり。発売当時、業界内でもちろん話題になったアイテムです。

実は日本で発売される前からアメリカで購入して使っていました。風速7〜8mの風でも無風状態と変らない時間でお湯を沸かすことができ、燃焼効率がとても高い。お湯を沸かす程度の調理なら、3〜4日の縦走計画でも110サイズのOD缶がひとつあれば十分です。

MSRのウインドバーナーは、炎による加熱ではなく、放射熱で鍋底を熱するラジエントバーナーのひとつ。
縦走計画で持っていくガスカートリッジが少量で済むのは嬉しいポイント。疲れてお腹が空いているとき、すぐにお湯が湧いて調理を開始できるのもいいですよね。

専用のガスカートリッジが寒さに強いというのもおすすめのポイントです。1分1秒でも速く雪から水を作りたい雪山でも重宝します。それと、とにかく“赤い”というのがプロっぽいでしょ!
水作りの時間を短縮できるありがたさは一度経験がある方なら分かるはず。赤いカラーリングのカッコ良さも納得です(笑)
MSR|ウィンドバーナーパーソナルストーブシステム
価格(税込):28,600円
サイズ:11.5×10.7×18.1cm
重量:465g(ガスカートリッジを除く)
最高出力:1,765kcal/h
使用可能燃料:イソプロ
※専用ガスカートリッジのイソプロ以外は絶対に使用しないでください
MSR|ウィンドバーナーパーソナルストーブシステム
②肌触りが抜群にいい「半袖Tシャツ」
<アイスブレーカー>テックライトSSクルー K2クレスト

次はウエア。ウール製品で人気のアイスブレーカーのTシャツです。実は牛田さん、山だけでなく日々の生活でもウールのシャツを着ているのだとか。
ウールのTシャツは何枚持っていてもいいので、フロントにデザインされたK2のイラストが気に入って購入しました。とにかく肌触りの良さがおすすめポイント!シルクのような清涼感があり、真夏に着ていても心地良いです。

夏に涼しいというのが気になりますよね。これからやって来る夏山シーズンに重宝しそうな予感です。でも、ウール製品は耐久性が少々気になるところ。
ウール100%だと化学繊維の商品と比べて耐久性が劣りますが、このTシャツはナイロン芯にメリノウールを巻きつけた「コアスパン」という繊維を使っているので、従来の生地よりも耐久性が高いんです。
アイスブレーカー テックライトSSクルー K2クレスト
価格(税込):9,680円
型番:IT22015
素材:ウール87%(メリノウール)、ナイロン13%
icebreaker|テックライト ショートスリーブ クルー K2クレスト(メンズ)
③フィット感が良くて使い勝手に優れる「バックパック」
<マックパック>フィヨルド40

マックパックと言えば、オリジナル素材「アズテック」を使ったアイテムを思い浮かべる方が多いはず。でも、こちらはアドベンチャーレース用に開発されたモデルなんです。
スピードハイクにもってこい!と思って購入しました。アルミフレームなどは入っていませんが、背面パネルは背中にしっかりフィットして、背負い心地は良好です。フロントにあるメッシュポケットとバンジーコードの使い勝手がいいですね。
重量の公表値は1.04kg(S2)と、なかなか軽量。さらに、筆者もこのバックパックを背負ったことがあるのですが、背中にぴたっとくっつくフィット感は牛田さんのコメント通り秀逸でした。アドベンチャーレース用というだけあって、激しい動きにも追随するフィット感があるんです。

背負ったままサイドをコンプレッションできる機能もお気に入り。ハイドレーションの水量が減ってきたときなど、ストラップを手前に引けば荷室の中で装備が暴れるのを防げます。
マックパック|フィヨルド40
価格(税込):26,400円
素材:100D Nylon Titan Grid、500D Cordura Nylon
容量:S2=40L(+9L)、S3=43L(+9L)
寸法:S2=60x34x17cm、S3=66x34x18cm
重量:S2=1.04kg、S3=1.09kg
macpac|フィヨルド40
④浮くように軽い「サングラス」
<FLOAT>アストラ

4つめのおすすめアイテムはサングラス。目から入る紫外線の影響を防ぐために、サングラスは山でも欠かせないアイテムです。
ブランドの名前の通り、とにかく浮いたように軽いかけ心地とフィット感が気に入っています。
しかも、偏光レンズ&乱反射を防ぐ内側のコーティングのおかげで、このサングラスを装着した方が景色が綺麗に見えるんです!
サングラスをかけると視界が暗くなるイメージでしたが、景色が綺麗に見えるとは、いったいどんな世界が広がるのでしょう。
テンプルの内部にマグネットが仕込まれているので、たとえば車のフロントガラスなどにくっつけた付属の吸盤マグネットに取り付けることができます。車中でいちいちケースから出す必要がないので便利。
フロート|アストラ グレー
価格(税込):13,453~14,828円
※テンプルのタイプにより価格が異なる
FLOAT|アストラ グレー
⑤軽量ボディでたっぷりすくえる「レンゲ」
<ベルモント>チタンレンゲ&フォークセット

最後に教えてもらったのはカトラリー。レンゲとフォークのセットですが、牛田さんの一押しはレンゲです。
購入したきっかけは、チタン製のレンゲ! これにつきます。軽いのはもちろん、なんといってもサイズが絶妙。汁物、カレー、丼ものなど、どれもたっぷりすくえるんです!

スプーンではすくいづらい汁物も、深さがあるレンゲなら食べやすい。これは登山の食事用に、ぜひ装備に含めたいアイテムです!
ベルモント|チタンレンゲフォークセット(ケース付)
価格(税込):3,410円
品番:BM-082
材質:[レンゲ・フォーク]チタニウム、[ケース]ナイロン
サイズ:[レンゲ]全長160mm、[フォーク]全長155mm
重量:約53g
belmont|チタンレンゲフォークセット(ケース付)
次回の「業界人の愛用ギア」も乞うご期待!
テント泊で使えるギアから、日常生活でも活躍しそうなウエアまで、幅広いジャンルでおすすめアイテムを紹介してくれた牛田さん。特にメリノウールのTシャツは、本当に着心地が良さそう。夏山シーズンに検討したいサングラスも気になりますよね。気になったアイテムはありましたか?
次回も業界人の愛用ギアを紹介しますので、お楽しみに!