ここが良かった!シークのGOODポイント

そんなシークへの愛着は、一体どこから湧いてくるのか。好みのシューズを改めて履きながら、自分の足と対話するように、心を惹かれているポイントを冷静に探ってみました。
その作業から、ぼんやりしていたシークの魅力のなかで輪郭を帯びてきたポイントが、以下の5つです。ひとつずつ紹介します。
靴下のような履き心地をもたらす「アッパーとタンの一体設計」

タンとは、シューズのなかで甲に接するパーツのこと。タンは独立している靴が一般的ですが、シークではそれがアッパーと一体化。さらに、タン全体と足を入れる箇所がストレッチ素材で作られているので、まるで靴下を履いているようなフィット感を得ることができます。
この設計により、靴が足に密着するので高い一体感が生まれ、行動中に同じフィット感がつねに持続。
シークを履くと足と同化するような感覚があり、行動中、まれに気になる履き心地の違和感が限りなくゼロになっていると感じました。
不意の転倒を防ぐ「シューレース収納ポケット」

同じくタンの特徴で、結んだシューレースを格納するストレージポケットが備わっています。蝶々結びをむき出しにしたまま走ると、紐がほどけたり輪っかがなにかに引っかかったりして、転倒などのトラブルにつながる危険性があります。
トレイルランニングシューズには珍しくない特徴ですが、ポイントを押さえている点は好印象。抜け目ない作りから、トレイルランニングシューズの開発にかけるKEENの本気度が伝わってきます。
ただ、一点気になることがあり、ポケットが少々狭いので、紐を入れづらいです。また、結んだ紐をグチャグチャっとまとめると、団子のような膨らみができ、それが走っている最中に足首に当たって痛みを感じることがあります。ポケットのサイズは改良の余地があるかもしれません。
安心の安定性を発揮する「オリジナルラバーソール」

足元の安定性を司るアウトソールは、KEENが独自に開発したもの。
サラッと書きましたが、アウトソールを自社で開発しているシューズブランドは、実はそう多くありません。しかも、KEENはほかの靴にもすべて自社開発したアウトソールを採用。その結果ブランドが培ってきたのは、確かな技術力と開発力です。
そのテクノロジーを証明するように、シークに使われている「KEEN.ALL-TERRAIN」アウトソールは、グリップ力が頼もしいです。細かな砂の斜面でも濡れた岩の上でも滑る気配がなく、登りでは力強い牽引力を発揮し、下りではビタッと足元が止まるので、ガンガン前に進めます。
履く前はまったく期待していなかったのですが、いまではかなり信頼を寄せる存在に。ここまで性能の高いアウトソールを開発できるブランドの底力に脱帽です。
ちなみに、記事の冒頭、展示会で説明を受けた「1,500kmにおよぶテストを経て開発された製品で、高い耐久性が備わっています」とは、こちらのラバーソールまつわる話しなのだそう。150km走っただけではソールが擦り減ったりブロックの角が欠けたりするダメージはまったく見受けられず、あの謳い文句は決して伊達ではありませんでした。
破ける気配がない「高耐久&高通気アッパー」

もうひとつ感心しているのが、アッパーの作りです。
まず、とても柔らかいニットの生地が配置されていて、これが優れた通気性を発揮。靴の中の蒸れは最小限に抑えられます。その反面、編み目を確認できる素材感からは、すぐに破れそうな印象を受けました。いかにも、簡単に穴があきそうな見た目をしているのです。
しかし、ふたつのレースを走り終えたあとも、ほつれや穴開きは一切見られず、ダメージを負っている様子はありません。また、つま先を補強する樹脂製のコーティングにもはがれや裂け目などが見当たらず、全体的に耐久性はかなり高いといえそうです。
足がむくんでも窮屈に感じない「ワイドなトゥボックス」

トゥボックスにはKEENらしさを垣間見ることができます。
KEENのサンダルやシューズを履いたことがある人ならわかるとおり、KEENが手がける靴はどれもつま先側にゆとりがあり、窮屈に感じない履き心地が特徴です。
それと同様の履き心地がシークにも備わっていて、つま先側には足の指を動かせるくらいの幅があります。それでも冒頭に述べた一体感のおかげで、靴の中で足がずれる様子はなく、心地いい履き心地と高いフィット感を両立。レースの終盤、足がむくんできてもストレスを感じることはありませんでした。
この履き心地なら、歩きが主体のハイキングに出かけるのも良さそう。軽快な歩行性で山歩きがいっそう楽しくなるはずです。
シークは初めての一足にもおすすめ。山を走る楽しさを体験しよう!

すっかりお気に入りの一足になったKEENのシーク。本格的なトレイルランニングシューズですが、決して尖った商品ではないので、これからトレイルランニングを始める人が手に取っても走りやすいと思います。

最後に、クッション性と反発力に触れておくと、50kmのレースでは不満を感じず、100kmのレースでは残り40kmくらいから物足りなさを感じました。ですが、シークより明らかにミッドソールの薄い靴を履いている人が最後まで力強く完走している事実を目の当たりにすると、性能の感じ方はトレランシューズを履く人のフィジカルに大きく左右されると思われます。なので、わたしの感想は参考程度に留めておいてください。
シークの記事を書いていたら、なんだか山を走りたくなってきました。トレイルランニングは、登山の体力アップにもすごくおすすめ。シークといっしょに山を走る楽しみを体験してみてはいかがでしょう?
KEEN メンズ シーク
| サイズ | 25.0〜29.0(0.5㎝刻み)、30㎝ |
|---|---|
| 重さ | 306g(片足/27cm) |
| カラー | 全10色(2026年8月現在) |
| シャフトの長さ | 330mm |
| ヒールの高さ | 39mm |
| ドロップ | 6mm |
KEEN ウィメンズ シーク
| サイズ | 22.5〜25.5㎝(0.5㎝) |
|---|---|
| 重さ | 244g(片足/24㎝) |
| カラー | 全10色(2026年8月現在) |
| シャフトの長さ | 250mm |
| ヒールの高さ | 39mm |
| ドロップ | 6mm |
