アイキャッチ画像:ポンチョ
あったまり、プラスでき、満たされるから、山ではラーメン

デイハイク、山小屋泊、テント泊。たくさんの山を登ってきて、そのほとんどで食べたモノ。それは、ラーメンです。私は家族のなかで調理担当のため、日々の食生活では食材や料理に気を使っています。しかし山では、手軽さ優先でカップラーメンや袋麺を食べることが多くあります。
「山で食べるカップ麺は、なんでこんなに美味しいのだろう?」、そんな言葉をよく口にします。
それでもある時から、ラーメンであっても、できるだけ味わい深い、美味しいものを選ぶようにしよう。そう考えて、ちょっとこだわりのある袋ラーメンを探すようになりました。

それにラーメンは、やっぱり山に向いた食事です。さすがに気温30度に近い夏の低山で食べる気は起きませんが、それ以外であれば、カラダをあたため、登山で失った塩分を補給できます。
テント泊で重い荷物を背負った際には、残ったスープにフリーズドライのごはんを投入。雑炊にして、さらにお腹を満たせます。
ラーメンの残ったスープをどうやって処理するかが、登山では課題になることがあります。私は飲み干せなかったらペットボトルに入れて持ち帰るか、テント泊ならその場で、または翌日に雑炊にして活用することが定番です。
飲み干したくなる、または雑炊にして味わいたいスープを探して

山でつくったラーメンのスープを残さない。
そうするために、飲み干したくなる美味しいスープ、雑炊にして食欲が刺激される味わい深いスープ。それが、ちょっとこだわりのあるラーメンを探すようになったきっかけです。
そして見つけたのが、『成戸製麺所/湯浅醤油拉麺(¥399)』と『tabeteだし麺/千葉県産はまぐりだし塩らーめん(¥232)』のふたつの袋ラーメンです。
このふたつに出合うまでは、袋ラーメンならマルタイ棒ラーメンを食していました。その理由は、ひと袋に2人前=2回分のラーメンが入っていたことと、乾麺が棒状なのでバックパックへの収納性がよかったからです。
でも、薄味好みの私には、あっさり醤油味の棒ラーメンでも、ちょっと濃いんですよね……。
醤油発祥の地の味わい豊かな醤油が美味!『湯浅醬油拉麵』

『湯浅醬油拉麵』は、棒ラーメン同様に豚骨ベースの濃厚醤油味です。ただし、醬油発祥の地と言われる和歌山の湯浅醤油・本醸造樽仕込み醤油を使用しているところが、大きな違いです。
醤油発祥の地の濃厚醤油。それは塩辛くて、パンチの効いた味なのだろうかと想像していたのですが、まったく異なる味わいに衝撃を受けました。

上画像が、湯がいた麺に添付の醤油ダレを投入した状態です。初めてつくった時には、かなり濃い色をした醤油なので、覚悟を決めて食さねばと思っていました。

でも、トッピングを乗せて完成させたところで、「あれ?」となりました。
立ち上る湯気からは、塩辛い濃さではなく、甘い香りがフワッとしてきます。しかも、それは鼻腔をくすぐり、脳を喜ばせ、食欲を刺激する、旨味の強い香りです。
ひとくち啜ると「はぅ!!」。この醤油スープは、見た目こそかなり濃い口ですが、甘味と旨味が前面に出てきて、スルスルっとカラダに浸透していきます。まるで濃くなく、丸くやわらかな味わいです。
手間暇かけて昔ながらの製法でつくられた醤油によるスープは、やさしさが際立ち、袋ラーメンのレベルを越えた満足感を与えてくれます。それに成戸製麺所のストレート乾麺も、スープのおいしさを引き立てています。
旨味たっぷり醤油スープを活かすフリーズドライ雑炊

旨味たっぷりスープに、フリーズドライの白米とキャベツ、煮卵を入れてつくった雑炊が上画像です。白米が醤油スープを吸い込み、米一粒一粒に美味しさを凝縮。毎回、サラサラサラ~っと、ラーメンを食べた後とは思えない早さで完食してしまいます。
湯浅醬油拉麺+〆のフリーズドライ雑炊は、山で食べると美味しいラーメンどころではなく、自宅で来客に振舞いたくなる、簡単ご自愛料理としてもオススメしたくなるハイレベルラーメンです。