アイキャッチ画像提供:Nicetime Mountain Gallery
韓国発のハイセンスなアウトドアブランド<CAYL>

提供:Nicetime Mountain Gallery
ブランド誕生のきっかけはクライミングウェアの制作
<CAYL(ケイル)>のブランド設立は2011年。デザイナーのEuijae Lee(イ・ウィジェ)氏は、もともと自動車メーカーのエンジニアで、クライミングが趣味だったそう。ところが当時のクライミングウェアは細身でタイトなものばかり。そこで、自分が着たいと思える、普段着に近いゆったりとしたシルエットのウェアを制作しはじめました。
クライミングに必要な機能を備えたウェアは、クライマー仲間にも大好評。その後、ハイキングやトレランなど、自身が楽しむアクティビティの幅も広がったことから、ウェアだけでなくバックパックも手がけるように。少しずつ扱うラインナップを増やし、いまではトータルでアウトドアアイテムが揃うブランドとして、韓国をはじめ日本でも注目を集めています。
韓国のアパレル系セレクトショップを中心に展開し、日本にも上陸
韓国のソウル市内に直営店があり、自身が選んだ他ブランドの商品も取り扱っています。また、アパレル系のセレクトショップを中心に、市内だけでも約10の取り扱い店舗があるのだそう。

提供:CAYL(Off the Grid 2019 ブランド名は、“Climb As You Love”の略)
日本では、2015年から毎年4月に開催されている国内最大規模のアウトドア展示会“Off the Grid”に、2018・19年と出店し話題に。同年にアウトドアセレクトショップ「Nicetime Mountain Gallery(ナイスタイムマウンテンギャラリー)」での取り扱いもスタートし、センスの光るウェアやギアに一目惚れしたハイカーが続出しました。
大好きな日本にブランドや制作者の思いが詰まったデザイン・機能を丁寧に伝えていくため、日本の代理店として「Nicetime Mountain Gallery」とタッグを組み、2023年秋より本格始動。日本でのさらなる展開も進めています。
韓国のULシーンをリード。山と街をシームレスにつなぐ<CAYL>の魅力
韓国では、ULハイクシーンを引っ張っていくポジションとして知られる<CAYL>。人気の理由は、ガレージブランドとも大手メーカーとも違う、“ほどよい距離感”にあります。
タウンユースしやすいデザイン性と機能性

撮影:YAMA HACK編集部
<CAYL>はブランドコンセプトである“climb our LIFE”のとおり、アウトドアアクティビティだけにとどまらず、タウンユースできることを意識しています。軽量性を重視してポケットをなくしたり、コードなどのパーツ類を排除したりするブランドも増えていますが、軽さだけを求めず、街で使うときに必要な機能もしっかり備わっているのがポイントです。
用途の異なる多彩なポケットなど、普段から使いたくなる機能は盛り込みつつ、薄くて軽い新しい素材も積極的に取り入れてデザインしています。軽さとのバランスや使う人の気持ちを考えて、細かな点まで配慮されているところが人気の理由のひとつでしょう。
石井さん
どんなにアウトドア好きでも、ほとんどの人が日常で過ごす時間のほうが長いですよね。
だからこそ、CAYLの製品はアウトドアで使えるスペックをもちながらも、日常生活にもすんなり馴染むカラーやシルエットを意識してつくられています。
ソウルという都市部から生まれたブランドというのもあり、いい意味でプロ仕様すぎない、でもULすぎない、ちょうどいいバランスなんです。
ひとつひとつ、丁寧につくりあげるモノづくり
デザイナーのイ・ウィジェ氏は、自分たちの目の届く範囲でモノづくりをしたいとの想いから、韓国国内の工場で商品づくりをしています。ひとつずつ丁寧につくりあげることで、クオリティコントロールを実現しているのです。
石井さん
大きな工場ではないので大量生産はできませんが、その分、管理が徹底されているので、品質についても自信をもっておすすめできます。
手に入れやすい価格がうれしい。有名メーカーとのコラボアイテムも
ここ数年で欧米系アウトドアガレージブランドの製品価格が高騰しているなか、<CAYL>の製品は企業努力によって比較的手に取りやすいのも魅力です。使いやすさとデザインを兼ね備え、コストパフォーマンスも高いとなれば、ますます人気が広まりそうです。

提供:CAYL(CAYL × NEW BALANCE 610)
石井さん
2023年には、NEW BALANCE(ニューバランス)とコラボレーションしたスニーカーを手がけるなど、新たな取り組みにも挑戦しています。
ファッショナブルなデザインと機能が掛け合わさった、CAYLらしいコラボアイテムに今後も注目です。
おしゃれハイカー要チェック!<CAYL>の人気バックパック
<CAYL>のバックパックのモデル名は、いずれも韓国の山の名前から名付けられているそう。押さえておきたい4つのモデルを紹介します。
定番のロングセラーモデル|Mari Roll Top(マリ)

提供:Nicetime Mountain Gallery
汎用性の高い30Lクラスの「Mari Roll Top」は、ブランドの看板モデル。UL装備ならテント泊も可能です。
石井さん
一番の特徴は、フロント部の左側に配置された「ダブルジップファスナー」。下のほうに入れた荷物を出し入れしやすいのがポイントです。
まさにロールトップタイプのバックパックならではの懸念点を解消したデザインで、メイン荷室へのアクセスがスムーズ。

撮影:YAMA HACK編集部
背面に収納されている3つ折りマットは、抜くとスリーピングマットや座布団代わりになります。自分の好きなサイズにカットした手持ちのマットを入れてもOK。

撮影:YAMA HACK編集部
ショルダーハーネスのパッドには適度な厚みがあり、荷物が軽く感じられる設計です。

撮影:YAMA HACK編集部(ジップポケット付きのヒップベルト「Stretch Pocket Hip Belt(別売り)」。クリップを留める位置によって、ベルトの高さを調整できる)
取り外し可能なシンプルなヒップベルトが付属しています。しっかり腰荷重をしたい場合は、幅と厚みを持たせた別売りのヒップベルト「Stretch Pocket Hip Belt」を取り付けるのがおすすめ。
小屋泊・テント泊登山に|TaeBaek(テベク)

提供:Nicetime Mountain Gallery
縦走登山にぴったりな45Lクラスのバックパック「TaeBaek」。
右上のジップポケットは取り外しできないものの、中央は縫いつけられておらず貫通する仕様。テントポールやトレッキングポールなどの長い道具をサイドポケットに収納した際に、本体と上部のポケットの間に挟んで固定できます。
開口部はロールトップにして留めてもOK。ハイドレーションポケットもあり、ホースは左右どちらからでも出せる便利な仕様です。

撮影:YAMA HACK編集部(背面のアルミフレーム)
背面長は2サイズ展開で、バックパックの重量はSM/約870g、ML/約940g。内側背面の中央には、取り外し可能なアルミフレームが入っており、体型にあわせて曲げることで、よりフィット感を高めて背負うことができます。
ショルダースタビライザーで、バックパックの荷重を背中全体に分散し、肩の負担を軽減することも可能。

撮影:YAMA HACK編集部(オプションベルトを装着。中央部は面ファスナーになっており、スリーブの幅はやや広め。取り付け位置を上下にずらすことで、多少の高さ調節が可能)
しっかりと厚みのあるクッションを備えた別売りのオプションベルトも用意されています。約210~230gほど重さは増えるものの、付け替えると腰荷重ができ、さらに安定した背負い心地に。
TaeBaekの推奨パッキング重量は9~10kgですが、オプションベルト使用時は14~15kgくらいまで対応できます。
石井さん
軽量系のパックでここまでしっかりしたウエストベルトは、なかなかありません。
「TaeBaek」は、自分の登山スタイルや荷物量、体力にあわせてカスタマイズできるのが最大の魅力です。
長期縦走や冬季登山に|Baekdu(ペクドゥ)

提供:Nicetime Mountain Gallery
荷物が増える山行には、55Lクラスの「Baekdu」が選択肢に。背面長はTaeBaekと同じ2サイズ展開で、基本的な機能も同様。バックパック本体の幅を広げることで容量をアップさせています。
フロント上部の大容量ポケットは、Baekduならではの仕様。取り外してポーチとしても使用可能です。
タウンユース&ハイキングに|Sobaek(ソベク)

提供:Nicetime Mountain Gallery
2023年冬に新登場したのが、25Lクラスの「Sobaek」。意図的にタウンユースによせて作られた、ジッパー開閉式のモデルです。
内側背面には、15インチくらいまで対応のPCスリーブポケットを装備。外側にはメッシュポケット&ジッパーポケットがあり、サイドには水筒も入るポケット付きで収納力は申し分なし。
止水ジッパーになっているで、多少の雨ならしのげるのも好ポイント。普段使いからハイキングまで幅広く活躍します。

撮影:YAMA HACK編集部

撮影:YAMA HACK編集部
石井さん
フロントのジッパーポケットが、CAYLらしい特徴です。
ダーツがある立体構造でたっぷりとした容量がありつつ、下部をアーチ型にすることで、荷物をたくさん入れたときでも底が垂れ下がらないように工夫されています。メッシュポケットの開口部に干渉しないので、出し入れがスムーズ。
デザイン性と機能性が両立するように考えられているんです。

撮影:YAMA HACK編集部
ウエストベルトは取り外しでき、別売りのオプションベルト「Stretch Pocket Hip Belt」に変えて、腰荷重で背負うことも可能。コンプレションベルトやバンジーコードなど、登山で必要な機能も必要十分です。
背面パッドはクッション性のある素材なので、しなやかな背負い心地。自転車に乗るときなど、体を前傾にする際にも体にフィットしやすくなっています。
毎日のコーディネートに!<CAYL>おすすめのアパレルアイテム
ウェアにおいても、デザイン性と機能性のさじ加減が秀逸!とくに人気のアイテムを石井さんにセレクトしていただきました。

撮影:YAMA HACK編集部
<CAYL>のウェアはロゴが控えめで、デイリーユースしやすいデザイン。バックパックとお揃いで、トータルでコーディネートしてもよし。
なお、基本的にユニセックス仕様ですが、2024年の春夏からは数アイテムのみレディースモデルの展開もあるそうです。
Stretch Nylon Pullover Shirts

提供:Nicetime Mountain Gallery
防風性と通気性を兼ね備え、ウィンドシェル感覚で着られるプルオーバーシャツ。街では夏の冷房対策としても活躍します。
シーズンによって新色が登場することもあるそうなので、気になる人はNicetime Mountain Galleryの公式サイトやSNSを要チェック。
石井さん
中央のポケットは、バックパックを背負っても干渉しないよう、やや内側についているのがポイント。首元・袖ともにスナップボタンのため、登山中に紛失の心配がなく、着脱もスムーズです。
サッと羽織れる襟つきの「Stretch Nylon Hiker Shirts」もおすすめ。
6 Pocket Hiking Pants

提供:Nicetime Mountain Gallery
速乾かつ軽量な素材を採用した、1年を通して長く活躍するハイキングパンツです。タウンユースしやすいゆったりとしたシルエットが人気。裾のドローコードを絞って、履く靴やシーンに合った着こなしを楽しめます。
ウェビングベルト付きのウエストやベンチレーション、6つのポケットなど、機能性も十分。
石井さん
ストレッチが効いているので動きやすさも◎。一度穿いたらハマってしまうと思います。CAYLのパンツシリーズは、実際にリピートする人が多いんです。
Supplex Vent Hat

提供:Nicetime Mountain Gallery
速乾性と撥水機能を兼ね備えた「Supplex Vent Hat」。ムレを外に逃がすベンチレーションや、視界を遮らない短めのつばなど、どんなときでも快適に過ごすためのこだわりの仕様が光ります。
石井さん
CAYLのメンバーは、日常でも山でも毎日帽子をかぶっているほどの帽子好き。だからブランドの規模のわりに、キャップ&ハットのバリエーションが豊富なんです。
つばの長さや素材、カッティングがひとつひとつ違うので、シーンに合わせてほしい機能や快適にかぶれるデザインを選べます。
今後も<CAYL>から目が離せない!

提供:Nicetime Mountain Gallery
使うシーンを選ばない、デザイン性が高いアイテムが揃う<CAYL>。十分なスペックも備わっていて、山だけでなく、いつものコーディネートに加えたいものばかり。ハイカーのみならずファッション好きにも人気があるのも頷けます。
スタイリッシュな<CAYL>のバックパックやウェアを取り入れて、デイリーからハイキングまで心地よい時間を過ごしてみては。
石井さん
日本では2024年春夏シーズンより、ファッション系のセレクトショップでのCAYLの取り扱いが本格的にスタートします。
第1号は中目黒のセレクトショップ「1LDK」。アパレル系セレクトショップならではの、タウンユースをメインとした提案も楽しんでいただけたらと思います。
Nicetime Mountain Gallery
住所:東京都渋谷区幡ヶ谷3-55-2
TEL:03-6809-0109
時間:12:00 – 19:00
定休日:不定休
※ショップの営業スケジュールは公式サイトをご確認ください