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NNormal(ノーマル)トミール01WPシュー

山岳アスリートのキリアン・ジョルネのアイデアを具現化したシューズ「ノーマル / トミール01WPシュー」はハイクにも◎でした!

装備は軽くなったのに、なかなか変わらないのが選択するシューズです。でも、シューズだって進化しています。近年は、アウトソールのグリップ力が向上。滑らないので、背負う荷物が軽ければ、ミッドカットを履く必要がないくらいです。

でもローカットモデルはトレイルランニングシューズが多く、防水透湿モデルが少ないのが現状。そんななか見つけたのが、山岳アスリートのキリアン・ジョルネ氏が手掛けるNNormal(ノーマル)の「トミール01WPシュー」。トレイルランニングはもちろん、ハイキングでのあらゆるコンディションにも対応してくれる、オールマイティーシューズです!

目次

アイキャッチ画像撮影:ポンチョ

山好きは、どんなシューズを選ぶべきか?

ノーマル トミール
撮影:ポンチョ

シューズ選びは難しいものです。デザインが気に入っても、自分の足にフィットしなければ、登山は苦行の時間となります。足にフィットしていても、履いていて気持ちよいと思えるデザインでなければ、残念な気分とともに山時間を過ごさなければなりません。

さらに昨今では、安定した歩行を可能にするグリップ力を得るために、ソフトなアウトソール素材が使われています。でも、それらは粘着力がある反面、すり減りやすく、山行回数によっては、1年も持たずに機能を発揮しなくなってしまうシューズもあるんです。

登山道具の基本性能は、耐久性です。いかに機能的であっても、登山で履くシューズであれば最低でも2~3年くらい持つものでないと、使うことに罪悪感を感じます。だって、山に行く回数を増やすほど、ゴミを増やすことになるのですから!

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

フィット感、デザイン性、グリップ力、耐久性を併せ持つシューズ。それが、現在の登山者が選ぶべきシューズだと、私は考えています。

そして、それらの性能を高次元で融合させようとしている新興シューズブランドがあります。スペインのマヨルカ島に本強を置くカンペールがデザイン、ノルウェーでテストを行うシューズブランド、「NNormal(ノーマル)」です。ブランド名は、Nor-way(ノルウェー)+Mal-lorca(マヨルカ)の組み合わせだそう。

現在、世界最高の山岳アスリートが手掛けたシューズ

キリアン・ジョルネ
提供:ノーマル

ノーマルには、強力なパートナーがいます。
エベレストの最速登攀記録、さらには週に2回のエベレスト登頂、トレイルランニングレースの世界選手権と称されるUTMBを通算4回優勝。現在世界最高峰の山岳アスリートと評されるキリアン・ジョルネ氏が、シューズ開発やテストに協力しています。

また、キリアン氏は、レースのための飛行機移動を最小限に抑えるなど、環境活動家としても知られています。だから、ノーマルのシューズは、次のような考えで開発されています。

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

「私たちはデザインの過程で、すべてのアクティビティに使用できるシューズを作ることを目指しました。耐久性に優れ、頑丈でありながら、足にぴったりとフィットします。グリップ力も絶大で、あらゆる地形に対応できます」

つまりフィット感、デザイン性、グリップ力、耐久性を併せ持つシューズ。偶然にも、私が求め、多くのハイカーにオススメしたい機能が、ノーマルのシューズ、今回取り上げる「トミール01WPシュー」には装備されているのです。

ノーマルらしいスペックが光る「トミール01WPシュー」

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

テストしたシューズは、「トミール01WPシュー」です。男女モデルが用意されています。そのスペックは、以下の通りです。

ブランド名 / 商品名
ノーマル / トミール01WPシュー
価格
¥29,700
重量
318g
ドロップ
ドロップ:8mm(前足部23mm / かかと部31mm)
防水透湿素材
シンパテックス防水メンブレン
アウトソール素材
ヴィブラム・メガグリップ+ライトベース
アッパー素材
ポリエステル撥水リップストップメッシュ

厚底系だけど、足裏感覚と安定感がある

ノーマル トミール01WPシュー

着用してみると、アッパー、シュータンの薄さに気が付きます。防水透湿素材を採用しているのにしなやかで、甲部を包むようにフィット。

かかと部のミッドソールは厚めで、昨今ランニングシューズだけでなく、ハイキングシューズでも取り入れられている厚底系です。フワフワすることはなく、むしろ前足部には足裏感覚があります。片足立ちしても、自然にスッと立て、安定しています。

加えて、欧米ブランドにありがちなタイトさはなく、足指をしっかり動かせる適度なルーミーさを装備。山でのトラブルは、少ないだろうと想像できます。

夜の山景色のようなシックなデザイン

商品名の“トミール”は、ノーマルを手掛けるシューズブランドのカンペールが本拠を置くスペイン・マヨルカ島にある山名だそう。ゆえに等高線のデザインが採用されているそうです。もちろんそのラインはデザインのためだけでなく、アッパーの耐久性向上にも役立つものです。

なによりソールのカラーと同じ海や空を思わせるブルーのラインと深いブラックの組み合わせは、月明かりに照らされる夜の山景のようで、静けさを感じます。

こういうシックな雰囲気は、他ブランドのトレイルランニングシューズやハイキングシューズにはない、ノーマルらしさといえます。

防水透湿素材採用のローカットシューズという選択

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

さて、ここまで読んで、ローカットシューズは防水透湿モデルでも不安という人がいると思います。

トミール01WPシューがラインナップされている「トミール01」シリーズには、ランに適した通気性のよいメッシュ地と、縦走で履いても安心の防水透湿素材を採用したアッパーがあります。さらに防水透湿素材モデルには、足首をサポートするミッドカットと、軽量性にすぐれるローカットが用意されています。

このラインナップは、履く人の目的や用途に合わせたものです。

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

ハイキングシューズ選びの基本に倣えば、防水透湿素材のミッドカットシューズを選ぶのがセオリーです。

ですが、デイハイクがメインだったり、テント泊でも10キロ+αの軽量装備を準備できるなら、ローカットでも問題ありません。ローカットの履き心地の軽さと自由度は、普段と同じように歩ける、動けるメリットでもあります。

だから身体の動かし方としては、重量があって足首をホールドするミッドカットよりも、ローカットのほうが疲れにくいのです。

けれども、それは山歩きに慣れていて、普段からランニングをするなどして、山に向けたトレーニングをしている人の場合という鍵括弧つきの話です。

だから、ミッドカットを選びたいシーン、人もいるでしょう

トミール02ブーツ
撮影:ポンチョ

もし、登山を1シーズンに1回しか行かなかったり、日常的にもランニングはおろかウォーキングもしていないなら、ローカットでの登山は向いていないと思います。

そこで上画像の「トミール02ブーツ」という、トミール01よりもアッパーの耐久性とミッドソールのクッション性をアップさせたミッドカットモデルも、室内でだけですが試着してみました。

このブーツは、ミッドカットでありながら、防水透湿モデルではなく、珍しいメッシュタイプです。つまり雨天対応で履き口を高くしてミッドカットにしているのではなく、よりハードな山を楽しむこともできるように、サポート性を重視してミッドカットを採用しているのです。

履き心地は、ローカットのトミール01WPシューにはない履き口の分厚いパッドで足首をしっかりとホールド。間違いのない安心感があります。山慣れしていない人の足も、しっかりサポートしてくれるでしょう。

ノーマル トミール01ブーツWPシュー
提供:ノーマル

またトミール01ブーツWPシューは、防水透湿ミッドカットです。基本仕様は今回テストしたローカットのトミール01WPシューと同じです。そしてトミール02ブーツ同様に分厚いパッドで足首をサポートしてくれます。安心です。

ハイキングシューズ選びの基本を考えれば、ノーマルではこのブーツを登山で履くべきなんだと思います。

ですが、ローカットのトミール01WPシューも、足首のサポートはないけれど、ミッドカット同様のしっかりとした安定感が魅力なんです。山慣れしていない人は、ローカットでの登山に向いていないと書きましたが、このシューズで慣れていく、トレーニングしていくというのは、アリだと思います。

常識や正解にとらわれず、とりあえず試してみれば、新たな可能性を知ることができます。合わないと思ったら、どうやったら合うようになるのか、使い方を考えたり、身体づくりをしてみれば、合うようになったりします。道具を使うことって、それが楽しみだと思うんです。

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