アイスキャンディって…?
日本アルプス・八ヶ岳など中部山岳エリアをフィールドとする、登山者の知識を測るリトマス試験紙のひとつが“アイスキャンディ”です。
アイスキャンディといっても、夏に食べる、あの冷たいスイーツではありませんよ。むしろ冬の風物詩なのです。
正解はこちら!毎年冬の時期にだけ南八ヶ岳の山小屋・赤岳鉱泉に現れるこの人工氷瀑が“アイスキャンディ”と呼ばれています。多くのクライマーがアイスクラミングを楽しむための、冬の風物詩です。
しかしこの巨大な氷の塊。どうした経緯で生まれ、どのように使われているのでしょうか。
今回はアイスキャンディが生まれた背景や、そこで体験できる様々なイベントなど、「アイスキャンディ」について詳しく紹介していきます。
アイスキャンディの始まりは「事故が絶えなかった天然氷瀑」
複雑な谷が入り組んで流れ、冬には厳しい寒さに見舞われる南八ヶ岳周辺。これらの沢に冬になると現れる「氷瀑(凍った滝)」でのアイスクライミングを楽しむために、赤岳鉱泉周辺には古くから多くのクライマーが訪れていました。
当然、これら天然の氷瀑はその年の寒さなどによって規模や氷の状態が変化するもの。アイスクライミング中の事故やトラブルも絶えませんでした。
アイスクライミングを安全に体験できる人工氷瀑を…
こうした背景の中、「アイスクライミングを安全に体験できる場」として造られたのが、赤岳鉱泉のアイスキャンディ。日々のメンテナンスによりコンディションを一定に保ち、的確な指導者の元で正しい技術と知識を身に付ける事ができる場所なのです。
▼アイスキャンディの誕生秘話についてはこちらの記事に詳しく書かれています

毎年10月から鉄骨を使用した骨組みの組立て作業が開始され、気温が低くなる晩秋から水を撒きながら徐々に氷を厚くしていきます。アイスクライミングのフィールドとして使用できるのは例年12月から翌年3月頃。冬の時期にだけ現れる、期間限定の氷瀑なのです。
アイスキャンディでは「アイスクライミングの基礎」が学べます
期間中は、山岳ガイドがクライアント(顧客)を連れてアイスクライミングの指導を行なったり、赤岳鉱泉が主催してのイベントも開催されています。
その象徴ともいえるのが毎年1回開催されている「アイスキャンディフェスティバル」。多くの山岳メーカーや企業が協賛して、アイスクライミングや雪山登山を安全に楽しむための体験イベントを実施しています。
初心者でも体験できるの…?
「アイスクライミングは初心者なので、装備もないし技術も不安…。」そんな人のために赤岳鉱泉では、「初心者体験会」や「鉱泉道場」などのイベントも開催。
「初心者体験会」では小屋番によるビレイ(安全確保)でのアイスクライミング体験、「鉱泉道場」ではプロの山岳ガイドのアドバイスを受けながら、安全にアイスキャンディにチャレンジすることができます。
さらに、赤岳鉱泉ではアイスクライミングに必要なアイテムのレンタルも実施。基本的な雪山装備を持参すれば、レンタルギアでアイスキャンディを体験することもできます。
SNSでも色々な情報が配信されているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。
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