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山岳アスリートのキリアン・ジョルネのアイデアを具現化したシューズ「ノーマル / トミール01WPシュー」はハイクにも◎でした!(2ページ目)

アウトソール素材の進化がもたらした、ローカットの安定感と軽さ

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

ローカットのトミール01WPシューに備わる安定感は、アウトソール素材に採用されている、ヴィブラム・メガグリップによるところが大きくあります。

これまでの登山靴、ハイキングシューズは、アウトソールの素材よりも、ラグと呼ぶ突起の形状やそれらの配置=パターンによって、滑りにくさ、ズレにくさ、ブレにくさを装備していました。

対して、メガグリップは素材が持つ防滑性によって、大きなグリップ力を発揮します。

ヴィブラム メガグリップ
撮影:ポンチョ

だから、トミール01WPシューのアウトソールのパータンは、上画像のように浅いラグが、ゆとりを持って配置されています。こんなラグで、ちゃんとグリップするの?と心配になるくらいです。

でも実際に履いて歩き、走ってみれば、これまでのシューズとは次元の異なる安心を感じます。高いグリップ力が備わっていることで、歩行の安定感が増し、足首を守るミッドカットである必要性はないと体得するレベルです。

むしろ、これまでのシューズに高いグリップ力が備わっていなかったから、安定感を生むために足首をサポートするミッドカットでなければならなかったとも、思えます。

ラグの配置が広いから、泥詰まりしません!

ヴィブラム メガグリップ
撮影:ポンチョ

今回のテストでは雪解けでドロドロにぬかるんだ北斜面を登り下りしたのですが、さすがにそうしたグリップが効かない路面では慎重な足取りが求められました。

そして、南斜面のガレ場や乾いた土の登山道を下りてきた後のアウトソールの状態を写したのが、上画像です。

これまでのシューズであれば、狭いラグ間が完全に埋まるほど泥が詰まってしまい、ラグが機能しづらくなり、シューズも重くなりがちでした。しかし広いラグ間のトミール01WPシューは、ヒール付近に少しだけ泥詰まりがありますが、ラグが泥に埋まってしまうようなことはありません。

ヴィブラム メガグリップ
撮影:ポンチョ

さらに、林道を3キロ程歩き、走って登山口に到着した後のアウトソールの状態が上画像です。はたいて泥を落とした後ではありません。歩いてきて、シューズを脱いだままの状態です。泥は完全に落ちています。

これは、広いラグパターンでもしっかりとグリップする、メガグリップ採用のアウトソールならではの機能といえます。

ソールのよさは、グリップ力だけではありません!

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

トミール01WPシューのアウトソール素材には、メガグリップに加えて、同じヴィブラムのライトベースという薄さと軽さを重視した機能も採用されています。

またグリップ力の高いソール素材は、柔らかくて耐久性に課題があるものが多いのですが、トミール01WPシューは耐久性を重視。長期間、長距離を使用しても、削れにくいアウトソールになっています。

耐久性の高さは、シューズの購入サイクルを長くでき、地球環境への負荷を軽減したいと考えるキリアン氏、ノーマルのモノづくりを体現したものと言えるでしょう。

ハイクを意識したことがわかる、ソールの硬さ

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

さらに、前述の通りトミール01WPシューは、厚底系です。かかと部は高いクッションがありますが、しかしフワフワとした感じはありません。ソール全体は硬めで、反発力を重視した印象です。背負った荷物の重さに負けず、足をサポートしてくれます。

今回トレランスタイルに加えて、重量13キロの軽量テント泊装備を背負って歩いてもみたのですが、疲労感は軽め。撮影しながらでもコースタイムの0.7くらいのスピードで移動でき、グラつくことなくバランスよく歩けました

初めてのテント泊での着用にはオススメしませんが、ある程度テント泊縦走の経験があって、デイハイクでローカットを着用する経験を積めば、やはり10キロ前後の軽量装備なら、問題ないどころか、自由な足さばきができて快適です。

それはメガグリップのグリップ力とソールの硬さが提供してくれる、快適さだと思えました。

軽さを実現した、アッパー素材の薄さについて

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

トミール01WPシューの重量は、318g。防水透湿ローカットシューズ、しかも厚底シューズであるにも関わらず、かなり軽量です。この軽さは、足取りの軽さに、よい影響を与えてくれます。

ただし、軽量化のために履き口のパッドは必要最低限。シュータンも薄くパッドが配されていますが、一枚布のようです。そのため薄いソックスだと、下りで前方に力が掛かった時にシューレースの結び目が甲に当たる感じがありました。靴ずれになることはありませんでしたが、中厚手のソックスの方が相性がよいと思います。

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

シューレースの形状は平紐です。一時期は採用されなくなっていたのですが、最近はまた復活傾向。トミール01WPシューは、シューホールを平紐に合わせた平たい形状にすることで、弱点だった締め込みにくさを解消。長所である緩みにくさを活かしています。

またレーシングシステムは、シューズと足の緩みのない一体感が求められるクライミングシューズに多い、内側にカーブした非対称システムを採用しています。足の形状、特に甲部に沿ってシューレースを締め込め、薄手のアッパーがしっかりとフィットします。

フィット感の高さは、アウトソールのメガグリップがもたらす安定した歩行をよりよくするためのサポートをしてくれています。メガグリップを採用したシューズは他にも多くありますが、甲部を包み込む一体感は、ノーマル、そしてトミール01WPシューの個性です。

下りでつま先がシューズ前方に当たらない、長めサイズがいい!

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

今回、距離16キロ、累積高低差1000mのルートで着用して感心したのが、シューズのサイズです。

トミール01WPシューは、足指を動かせる適度なルーミーさに加えて、つま先部分の余裕を多く取っています。私が着用した27.5cmのシューズも、他のブランドのシューズに比べてつま先部のアキがやや大きめでした。

恐らく、キリアン氏がトレイルランニングのスタイルで登山をしいるので、下り斜面でつま先がシューズ前方に当たって爪が故障するリスクを低減しようと考えたのでは?と想像しています。

これが実に快適です。

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

私も爪の故障を防ぐために大きめサイズを履いています。でも、そうするとかかとや甲部のフィット感が弱まって、さらに足が前にズレやすくなったり……それを防ぐためにシューレースをキツく締め込み過ぎて、痛みが出たり……といったシューズもあるのですが、トミール01WPシューは、それがありませんでした。

トレイルランニングではなく、通常の登山、ハイキングでも、下りでつま先が当たって痛みを感じたことがある人もいると思います。そういう人は、試してみる価値のあるシューズです。

ハイキングをスピーディーに楽しみたい、軽量スタイルにぴったり

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

普段からローカットのトレイルランニングシューズを愛用している私ですが、唯一の不安は、アッパーがメッシュ地のため、気温の低い高山で雨に降られて、足を冷やしてしまうことです。

そこで縦走用に使える防水透湿ローカットを探してあれこれ試しているのですが、重かったり、デザインがイマイチだったり、ソールがソフトすぎて疲れやすかったり、もう少しグリップ力が欲しかったり……と、なかなか履きたいシューズに巡り合えませんでした。

ノーマル トミール01WPシュー
撮影:ポンチョ

そんななかで出合ったのが、私がシューズ選びの基準にしているフィット感、デザイン性、グリップ力、耐久性を併せ持ち、さらに防水透湿機能を装備した軽量なローカットシューズ=ノーマルの「トミール01WPシュー」です。

高いグリップ力と軽い足取りは、山ヂカラがワンランクアップしたようでした!

そうした履き心地、山岳アスリートのキリアン・ジョルネ氏がシューズに求める機能性、可能性を、是非体感してください。そしてローカットシューズでも登れる、登りたくなる自分のスペックアップを目指してみてください。

それでは皆さん、よい山旅を!

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