冬山の休憩で悩ましい下半身の寒さ

撮影:筆者
冬山で休憩していると、インサレーションジャケットを着ていても底冷えするような寒さ。そのゾクゾク感は下半身からやってきます。
下半身が冷えてつらいけど、ダウンパンツを履くために登山靴をいちいち脱ぐのは面倒……。そんなシーンで活躍するウェアが、パタゴニアの「DAS ライト・ショーツ」。
登山者から定評のあるビレイ用保温着のDAS ライト・フーディと同じシリーズに、ショーツモデルが新たに加わりました。
暖かい、穿きやすい、さらに軽い!

撮影:筆者
DASの名称は「デッド・エア・スペース(Dead Air Space)」の略。ウエア内部に「動かない空気の層」を作り、暖かさを閉じ込めながら外の冷気を遮断する構造です。
ショーツなのに、驚くほど暖かい

撮影:筆者
保温素材にはパタゴニア独自のプルマフィル・インサレーションを使用。ダウンのように軽くて暖かく、濡れても保温力が落ちにくい化学繊維の中綿です。
膝上丈という珍しいデザインながら、中綿の封入量は65g。ウエア重量(179g/Mサイズ)の約3分の1に相当し、ふっくらとした十分なロフト感があります。
登山靴を履いたまま着脱できる、ストレスフリーな仕様

撮影:筆者
前開きはファスナー仕様で、ウエストには伸縮性バンドを採用。さらに穿きやすさを高めるため、両サイドにフルレングスのファスナーを装備しているのが最大のユニークポイントです。登山靴やアイゼンを履いたままでもサッと着用でき、休憩シーンのストレスを最小限に。
サイズはXXSからXLまで豊富なユニセックスデザインで、幅広い体型に対応します。
軽く、小さく、かさばらない。冬山に忍ばせたい1枚

撮影:筆者
表地には10デニールのパーテックス・クアンタム・プロを採用。耐風性と軽量性、さらに撥水性を備え、水濡れや雪の付着を軽減します。
重量はMサイズでわずか179g。丸めると500mlペットボトルくらいの大きさになり、パッキングスペースも取りません。
冬山の休憩でも、もう体を冷やさない。

撮影:筆者
寒風が吹き抜ける丹沢山系(気温6度・風速3〜4m)と瑞牆山(気温2度・風速7〜8m)で着用テスト。
山頂に着くと冷気や風が一気に体温を奪いますが、ショーツを穿いた瞬間にじわりと暖かさが広がりました。足の付け根にある大腿動脈や太ももの大きな筋肉をしっかり保温できて、血行が促される感覚です。
体が冷え切らないので、休憩後に動き出すときのあの重だるさがないのは、うれしいポイントでした。
ライター大堀
手軽に下半身を防寒できる便利な冬山のプラスワン製品ですね。雪山登山にも使えそう。象足と組み合わせれば、雪山テント泊や冬の山小屋でも快適に過ごせそうです。
気になったポイント
・ポケットがない
・ウエスト調整機能がない
・サイドファスナーでの装着は慣れが必要
トレッキングパンツの上からでも快適な穿き心地

撮影:筆者(Mサイズ着用/身長:175cm、体重61kg、ウエスト:70cm)
オーバーサイズ気味の設計で、トレッキングパンツの上から穿いてもごわつき感はなし。ハードシェルパンツの上からでも問題なく穿けました。雪山登山の短い休憩でも、体を冷やすことがなくなりそうです。
慣れが必要なサイドのフルレングスファスナー
サイドのフルレングスファスナーのおかげで、登山靴を履いたままスムーズに装着できます。ただし、両側を全開にする必要があり、ウエストを仮留めできる仕様もありません。初めてだと少し手こずるため、家で一度練習しておくと安心です。
ライター大堀
フルオープンにしなくても8割ほど開けば装着可能です。ただし、立ったままではバランスを崩しやすいので、その場合は座った状態での装着がおすすめです。
ストップシーンに最適化したシンプルな仕様

撮影:筆者
軽量化や休憩時の仕様に特化しているためか、ポケットなどの機能は削ぎ落されています。

撮影:筆者
ウエストを調整する機能もないため、購入時は店頭で試着してサイズを確かめましょう。
夏山のテント泊でも活躍しそうな万能さ

出典:PIXTA
手軽に得られる保温力と軽量コンパクトさは、夏のアルプス縦走などにも活躍しそうです。
ライター大堀
行動中も着用してみましたが、暖かくて蒸れにくいので早朝行動にも役立ちそう。シーズンもシーンも幅広く使える万能さがありますね。
DAS ライト・スカートもあります!

撮影:筆者
女性向けに「DAS ライト・スカート」もラインナップ。こちらも片側にフルレングスのサイドファスナーを備えていて、登山靴を脱がずに着用できます。

撮影:筆者
ライター大堀
XS~Lまでサイズがあるので、よりスムーズな装着性と軽さ重視なら男性も選択肢に。ただし、スカートは下から風が入るため保温性はショーツの方が上。そして、あぐらもかけません。求める機能によって選ぶのもよさそうです。
手軽な保温力を手にいれて、冬山をほっこり楽しもう!

撮影:筆者
澄んだ空気が気持ちいい冬山。でも、休憩中に体を冷やしてしまえば楽しさも半減です。
「DAS ライト・ショーツ」があれば、手軽に下半身の保温力をプラスできます。ショート丈という斬新な発想ながら、着脱しやすく、軽くて暖かい優秀ウェア。
下半身を暖かくして、冬の山ごはんも、山頂の景色も、もっと快適に楽しみましょう!
