SNAPが人気の理由って?

スマートフォンや行動食、コンパスや地図などを、登山中に出し入れする小物って意外とありますよね。
そんなときに便利なのが、ザックに取り付けができるショルダーポーチです。
さまざまなメーカーからショルダーポーチが出ていますが、用途が限られているためデザイン以外の違いがわかりにくく、選ぶのになかなか迷うアイテムでもあります。

そこで今回紹介したいのが、パーゴワークスの「SNAP(スナップ)」。
パーゴワークスといえば、枠に収まらない発想と使いやすさにこだわったギミックで、数々のヒット製品を生み出しているアウトドアブランド。スナップも2019年の発売当初は入手が難しいくらいの人気ぶりで、編集部にも愛用者が数人いるほど多くの登山者に支持されているギアの1つです。
ショルダーポーチの構造や装着方法が他製品と異なり、登山者がストレスなく使えるよう工夫されています。
今回はどのようなところが魅力なのか、実際に登山で使ってみて感じた良かったところや気になるところもレビューします。
使ってわかった!SNAPの6つの特徴
今回は実際スナップを装着し、登山をしながら使い勝手などをレビュー。まずは「便利で良かった!」を感じた6つのポイントを紹介します。
①スムーズ&スピーディーに着脱できる
意外と着脱する機会が多いショルダーポーチ。雨が降ってきたら中身を濡らさないようにすぐに取り外したいし、ザックを2つ以上使い分けている場合は、使用時にポーチを付け替える必要があります。
そのため着脱のしやすさは、地味に重要なポイントなのです。
■挟むのも簡単で、カラビナ不要で装着できる
スナップは、チェストストラップをフラップ式のベルクロで挟んで固定する装着方法を採用しています。
チェストストラップを通すので、カラビナを使ってショルダーハーネスから吊り下げる必要もありません。
またフラップ式のベルクロは大きめで、文字通り挟み込むだけで装着できるため、一般的なショルダーポーチよりも着脱方法がシンプルで簡単。
一方で多くのショルダーポーチが採用しているのは、ベルクロのストラップでショルダーハーネスを挟み込み固定する方法。
さらに製品によってはポーチ上部にループが付き、カラビナ等を使ってショルダーハーネスから吊り下げることで、ポーチの固定力を高めています。
というのもベルクロのみでは固定力が弱く、アクティブに動くと下へ下へとズレ落ちてしまう場合もあるからです。
スナップはカラビナを使わずとも、チェストストラップを通せばしっかり固定できます。
■ハーネス以外にも装着可能

ポーチの上の部分にはアルミフックが付いているので、ショルダーハーネス以外の場所にも装着できます。
テント場や山小屋などザックを置いていくシーンでは、パンツのベルトループなどから吊り下げれば貴重品入れとしても活躍しそうです。
②6ヶ所もあるポケットで整理整頓もラク

スナップは6つのポケットを備え、収納力の高さも魅力です。
表には伸縮性のあるストレッチメッシュポケットが配され、頻繁に取り出すことの多いスマホやサングラス、コンデジなどの立体的なアイテムも、スムーズに出し入れできました。
ポーチ内部には5つのポケットが備えられ、いずれも伸縮性があります。左側の大きめなメッシュポケットには、虫よけスプレーなどの立体的なアイテムもスムーズに収納できました。
右側のオーガナイザーポケットは、リップクリームやコンパス、虫刺されの薬など小物の整理整頓に便利。
キーフックも付き、コインロッカーの鍵やホイッスルなどの紛失防止にもなります。
③ストッパーでアイテムの落下を防ぐ

ショルダーポーチから中身を出そうとしたら、ファスナーが全開になってしまい中身がこぼれ落ちてしまった……。とくに行動中の場合、ポーチを見ずに感覚でファスナーを操作することが多く、不用意にファスナーが全開になってしまう可能性も十分にあります。
そのような事態を防ぐために、スナップにはストッパーが装備されています。ファスナーが全開にならずストッパーで止まるので、中身がこぼれ落ちる心配がありません。
他のショルダーポーチでは見かけない、使いやすさを追求したギミックだなと感心!

ストッパーの解除方法も簡単。黒いヒレの両脇部分(赤矢印)を両手の指で押して、黒いヒレを立たせることでファスナーを全開にできます。
ただ一気にファスナーを全開したくても1度ストッパーに阻まれるため、解除がやや手間に感じる場合も。
とはいえ、不意に中身がこぼれ落ちないようにする便利なギミックではあるので、どちらが使いやすいと感じるかは人それぞれだと思います。
④ペットボトルも収納できる

ショルダーポーチの中身がパンパンだと難しいですが、収納数を少なくすれば500mlのペットボトルも入れられました。
手に取りやすい胸元にペットボトルがあるため、水分補給がしやすい!別途ペットボトルホルダーを装着しなくていいのも、ポイント高いです。
ただペットボトルを入れると中身の収納力が落ちるのと、外側のポケットにあまり立体的なアイテムが入れられないので、どちらを優先するか決める必要がありそうです。
⑤歩行時に邪魔にならないスリムデザイン

腕の近くに装着する、アイテム収納すればポーチ全体の厚みが増す、という理由から行動中は体に当たりそうだな……という懸念がありました。
たしかに中にモノを入れると厚みはそこそこ出ますが、本体の幅がショルダーハーネスとほぼ同じくらいに収まるので、行動中も動きの邪魔になるようなことはありませんでした。
⑥アクティブな動きでもズレない

一般的なショルダーポーチは、ベルクロのみで固定すると行動中にズルズルと下に落ちてしまいます。そうなると中身の出し入れがしづらくなったり、手や腕の動きに干渉して注意力が散漫になってしまう場合も。なので別途カラビナ等を用意し、ショルダーハーネスのループに引っ掛けてポーチを吊り下げて使います。
しかしスナップの場合は、本体をチェストストラップに通してフラップ式のベルクロで挟んで固定するため、アクティブな動きをしてもズレ落ちる心配がありません。
個人的にもうひとつ持っている25リットルザックはチェストストラップがないのですが、その場合は本体上部に付いているアルミフックを、ショルダーハーネスのループに引っ掛けて吊り下げればズレにくくなります。
軽さを求めるなら「SNAP S」も候補になるかも

スナップには、もう1つ「スナップ S」というモデルがあります。
基本的なスペックは以下のとおり。スナップSの方が3cmほど厚みが少なく、また重量も15~20gほど軽いです。
スナップの機能や収納性はそのままに、より軽くて薄いスマートなデザインとなっています。
サイズ | 容量 | 重量 | 主な素材 | |
スナップ | 195×80×45mm | 0.5L | Black:80g その他:75g | Black:ナイロンPCコーティング その他:330Dナイロン |
スナップS | 195×80×15mm | 0.2L | 60g | ナイロンPCコーティング |
今回は、スナップとスナップSの「収納力」「装着感・サイズ感」の違いを比べてみました。
収納力の違い

容量はスナップが500ml、スナップ Sが200mlと、2倍以上の差があります。
内部の収納性も異なり、スナップ Sは片面のみオーガナイザーポケットを配置。もう片面にポケットはありませんが、スマートフォンやモバイルバッテリーなどを収納できます。ただし虫よけスプレーのような立体的なものを収納するのは不向きといえるでしょう。
スナップとスナップSの共通点
- ・本体表面に配されたストレッチメッシュポケット
- ・キーフック
- ・オーガナイザーポケット
■スナップSにはストッパーがなく、ファスナーが全開にならない
またスナップSはファスナーが全開しないため、ストッパーがありません。
スナップよりも収納力が少ないため、ファスナーが全開しなくとも中身が取り出しやすいからでしょう。またストッパーがない分軽量化にもなるため、スナップほどの収納力を求めていない方にはスナップSの方が使いやすいかもしれません。
装着感・サイズの違い

本体の重さはスナップ80g、スナップ Sは60gとそこまで大きな差はありません。しかし外ポケットにスマートフォンを収納した状態で比べてみると、スナップSの方が明らかに軽いと感じました。
収納量が多いと、その分どんどんアイテムを入れたくなるもの。すると必然的に重みは増すため、逆に収納数の少ない方が必然的に軽くなります。
虫除けスプレーや日焼け止めなど立体的なアイテムはザック収納でいいという人は、軽くて薄型のスナップSがおすすめです。
SNAPに関するQ&A
「スナップは雨の中で使える?」「左利き向けのモデルはある?」「汚れた時の洗濯方法は?」など、スナップに関する疑問をここで解消しましょう!
スナップは雨の中で使える?
ブラックは、PCコーティングを施した防水生地を採用。
その他のカラーは撥水生地となっています。
ファスナーの縫い目などを塞ぐシームテープ加工は施されていないため、長時間の雨に降られると中身が濡れてしまう可能性もあります。
雨が降り出したら、早めにザックの中にしまいましょう。
左利きだから左のハーネスに装着したいけど、そうすると使いづらい?
実は左側にファスナーがついた、右のショルダーベルトにつけられる「SNAP Lefty(スナップ レフティー)」というアイテムがあります。
また右利きの方でコンデジを山に持っていく際は、ピークデザインのキャプチャーを左肩に、スナップを右肩に装着するという使い方もできます。

パーゴワークス スナップ レフティー
スナップの洗濯方法は?
ブラックは、生地を軽く外側を拭くだけで綺麗になります。
ちゃんと洗いたい場合は、ポケットの中身をすべて取り出し、ぬるま湯で中性洗剤で手洗いし、陰干ししてください。
SNAPがショルダーポーチの悩みをすべて解決!

ショルダーポーチは数多くありますが、スナップならばこれまでの悩みをすべて解決してくれます。
とくにフラップ式ベルクロにチェストストラップを通して、スナップ本体の固定力を高める装着方法は、ズレ落ちるストレスからも解放されて非常に便利な機能。
もしショルダーポーチ選びに悩んでいる人、買い替えを検討している人は、ぜひパーゴワークスの「スナップ」を試してみてください。
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