設営にはやや慣れが必要だが、安心の耐久性を実現

それではテントを設営していきたいと思います。
耐久性を重視した設営構造

インナーテントには耐風性の高い「スリーブ式構造」を採用。2本のポールを組み立て、交差するスリーブの中へポールを通します。
ポールは、世界的なアルミポールメーカー「DAC」製。軽量でありながらも高い強度を誇ります。

通したポールを四隅のグロメットに差し込みます。
山岳テントによっては片側が袋状になっているモデルもありますが、カミナドームは全てグロメット固定。設営の手間はかかりますが、その分、テントの耐久性を高めています。
ここで、グロメットへの差し抜きがしにくい点が少し気になりました。どうやら上からまっすぐ出し入れする必要があるようです。

インナーテントが完成しました。続いてフライシートを被せていきます。

インナーテントとフライシートの位置を合わせ、グロメットを差し込んで連結させます。連結後はフライシートに付属しているアジャスターを下方向へ向かって引っ張ることで張りが調整できます。
テントの生地は気温や湿度によって伸び率が変わるので、こういった調整機能がありがたいですね。
最初はちょっと手こずるかも?慣れれば素早い設営が可能

ペグダウンをして完成です!設営にかかった時間はおおよそ5分ほど。設営に難しいポイントはなく力もあまり必要としないので、女性のソロ山行でも問題なく立てられると感じました。
ただし、グロメットへの差し込み・取り外し方などにコツが必要なので、山で使う前に平地で設営練習をおすすめします。
開放感のある広々とした使い心地の良い空間

完成したカミナドームの室内へ入り、テントの過ごしやすさをチェックしてみました。
各モデルのサイズは下図のとおり。

使いやすくも無駄のないシンプル設計

フライシートの入口には耐久性の高い「ビスロンファスナー」を採用。砂や泥にまみれた場合や凍結するような低温下でもスムーズに操作ができます。
またダブルファスナーになっているので、外の様子をみる時や荒天時の出入りに便利。

テント内へ入ってみました。フライシートが濃い色だったので薄暗いかとイメージしていましたが、室内は想像以上に明るく開放的な印象です。

天井が広々としているためか、全体がスペック以上に広く感じます。これはポールの構造によるもの。
カミナドームは、天頂部と底部とで剛性の異なる素材を使用することで、球体に近いゆるやかなカーブを描く形状になっています。

出入口は上半部のみメッシュの開閉が可能。
全体がメッシュ網になるわけではないので通気性が格段に良いとは言えませんが、開けた部分が地面に着かない長さなので、スッキリしていて気に入りました。
前室は長辺入口タイプのテントとしては平均的な大きさ。とは言っても荷物を置いたり、簡単な調理をするには十分な広さです。
奥行きがありすぎるとファスナーの開閉時に体を乗り出さなければならず、筆者としてはファスナーに手が届きやすいこれぐらいの距離感がベストです。

テント内には小物収納用のポケットがひとつ。大きめのスマートフォンが入る程度のちょうど良い大きさです。
2人用モデルでソロ山行にピッタリなサイズ

室内は、広々とした天井がライトの明かりを拡散しているためか、夜でも圧迫感を感じません。
上部のループにはヘッドライトなどの吊り下げが可能。今回は使用していませんが、オプションの「ロフト」を使えば小物置きやヘッドライトの照明としても便利です。

次の日の朝、外はシトシトと雨が降っていました。
さっそく結露を確認すると、多少の濡れはありましたが、ほとんど気にならないレベルです。
ただし結露状況は気温差や天候によって変わってくるので、今回の検証だけでは「結露が多いor少ない」を判断するのは難しいでしょう。
今回、2人用モデルの「カミナドーム2」を単独で使ってみましたが、ソロで使うのにちょうど良い大きさだと感じました。「1」と「2」では重量差も180gしかないため、徹底した軽量性を重視する場合を除いては、2型を選ぶことを個人的にはオススメします。