”日本の山向け”って…タニはどんなテント?
最近、キャンプ場でも使っている人を見かけ始めている<ニーモ(NEMO)>のテント。ニーモは、2002年にアメリカで生まれたアウトドアブランド。そのニーモが、日本の山岳シーンのためにデザインしたフラッグシップモデルが、この「タニ」です。
雨が少なく乾燥した場所が多いアメリカと違い、高温多湿で雨が多い日本で使用する3シーズンテントは、高いレベルの防水性能、暑さ・結露対策をしておく必要あります。
そこで、タニは大きく”2つの対策”を行っています。
1.”高温対策”には、大きく開く出入口とメッシュ
大きく開く出入口とインナーのメッシュ、大型ベンチレーションなど、通気性が抜群で、テント内に熱や湿気がこもりにくい仕様に。
2.”多湿対策”には、雨や結露に強いダブルウォール仕様
ダブルウォールテントは、インナーテントとフライシートの2枚構造なので、外気の影響を受けにくく結露しにくい構造。対して、防水素材一枚のシングルウォールテントは、軽量コンパクトですが、結露しやすいという特徴があります。
また、ダブルウウォールテントは、広く前室を作ることができるため、雨の時の出入りや、濡れ物の置き場としても利用可能。
・大きく開く出入口とメッシュ、大型ベンチレーションによる換気で暑さ対策
・雨や結露に強いダブルウォール仕様
・広い前室で降雨時の出入りや濡れ物置き場に重宝
つまり、これらが、”日本の山岳シーンのためのデザイン”なのです。
1人用はたった1kg!群の抜く軽さのタニ
前述の通り、タニは「ダブルウォール」テント。しかし、シングルウォールテントに引けを取らないぐらい軽量です。
実際どれくらい軽いのか、代表的な山岳テントと比べてみました。
ブランド | 商品名 | 重量(g) 本体+フライシート +ポール | 設営サイズ 長さ×奥行×高さ cm |
ニーモ | タニ1P | 1060 | 202×105×103 |
MSR | ハバNX | 1120 | 216×76×91 |
ファイントラック | カミナドーム1 | 1130 | 205×90×100 |
モンベル | ステラリッジ テント1 | 1140 | 210×90×105 |
ダンロップ | VL-17 | 1190 | 205×90×100 |
ザ・ノース・フェイス | MOUNTAIN SHOT 1 | 1210 | 220×90×105 |
アライテント | エアライズ1 | 1360 | 205×100×100 |
※タニと同じ自立型ダブルウォールテントで、1人用の重量とサイズを比較
やはり、タニの軽量性は目立ちます。かと言って、サイズを犠牲にしているわけでもなさそう…。
この軽量性と設営サイズは、山岳テントとしてはかなり魅力的な特長ですね。
軽いだけじゃない!気になるポイントをチェック
タニが軽量なのはよくわかりました。でも、機能や使い勝手、耐久性はどうなのでしょう?実際にチェックしてみましょう。
設営は至って簡単。特に難しいところは無し
【設営手順】
①.テント本体が風で飛ばないように四方をペグ止め。
②.ポールをコーナーアンカーに接続。
③.テントのセンターをフックにかける。
④.8か所のフックを均等にかけていく。
⑤.フライシートを被せる。
⑥.フライシートの4方のストラップを、コーナーアンカーにかけテンションかけ形を整える。
⑦.後方、横2か所、前室の計4箇所をペグ止めし、ガイロープで固定して完成。
※この日は無風のキャンプ場での撮影だったため写真では実施していませんが、必ずガイラインで固定しましょう
ただし、フライシートを被せる時(設営手順⑤)にちょっとした注意点が。
フライシートとポールを接続する”ベルクロ”が4箇所あります。フライシートがズレるのを防ぐとともに、フライシートをガイラインで引くテンションをポールに伝えるためのものですが、意外とこれが忘れがち。
フライシートを被せて4箇所のストラップをコーナーに接続した後だと、コーナーを外してめくり上げないと接続できません。フライシートを被せるとき、忘れず最初にココを接続するようにしましょう。