ウルトラライト系バックパック5選! 日帰りからテント泊まで目的別にセレクト

ロングハイカーたちが愛用する超軽量のバックパックは、日常的な日帰りや山小屋泊のハイキングにも便利そう!そこで、アウトドアショップ「ハイカーズデポ 」のオーナー・土屋智哉さんに、ウルトラライト系バックパックのおすすめ5選を選んでもらいました。

アメリカ発祥のカルチャー・ウルトラライトって?

出典:PIXTA
登山の装備を徹底的に軽量化する「ウルトラライト」という考え方。これは、2000年代初頭に、アメリカでロングハイキングを楽しむハイカーたちから生まれた考え方です。荷物を軽くすることによって、行動を楽にし、より深く自然を楽しもうというムーブメント、カルチャーとして生まれました。しかし、ロングハイカーたちが愛用する軽いバックパックは、日常的な日帰りや山小屋泊のハイキングにも便利そう!

そこで、今回は、日本でウルトラライトを広めたことで知られる、三鷹のアウトドアショップ「ハイカーズデポ」のオーナー・土屋智哉さんに、ウルトラライト系バックパックのおすすめ5選を選んでもらいました。

  • ロングハイキングとアドベンチャーレースから生まれた

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アメリカには、東海岸の「アパラチアントレイル」や西海岸の「パシフィック・クレスト・トレイル」など、数千キロに及ぶロングトレイルがいくつもあります。それらを、数カ月かけて一気に踏破することをスルーハイクと呼ぶそう。

「長期間歩き続けるスルーハイクの場合、歩くことが日常となります。そうなると、週末だけのアウトドアレジャーとは違い、過剰な装備をできるだけ減らし、無駄なものは持ちたくないということになるわけです。ハイカーたちは、必要ない部分を極力削ぎ落とした、シンプルなザックを自作したり、1つの道具でいくつもの用途を兼ねるなど、使い方を工夫することによって荷物を減らしてきました。そういったハイカーのニーズに応える形で、シンプルで軽量なギアを作る小規模なメーカーが出てくるようになったんです」(土屋さん)

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また、スルーハイクのムーブメントとは別に、ウルトラライトが生まれたもう1つの背景にあるのがアドベンチャーレースだそうです。

「スルーハイクの盛り上がりと時を同じくして2000年代初頭頃に、アドベンチャーレースの盛り上がりもありました。アドベンチャーレースは、山を走ったり、マウンテンバイク、カヌーなど様々なアウトドア競技を行いながら数日かけてゴールを目指すレースですが、早く動くために軽さを追求するメーカーが出てきました。それがもう1つのウルトラライト系ギアのルーツとなりました」(同)
  • ウルトラライト系のザック、どんなメーカーが作ってる?


ウルトラライト系のギアの開発は、以上のように、スルーハイクとアドベンチャーレースにコミットしてきたメーカーが担ってきたということなのです。

「スルーハイカーたちに支持されて発展してきたメーカーの代表的なところでは、アメリカのULA(ウルトラライトアドベンチャーイクイップメント)やゴッサマーギア、大手ではグラナイトギアやオスプレイなどもあります。また、アドベンチャーレースをサポートして発展してきたブランドとしては、イギリスのOMMやニュージーランドのmacpacなどがあります」(同)

そういったウルトラライト系のメーカーから、ビギナーでも使いやすいおすすめのザックを教えてもらいました。
  • 日帰りハイキングに最適なトレイルバム「ビッグタートル」

まず日帰りハイキング用として選んでくれたのがトレイルバムの「ビッグタートル」(8000円+税)。軽くて背負い心地が良く、日帰り登山であれば容量も十分です。


「最近の小型のザックはランニング用が多いのですが、これは昔のナップザックのような形をしています。トレイルバムは、ロングトレイルハイカーたちの意見を反映して物作りをしている日本のブランドですが、ビッグタートルは、このメーカーの中でも一番シンプルなバックパック。あまり大げさでないところが、スナフキンっぽくてかっこいいかなと思っています。容量は13〜19Lほど、重さは約250g。日帰りであれば、これくらいの大きさで十分だと思います」(同)

ウエストベルトなどは何もついていないものの、背負ってみるとフィット感があり、快適でした。
  • 日帰りからテント泊まで自由自在なジマービルト「パイカパック」

次は、日帰りから山小屋泊まで、広い用途で使えるこちらのザック。ポケットや上部の吹き流しの部分を上手に使えば、テント泊にも使えるそう。

「ジマービルトは、アメリカの小さな工房で、ここにハイカーズデポが別注して作ったオリジナルが、このパイカパック(最大容量35L、重さ340g、23000円+税)です。典型的なウルトラライトのザックを現代風にアレンジしたデザイン。上部の吹き流しを上に伸ばして容量を大きくしたり、ポケットを活用したりできるので、用途や行き先に応じて、容量に融通が利くのがいいと思います。素材は防水なので、ちょっとした雨なら中身が濡れることもありません(縫い目の防水加工は無し)」(同)

背負ってみると、ショルダーも柔らかく軽い。何よりも、シンプルなデザインなので、街でも使えそうなところがいいですね。ウエストベルトは後から付けることができるそうです。
  • アルミフレーム搭載だけど軽いゴッサマーギア「マリポサ」

ウルトラライトのムーブメントを初期の頃から牽引してきたブランドの1つゴッサマーギア。その中でも、アメリカで多くのハイカーから長年支持されているのがこちらのマリポサ(36000円+税)。

「ロングトレイルを歩く人に特におすすめしているザックです。重量は800g台、本体の容量は40Lで、ポケットも含めると60Lくらい入ります。ロングハイキングはもちろん、数日間かけて歩くようなテント泊の縦走、海外旅行などにも便利だと思います」(同)
  • 激しく走ってもフィットするOMMの「クラシック」

出典:OMM
アドベンチャーレースを牽引してきたメーカーの1つ、イギリスのOMM(オリジナルマウンテンマラソン)のクラシックシリーズは、アドベンチャーレース用のバックパックの雛型とも言えるそう。

「マウンテンマラソン、山岳レースのために作られたこのバックパックは、激しい体の動きにもぴったりフィットする安定感が特徴です。25L(全重量670g、15500円+税)と32L(全重量700g、16500円+税)では、背面の長さが違うので、女性には25Lを男性には32Lをおすすめしています。背面には就寝用のマットが内蔵されているので、日帰りのハイキングなら、これをランチシートとして使ってもいいと思います」

走ることを前提として作られたこのザック。フィット感があるので、重いものを入れても、あまり重さを感じないそうです。大き過ぎないサイズ感が、女性にも良さそうです。
  • 機能性と軽さを両立させたmacpac「フィヨルド40」

もう1つアドベンチャーレースがルーツのバックパックとしておすすめなのが、macpacのフィヨルド40。

「アドベンチャーレースが盛んなニュージーランドのブランドmacpacのフィヨルド40(24000円+税)は、フレームの代わりに薄いパネルをサイドに入れることによって、強度と軽さを両立させています。容量は40Lとテント泊にも十分対応している大きさ。雨蓋やヒップベルトは取り外しできたり、ハイドレーションパックにも対応しているなど、機能性と軽さを追求したバックパックです」(同)
  • ロングハイクだけじゃない、目的に応じて選ぼう

海外のトレイル
出典:PIXTA
ウルトラライトというと、ロングハイキングや何日にも及ぶ縦走をイメージしてしまい、普段は軽いハイキング程度しか山歩きをしない私には無関係では…と思っていましたが、今回お話を聞いて、日帰りでも1泊の山小屋泊でも、用途に応じて使い分けることで、軽さによる快適さを得られることがわかりました。しかも、個人的には、仕事での外出や、子どもともお出かけ時、旅行の時などにも使ってみたい。ウルトラライト系のバックパックの魅力を改めて知ることができました。




◆お話をお聞きした方:土屋智哉さん

1971年埼玉県生まれ。アウトドアショップバイヤー時代にアメリカでウルトラライトハイキングに出会う。2008年、ジョン・ミューア・トレイルスルーハイクののち、三鷹にウルトラライトハイキングをテーマとしたアウトドアショップ「ハイカーズデポ」をオープン。著書に『ウルトラライトハイキング』(山と渓谷社)がある。

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相馬 由子
相馬 由子

編集者、ライター。埼玉県秩父市出身で、山に囲まれて育ったため、一時的に都会に憧れたものの、大人になってから自然の中の気持ち良さに改めて気づく。合同会社ディライトフル代表。

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