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寒い山で使うなら大切にしたい「保温力」、もう一つは・・・
保温ボトルを選ぶ上でまず重要なのは「保温力」。せっかく持っていったのに、お湯の温度がキープできず、冷たくなっていたらショックですよね‥。気温の低い山の上でも温度を落とさない、しっかりとした保温力が不可欠です。もう一つは「使いやすさ」。いちいち手袋を外さないと使えないボトルではストレスがたまりますし、行程のロスにつながることも。ましてや厳冬期の冬山では、手袋を外すことは凍傷につながる可能性があるため、手袋をしたまま使えることは必須条件です。
そんな2つのポイントを抑え、多くの登山者に支持されてきたのがサーモスの「山専用ボトル」なのです。
「山専用ボトル」の圧倒的な保温力
山専用ボトルで最も有名なのがその保温力。サーモス社は性能の高いボトルを多く販売してきましたが、その中でもトップクラスの保温力を誇っています。保温力の秘密はステンレスの二重構造。外びんと内びんの間が真空状態で、熱を伝える分子がほとんどないために熱が逃げていきません。
さらに注ぎ口は保温力を重視して36mmとやや狭めに設計。
このおかげで口から熱が逃げず、温かいお湯を保ち続けてくれるのです。
【実験】極寒での保温力はいかに?冷蔵・冷凍庫にいれてみた!
ではどれくらい保温力が高いのか?サーモス公式HPによると下記の通りです。【500mlサイズ】6時間=77℃以上
【750mlサイズ】6時間=78℃以上
【900mlサイズ】6時間=80℃以上
ただここで注意すべきなのは、この保温力は「室温20℃±2℃」で計測された数値ということ。秋冬の山としては温かい条件になっているんです。
となると気になるのは
「もっと低い気温でもちゃんと保温してくれるのか?」という点ではないでしょうか。
そこで今回、山専用ボトルの実力を確かめるため、熱湯を入れた750mlボトルを「冷蔵庫(5℃)」と「冷凍庫(-18℃)」に入れて、温度の変化を測ってみました(※)。
スタートのお湯の温度は、サーモス公式と同条件の95℃に調整。
※今回は実験のために冷凍庫に入れています。ステンレスボトルを冷凍庫に入れることは故障の原因になりますので、実使用の際は入れないでください。
ちなみに今回、ひとつの参考として他メーカーの355mlステンレスボトル(写真右)も同じ条件で冷凍庫に入れて計測しています。
【結果】想定を上回る保温力が明らかに!
まずは冷蔵庫(5℃)に入れたボトルから。6時間後に78℃をキープできていればサーモスの公式調査と同じ数値になりますが、その結果は・・

次に冷凍庫(-18℃)に入れたボトルはというと・・
こちらもしっかりキープ!3時間後は86.9℃、6時間後の温度は80.4℃と、公式よりも2℃以上高い結果となりました!12時間後はやや落ちて68.5℃とはなりましたが、それでも飲めば体を十分に温めてくれる温度を保っています。
以上の実験から、山専用ボトルの保温力が高いことは言うまでもなく、さらに「氷点下以下の気温でもしっかり保温効果を発揮してくれる」と言えそうです。
ちなみに他メーカーのステンレスボトルの結果はこちら。
3時間後には早くも56℃まで落ち、6時間後に30℃、12時間後には6.5℃とキンキンの水になってしまいました。
もちろんボトルのサイズが小さく、メインの用途も異なるため単純な比較できませんが、それでも山専用ボトルの保温力が際立つ結果となりました。
カップ麺も美味しく完成!
追加の実験として、6時間冷凍した後の80℃のお湯を使ってカップ麺作りにも挑戦してみました。その結果がこちら。
流石にアツアツとまではいきませんでしたが、出来上がりには全く問題なし。麺が硬いなどもなく、普段どおり美味しくいただけました。
これであればバーナーを持参してお湯を沸かすことなく、インスタント麺も楽しむことができそうです。
使いやすさはいかに?
次に気になるのは「使いやすさ」。これについては私自身「本当によく考えられているなぁ」と使うたびに感心してしまうほどたくさんの工夫が散りばめられています。そのポイントをご紹介します。ノンスリップコップ
グリップ性を高めた形状、素材になっています。4つのくぼみに指が引っかかりやすいため、滑ることなくしっかり回す事ができ、ザックから引き出すことも簡単です。グローブをしてても簡単に開けられます。
ボディリング
普通のボトルは表面がツルツルしていて握りづらいですが、このシリコンリングのおかげでグローブをしたままでもしっかり握ることができます。うっかり落としてしまうような事故を防げるので安心感もありますね。ソコカバー
万が一落としてしまったときの衝撃を和らげてくれるシリコン製のカバーです。ちょっとした傷からも守ってくれるため、地面にも気兼ねなく置けるのも使いやすさを感じるポイントです。スクリュー
注ぎ口のスクリューにもギザギザが彫り込まれているため、キャップと同様、グローブをしていても簡単に回すことができます。そしてこれらのパーツはすべてバラバラに外すことができるため、お手入れも簡単。きちんと洗って乾かせるので、衛生面でも安心です。
さらに、別売りで専用ポーチも。パソコンケースのような衝撃に強い素材で作られているので、ボトルの傷や破損をしっかり防いでくれます。
カバーを付けたままお湯を注ぐこともできるので、利便性も損ないません。
ちなみにこのカバーをすれば更に保温性が増すのでは?と思い、熱湯を入れて冷凍庫に入れてみましたが、結論、カバーをしていないボトルと保温力の差はほぼありませんでした。(6時間後は80.4℃とカバーなしと同じで、12時間後は69.7℃と1.2℃だけ高くなりました)
カバーは純粋にボトルの保護目的に使うと良さそうです。
ボトルを使えば荷物もコンパクトに!
山専用ボトルに限ったことではありませんが、保温ボトルを使えば、荷物の量も圧倒的に減らすことができます。例えば山頂でお湯を沸かそうとした場合、「コッヘル」「バーナー」「ガス」「水」「ライター」を揃える必要がありますが、山専用ボトルなら熱湯を詰めたボトルを持っていくだけ。
「荷物を少しでも減らしたい!」という方にも保温ボトルはオススメです。
全3サイズ!あなたはどれを選ぶ?
山専用ボトルは500ml、750ml、900mlの全3サイズ。それぞれがどれくらいの量なのかイメージしやすいよう「日清カップヌードル」と「コーヒー」で換算してみました。自分がしたい登山をイメージしながら、ベストなサイズを検討してみてください。
※日清カップヌードル:300ml、コーヒー150mlで換算
①500ml 身軽にお湯を持っていきたい方に
②750ml 補給をしつつ、食事も楽しみたい方に
③900ml 2人以上でしっかりお湯を確保したい方向け
「山専用ボトル」で快適な山登りを!
山専用ボトルの圧倒的な「保温力」と、その「使いやすさ」についてご紹介してきました。今は他のボトルを使っている方も、まだ保温ボトルを山で使ったことがない方も、ぜひ一度店頭で触ってみてください。きっとその良さにびっくりしますよ!※今回は実験のため、様々な使い方をしています。ご使用の際は取扱説明書を必ずお読みいただき、ご使用ください。