サーモボトル界のニューカマー!話題の3モデルは「山でどれだけ使えるのか?」レビュー

2022/05/16 更新

登山に欠かせない保温・保冷機能を備えたサーモボトル。「モンベル/アルパインサーモボトル」や「サーモス/山専用ボトル」などの定番品以外にも、近年、登山に活用したい軽さや、超保温・保冷機能を装備したボトルが続々と登場しています。

そこで今回は、「サーモス」、「タイガー」、「ニトリ」の話題の3モデルを実際に使って、その実力を検証してみました。さて、どれが山での使い勝手に長けていたのでしょう!

制作者

モノ書き

ポンチョ

アウトドアライター歴25年。「細かすぎるライター」としてアウトドア道具のレビューが評判。登山はファストハイクからコーヒーやハンモックでくつろぐのんびりハイクまで。日本山岳耐久レース完走7回のトレイルラン好き。自転車雑誌&WEBでもアウトドアと組み合わせた記事を執筆。低山ハイクとヨガをMixしたツアー・イベント『ちょい山CLUB』の案内人。

ポンチョのプロフィール

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れびゅアイキャッチ画像:ポンチョ

今回試したのはサーモス、タイガー、ニトリの3ボトル!

ニトリ、サーモス、タイガーのサーモボトル
撮影:ポンチョ
山で使う保温・保冷機能を持ったサーモボトル。各ブランドから多くのモデルが出ていますが、最近発売されたなかから、ポンチョが「コレは!いいかも!!」と思えた3モデルを集めて、実際に使ってみました。
 
[中央]サーモス/真空断熱チタンボトル(FJN-500T)
待望のチタン製。当然軽さが特長で、ULハイカーを中心に人気を集めています。
 
[右]タイガー/カスタムボトル(スタンダードモデル)
ステンレス製ながら、チタン製に匹敵する軽さを装備。その名の通り、サイズ、カラー、栓の仕様を自分好みに組み合わせられる=カスタムができるボトルです。
 
[左]ニトリ/真空断熱 超保温・保冷ボトル(N-HEATEX 500ml)
2,490円という値段の安さと、山専用ボトルに匹敵する保温・保冷スペックが自慢です。

では、それぞれの機能を確認していきましょう!

サーモス/真空断熱チタンボトル(FJN-500T)

サーモス/真空断熱チタンボトル
撮影:ポンチョ
容量500ml
大きさΦ6.5×23.5cm
重量210g
定価14,300円
 
チタン製で軽量。スクリュー栓タイプで、フタを兼ねるコップで飲むタイプ。
 
サーモス/真空断熱チタンボトルの中栓
撮影:ポンチョ
同社の定番・山専用ボトルの容量500mlタイプの大きさ(Φ7×23.5cm)と重量(280g)より、ひとまわりスリムで軽量。なのですが、チタン製ゆえに、お値段がなかなかの重さです……。

しかしチタン製ならではの鈍く光るアウトドア道具っぽさが、際立っています。チタン好きにはたまらないでしょう。

実際、2021年秋の発売以降大人気で、販売を休止中。次の入荷予定は2022年秋になるとのこと。

タイガー/カスタムボトル(スタンダードモデル) ベンダルタイガー ワンプッシュ栓

撮影:ポンチョ
容量600ml
大きさΦ6.9×24.6cm
重量230g
定価4,730円
 
カスタムボトルは、WEB限定販売。カラー豊富で11色!容量も350、500、600mlから選べます。
 
タイガー/カスタムボトルの栓
撮影:ポンチョ
また、飲み口の栓を、上の写真のワンプッシュ栓、他にスクリュー栓、500ml限定でストロー栓から選択。それぞれ栓のカラーも、ダークブラウンとブラックから選べます。

このように自分好みのボトル仕様にできることから、『カスタムボトル』と名付けられてます。

加えて、容量600mlで重量230g、容量500mlモデルだと重量210g!と、ステンレス製でありながら、サーモス/真空断熱チタンボトルと同等の軽さを装備。金属加工技術の高さが感じられるスペックです。

今回600mlをテストしたのは、この軽さが理由です。

ニトリ/真空断熱 超保温・保冷ボトル(N-HEATEX 500ml)

ニトリ/超保温保冷ボトル
撮影:ポンチョ
容量500ml
大きさΦ7.8×24.5cm
重量380g
定価2,490円
 
ニトリ版の山専用ボトルともいえる、高い保温・保冷性能と耐衝撃性が特長です。
 
ニトリ/超保温保冷ボトルのトップカバー
撮影:ポンチョ
トップとボトムには着脱可能なシリコンカバーを装備し、衝撃を緩和。本体はなんと5層の断熱構造で、内びんに銅メッキ+銅ホイルを装備。

ちなみにサーモスの定番・山専用ボトル500mlの大きさがΦ7×23.5cm、重量280g、価格6,050円。
ニトリはひとまわり大きいけれど、お値段は半額以下もし保温性能がしっかり高ければ、購入の価値あるスペックといえます。

さぁ、もっとも気になる保温力は?

約95度のお湯をそれぞれのボトルに入れ、気温8℃の野外に放置して6.5時間後。ボトルの湯温は何度になったのかを検証してみました。
 
サーモス/真空断熱チタンボトル(FJN-500T)
サーモス/真空断熱チタンボトル保温力
撮影:ポンチョ
95.7度のお湯が、67.1度に
室温20℃で6時間後のカタログ値が、69度に設定されているので、なかなかよい結果となりました。
 
タイガー/カスタムボトル
タイガー/カスタムボトル保温力
撮影:ポンチョ
95.3度のお湯が、66.4度に
こカタログ値は、室温20℃で6時間後に72度なので、気温8℃であれば、順当な結果です。
 
ニトリ/真空断熱 超保温保冷ボトル
ニトリ/真空断熱 超保温・保冷ボトル保温力
撮影:ポンチョ
95.5度のお湯が77.5度に
カタログ値は、室温20℃で6時間後に85度以上の設定なので、気温8℃であれば、これくらいでしょう。

しかし、もっとも安価なのに、もっとも高い保温力。性能的には山専用ボトルに匹敵!

「お、ねだん以上」の保温性能です!!

ちなみに、それぞれの6.5時間後の湯温でカップ麺を食べてみると……

サーモス/真空断熱チタンボトル(FJN-500T)
サーモス/真空断熱チタンボトルの湯でカップ麺
撮影:ポンチョ
67.1度の湯でつくったカップ麺は、ちょいカタ。フォークですくった感じは、3分待てなかった時の少しもっさりとした感じ。でも食べてみると、きちんと美味しい!しかも、気温の低いなかなら十分にあったまります。
 
タイガー/カスタムボトル
タイガー/カスタムボトルの湯でカップ麵
撮影:ポンチョ
66.4度のお湯は、あったかさはあります。麺はバリカタ寄りのカタ。でも食べると、きちんと美味しいです。やわらかめが好きな方は、プラス1分で好みのカタさになりそうです。
 
ニトリ/真空断熱 超保温保冷ボトル
撮影:ポンチョ
77.5度の湯は、割とアツアツ。麺も、フツーに美味しいレベルです。ニトリの保温力があれば、ストーブで湯沸かししなくても、ボトルからそのままカップ麺に注ぐだけで不満なく食べられそうです。




本体の構造+口の大きさ、栓の構造が保温力の違い

各サーモボトルの口径
撮影:ポンチョ
さて、保温性能の検証結果は、①ニトリ、②サーモス、③タイガーとなりましたが、サーモスとタイガーはカタログ値が同じなので、誤差の範囲と思われます。

保温力の違いを考察すると、
ニトリ:ステンレス製5層構造
サーモス:チタン製真空2重構造
タイガー:ステンレス製真空2重構造

ニトリのみ、構造が大きく異なるように思えますが、いずれも真空層を装備した真空2重構造なのは共通です。

ですが、ニトリは内びんに銅メッキと銅ホイルの層をつくり、より高い断熱効果を得られる5層構造になっています。

また、熱が逃げやすい口部分の径を測ると、サーモスとタイガーはほぼ同じですが、ニトリのみ細く、約40mmでした。これも細い方が、保温性は高くなります。

各サーモボトルの栓
撮影:ポンチョ
さらに栓の部分も、
ニトリ:断熱材入りダブルスクリュー栓
サーモス:スクリュー栓
タイガー:ワンプッシュ栓

の順に、保温力が高いもの。

特に、ニトリの断熱材入りダブルスクリュー栓は、サーモスの山専用ボトルと同様の仕様。

ニトリの保温力の高さは、構造と口の細さも効果を発揮していると思いますが、一番の理由は、この断熱材入りダブルスクリュー栓の採用に思えます。

注いだ湯も確認しました!

チョロチョロとしか出ないとイライラするし、ドバっと出てくるのも困りもの。注ぐ湯は、どんな感じでで出てくるのかも確認しました。
 
サーモス/真空断熱チタンボトル(FJN-500T)
サーモス/真空断熱チタンボトルの細口
撮影:ポンチョ
中栓の注ぎ口は、細口と広口の2種類を選べ、上の写真は細口。さらに細くもできて、コーヒードリップの際に役立ちそうです。

サーモス/真空断熱チタンボトル広口
撮影:ポンチョ
こちらは広口。カップ麵等にお湯を注ぐのに便利な太さ、湯量で注げます。 この2種類の注ぎ口は、実際の使い勝手をよくわかっているなぁと、感心します。
 
タイガー/カスタムボトル
タイガー/カスタムボトルの湯
撮影:ポンチョ
一気に湯が出てこないように、細めの穴が開けられ、しかも口が付いているので、細さ、太さは自在に操れます。直接飲んでも、あふれるようなことはありません!
 
ちなみに、開けたフタ部分は、深く折り返すことができる仕様なので、直接飲んだ際に、鼻に当たるようなことがありません。うん、よく考えられています!!
 
ニトリ/真空断熱 超保温保冷ボトル
ニトリ/真空断熱 超保温保冷ボトルの湯
撮影:ポンチョ
中栓は2つの注ぎ口が備わっていますが、サーモス/真空断熱チタンボトルのように細口と広口の2種類の注ぎ口にはなっていません。

でも、中栓の開け加減で湯量は調整可能です。上の写真は、細めに湯を出した際のもの。スクリュー栓タイプの、当たり前の仕様です。

バックパックのサイドポケットに収納してみると

各サーモボトルをサイドポケットに収納
撮影:ポンチョ
サーモスとタイガーは、スリム形状で高さも同等なので、落下の心配もありません。

ニトリも大きくはみ出ることはありませんが、ボトルがやや太く高さもあるので、サイドポケットが浅いと、収まりが悪いかも。またボトムのシリコンカバーが出し入れの際に摩擦を生み、スムーズさに欠けますが、ストッパーにはなってくれそうです。

実際に使ってみて、感じたこと

サーモス/真空断熱チタンボトル(FJN-500T)
サーモス/真空断熱チタンボトルのカップ
撮影:ポンチョ
サーモスは、スクリュー栓仕様なので、直接飲むことはできません。お湯や、中にコーヒー等の飲み物を入れた際には、フタを兼ねるカップに注いで飲むことになりますが、このカップがやや小さめ。
 
しかし山では貴重な水分なので、少しずつ、残量を確かめながら飲むことに役立ちそうです。
 
タイガー/カスタムボトル
タイガー/カスタムボトルは色が豊富
撮影:ポンチョ
全11色のボトルカラー、栓は2色から選べ、商品名通りに自分の好みにカスタムできるため、他のハイカーとカブる可能性が少ないのが、なによりよい点です。ステッカーチューンを施して、取り間違いを防ぐ必要もありません。
 
また、直接口をつけて飲めるのも利点。普段使いにもよいでしょう。本体の塗装には滑り止め効果もあり、誤って落下の心配もなさそうです。
 
ニトリ/真空断熱 超保温保冷ボトル
ニトリ/真空断熱 超保温保冷ボトルのカップ
撮影:ポンチョ
スクリュー栓仕様なので、カップに注いで湯を飲むことになりますが、フタ代わりの樹脂製カップの内側に真空断熱カップも装備。容量も違うので、飲みたい量や気温に対応できますし、二人で湯をシェアする際に、別途カップを用意する必要がありません。

軽さで選ぶか、保温・保冷力で選ぶか

サーモボトル
撮影:ポンチョ
さて、使って感じたポイントまとめると……
 
■チタン好き、魔法びんのパイオニアとしての安心感を求めるならサーモス
 
■超軽量、自分好みのカラー、直接ボトルから飲めるボトルが欲しいならタイガー
 
■驚きのコスパと保温力重視ならニトリ
 
いずれも横倒ししても水漏れはなく、山で使っても不満のない機能を装備していました!
 
それでは皆さん、よい山旅を~~~!
 

スペック一覧

サーモスタイガーニトリ
サーモス/真空断熱チタンボトルタイガー/カスタムボトルースタンダードモデルー ベンダルタイガー ワンプッシュ栓ニトリ/真空断熱 超保温・保冷ボトル(N-HEATEX 500ml)
品名真空断熱チタンボトルカスタムボトル(スタンダードモデル)真空断熱 超保温・保冷ボトル
品番FJN-500TMXV-E060(ボトル)MXP-E001(栓)N-HEATEX 500mL
容量500ml600ml500ml
大きさΦ6.5×23.5cmΦ6.9×24.6cmΦ7.8×24.5cm
重量約210g約230g約380g
定価14,300円4,730円2,490円
本体チタン製真空2重ステンレス製真空2重ステンレス製5層
スクリュー栓ワンプッシュ栓断熱材入りダブルスクリュー栓
保温効力
  • 69度以上
  • (6時間)
  • 72度以上
  • (6時間)
  • 85度以上
  • (6時間)
保冷効力
  • 10度以下
  • (6時間)
  • 8度以下
  • (6時間)
  • 6度以下
  • (6時間)
特長
  • ・スリムで超軽量
  • ・細口と広口の2つの注ぎ口
  • ・チタンならではの美しさ
  • ・ステンレス製ながら軽量
  • ・栓とカラーのカスタム可能
  • ・本体は滑りにくい塗装
    • ・高い保温保冷性能と耐衝撃性
    • ・真空断熱コップ付き
    • ・手頃な価格
おすすめ魔法びんのパイオニアとしての安心感を求める人超軽量、自分好みのカラー、直接ボトルから飲めるボトルが欲しい人驚きのコスパと保温力重視の人
公式詳細はこちら
    • ※2022年秋
  • 販売再開予定
詳細はこちら詳細はこちら
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