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パタゴニアのお洒落フリースは登山で着てもOK? 小雪舞う山でテスト!(2ページ目)

動きやすさと保温力があり、防風性も装備した『クラシック・レトロX・ベスト』

パタゴニアのベスト

撮影:PONCHO

メンズ・クラシック・レトロX・ベスト

この『クラシック・レトロX』のジャケットを着て街を行き交う人を、近頃多く見かけます。20年程前にも流行しましたが、再びファッションアイテムとして人気を得ているのでしょう。今回は、そのクラシック・レトロXのベストをテストしてみました。

岩と筆者

撮影:PONCHO

日本ではベストの人気がないようで、山でも着ている人をあまり見かけません。でもカラダの中心は保温し、腕が動かしやすいベストは、ジャケットよりもアウトドアのアクティビティ向きのウエアです。

レトロXは裏地に特長あり

フリースの内側

撮影:PONCHO

特にこの『レトロX・ベスト』は、風を防ぐメンブレン、吸湿発散性のある裏地を装備。フリースは風を通して寒い、という弱点をカバー。アンダーウエアが吸い上げた汗も拡散、汗冷えを抑えてくれます。なので、背中にたまりがちな汗の冷たさは、感じませんでした。

生地はコシがあるともいえるし、少し硬いとも感じる

生地の柔らかさ

撮影:PONCHO

ただ、テストしたベストは新品ということもあり、またフリース地に裏地が張られているので、生地はやや硬め。腕まわりのパイピングもしっかりとした硬さがあり、少し当たる感じがありました。また私の腕まわりが細いこともありますが、少し浮いてしまいます。

横から見た図

撮影:PONCHO

だから背中側の裾を引っ張り、ヨレを取ってからバックパックのウエストベルトを締める必要がありました。

着古されたベスト

撮影:PONCHO

ちなみに筆者は20年ちょっと前に発売されたレトロX・ベストの初期モデルを現在でも愛用していますが、長年着てヘタっていることもあり、こちらは硬さもなく、動きによく馴染みます。

なので、この新品の『レトロX・ベスト』も、着る程に馴染むと思われます。

細部のつくりはアウトドアに対応しつつ、カジュアル的でもある

襟の高さ

撮影:PONCHO

本体の防風機能を落とさないために、『レトロX・ベスト』のフロントジッパーの内側には、風の侵入を防ぐフラップが装備されています。襟も高く立ち上がり、保温性も充分です。

またフラップは顎下までがあるので、ジッパーが当たって冷たさを感じることもありません。しっかりアウトドア仕様です。

細やかな特徴

撮影:PONCHO

レトロXのアイコンともいえるカラフルなポケットは、ベーシックなフリースカラーに彩りを添えます。ジッパーは縦型で、小物の出し入れもラクに行えます。ただ、下の写真でもわかる通り、バックパックのチェストストラップと干渉するので、バックパックを背負っている際は、ちょっと面倒……。

上で紹介した筆者が所有する初期のレトロX・ベストは、チェストストラップと干渉しない位置に胸ポケットが配置されているので、戻してもらえたらなぁと思います。

胸ポケットの位置

撮影:PONCHO

身頃下部、左右にあるハンドポケットは、バックパックのウエストベルトと少し干渉しますが、気になるほどではありません。上の写真の通り、ポケットへのアクセスも可能です。

意外と嵩張るのが難点

やや難点もあり

撮影:PONCHO

新品だからということもあるのかもしれませんが、この『レトロX・ベスト』、収納サイズはかなり大きめです。上の写真左はレトロX・ベストの初期モデル、真ん中が今年の『レトロX・ベスト』、右が『レトロ・パイル・ジャケット』を丸めたサイズ感を比較したものです。

裏地があるので嵩張るのかもしれませんが、ジャケットより大きいとなると、保温着として携帯するのではなく、行動着として着続けるのが、今年の『レトロX・ベスト』のよい使い方に思えます。

ベストなのでレイヤリングはしやすい

ベストを着込む筆者

撮影:PONCHO

行動着として着続ける方がよい理由は、袖がないので、レイヤリングがしやすいということもあります。アウターシェルを上に着込んでも、動きを邪魔しません。でもカラダの中心は温められ、寒さは感じにくいです。

山コーディネート

撮影:PONCHO

また、防風フリースとしての特長を活かすなら、アンダーシャツの上にアウターとして『レトロX・ベスト』をレイヤリングするのがよいでしょう。

寒さ温かさの体感は人によって違いますし、アンダーシャツの厚みによっても変わりますが、私の感覚だと気温0度~15度くらいまでの範囲で、動きやすさと保温力を装備できるウエアだと思います。

保温性を検証

撮影:PONCHO

実際、気温0度で風が強く吹いていた山頂付近では、アンダーシャツ+レトロX・ベストでは寒く感じましたが、山頂より下の森の中で風が抑えられた場所では、止まると少し寒いけれど、動くと汗をかかないちょうどよい体感温度でした。

また保温という意味では間違ったレイヤリングですが、薄手のウインドシェルの上にレトロX・ベストを重ねると、アンダーシャツの上に重ねるよりも腕が風の冷たさを感じないので、保温と運きやすさの両方を確保できました。

そうした点でも、この『レトロX・ベスト』は、着る人がレイヤリングを工夫しながら、最適を見つけるのが楽しいウエアといえます。最適が見つかると、活用度がぐっとアップしてきます。

低山ハイカーに“ちょうどよい”選択

2種類のフリース

撮影:PONCHO

テストを終えて感じたのは、激しい動き、厳しい環境にも対応するテクニカルフリースと比較すれば、カジュアルフリースは運動性に劣るのは事実。とはいえ、低山ハイクであれば、テクニカルフリース程の高機能を必要するシーンは多くないのもまた事実。

登山メディアや登山専門店では、とかく高機能なウエアを薦められますが、クラシック、レトロ、またカジュアルとされる今回取り上げたようなフリースウエアでも、多くのハイカーが登る低山では問題なく機能してくれます。

それに、こうしたウエアの方が、低山ハイクの風景に、よく馴染むように思います。

では皆さん、よい山旅を!

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