世界初!ライチョウ観察のためのルールブック
全ての登山者がライチョウに遭遇したときに、最低限守るべきマナーやルールが記載されているハンドブックが発行されました。日本アルプス山域の登山情報を世界へと発信している「一般社団法人 日本アルプスガイドセンター」が環境省と共同して作成。
ライチョウの観察時におけるガイドラインが世界で初めて明文化されたものです。
国の特別天然記念物「ライチョウ」とは
国の特別天然記念物として高山域を代表する野生生物ライチョウは、北アルプス乗鞍岳や立山周辺などに生息。氷河時代からの生き残りと言われ、日本の山岳信仰において神の鳥として敬われてきました。
登山者の無意識な行動が生態系を乱すきっかけに
日本のライチョウは、地球温暖化をはじめ様々な要因によって近年その数が激減。1980年代から2000年代初頭にかけて、約3,000羽から約1,700羽まで減少したと言われ、絶滅を危惧されています。
その原因の1つとしてあげられたのが、登山者の増加による自然破壊。
登山道を踏み外してしまったり、ライチョウを追いかけてストレスを与えてしまったりと無意識のうちに彼らの生態系へ影響を与える原因となってしまいました。
ライチョウたちを守るために
1羽でも多くのライチョウを守りたいと発行されたのが今回の「観察ルールハンドブック」。最低限のルールとマナーを決めて明文化することで、保全のため意識的に行動すること、それをより多くの人に共有できるようにと作成されました。
中身を少し覗き見!観察時の注意点は?
人を外敵とは思っていないライチョウたち、逃げないからといって近づくのはNG。観察時の基本は刺激しないように一旦静止し、静かに距離を取ることです。
ほかにもプロスキーヤー・冒険家の三浦雄一郎さんのメッセージからはじまり、観察のルールや注意点、ライチョウの探し方のポイントなどをわかりやすく説明。
また雷鳥写真家である高橋広平氏の貴重な写真も掲載しているため、ライチョウたちの愛くるしい姿を見ながら、飽きずに読み進められるのもポイントです。
1人ひとりがライチョウ保全のための行動を!

日本アルプスガイドセンターでは、今後ハンドブックを山岳ガイド関係者やツアー会社各所へ積極的に斡旋していく予定です。
1人でも多くの登山者がこのハンドブックを読んで、ライチョウの保全活動について考えるきっかけになると良いですね。
ハンドブックの内容はWebサイトでも公開しているので、気になる人はぜひコチラもチェックしてみてください。
ライチョウ観察ルールハンドブック