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ダイソーの充電式COBライト

ダイソーで見つけた「COBライト」。登山のテント泊時のお役立ちアイテムになりうるか!?

近年、キャンプやBBQなどアウトドアグッズのラインナップが充実しているダイソー。

なかでも、小さいけれどハイパワーだと話題の「COBライト」は、2023年冬の発売当時は各店で売り切れが続出したそう。そんな注目のアイテムを入手し、登山でも使えるのかについてレビューしてみました!

どうしてる?山中テント泊での予備光源

夜のテント泊には照明ギアが欠かせない
出典:PIXTA

人工的な照明がない山中でのテント泊には、ヘッドライトのような光源が欠かせません。夜の闇を照らす光を失うと活動不能になるばかりか、命に関わることもあります。万が一に備えて、メインのヘッドライトとは別に予備の照明ギアがあると安心です!

予備の照明ギアが必要になるシーン

・ヘッドライトが壊れた or うっかり充電するのを忘れた
・行程が長いので、テントの中ではヘッドライトの充電を節約したい
・テントの中を広範囲に明るく照らしたい

ところが、予備の照明ギアとして最適な小型ランタンや軽量ヘッドライトは、小さくてもそこそこのお値段がするもの……。「あったら便利だけれど、なくてもなんとかなる」と思うと、購入を躊躇してしまうかもしれません。

そこで注目したのが、ダイソーで見つけたこちら!

330円で手に入る!超小型の充電式「COBライト」

商品パッケージ
撮影:まつだしなこ
ダイソーの充電式COBライト

撮影:まつだしなこ

手のひらサイズの四角いコレ……実は、超小型ライトなのです。しかも充電式。山中での照明ギアとして使えそうな予感がします。

330円(税込)という圧倒的な低価格も魅力的。さっそく、特徴や機能を見ていきましょう。

ところで、COBライトの”COB”ってなに..….?

COBライトの照射
撮影:まつだしなこ

“COB“は、Chip On Board (チップオンボード)の頭文字をとったもので、LEDライトの一種。構造が特徴的で、基盤の上にLEDが直接のっています。

COBライトの特徴

・発光面が広く、広範囲を照らせる
・多重影ができにくい
・遠距離への照射には不向き

遠距離を照らし出すヘッドライトとは、光り方が異なります。

最大で250ルーメン!小さいボディでこの明るさは驚き

撮影:まつだしなこ(左から、ブースター、強、弱)

まず驚くのは明るさ!広範囲に手元を照射してくれるので、本を読んだり細かい作業をするなど、近い範囲を明るくしたいときに活躍します。

しかも明るさは4段階で調整が可能です。

ダイソーCOBライトのスペック(点灯モード、明るさ、照射時間)

わずか30gほど!パッキングの負荷にならない

測ったところ、27.5gでした
撮影:まつだしなこ

実測値で27.5g。この軽量性とコンパクトさは、登山に持っていくには大きなメリットです。

コストパフォーマンス抜群!充電式なので繰り返し使える

充電端子USBボートにTypeCケーブルを差し込んで充電
撮影:まつだしなこ

USB充電式で、約500回も繰り返し使用できます(ケーブルタイプ:Type C)。ただし、リチウム電池そのものの取り替えは不可です。

目的別に切り替えられる、設置方法は4パターン!

設置方法が選べることも魅力。

①カラビナ部分で装着

カラビナでザックのショルダーベルトにつけることができる
撮影:まつだしなこ

カラビナでザックのショルダーベルトやサコッシュにつけることができます。ただし、フックの幅が狭いため、ベルトが細くないとかなりつけにくいです。

②スタンドで立て置く

スタンドは角度調節が可能
撮影:まつだしなこ

スタンドを立てて床に置くことも可能。寝転んで本を読む際など、手元のあかりとして使いたいときに便利。絶妙な角度調整もできる、330円とは思えない機能性です。

③別売りの三脚で立て置く

ダイソーCOBライトと別売りの三脚

撮影:まつだしなこ(底面には、別売りの三脚を取り付けるための穴がある)

別売りの三脚を使えば、高さを出すことも可能です。

④マグネットで固定

マグネットでドアや冷蔵庫につけることができる
撮影:まつだしなこ

山では使用シーンがないかもしれませんが、背面にマグネットがついており冷蔵庫などにくっつけることもできます。

製造は日本の照明機器の老舗メーカー

製造元は1958年創業の日本の老舗メーカー、株式会社オーム電機(OHM)。家庭用の配線器具やオーディオ用品、照明器具を数多く開発しています。

生産自体は中国製ですが、デザインや機能に老舗の知見を感じられます。

登山でも役立つ?山での使い勝手をチェック!

軽量でコンパクトな「COBライト」。使い勝手は良さそうですが、山という環境下ではどうなのでしょうか?

「テント泊で使うなら」という視点で、気になるポイントをレビューしていきます。

照射距離は短いので、あくまで手元の作業用

あくまで手元の照明用
撮影:まつだしなこ

ヘッドライトは遠方まで照射できるような設計になっていますが、COBライトの照射範囲はあくまで近距離用。強モードで測ってみたところ、およそ30cmを超えると薄暗く見えにくくなります。

強モードでは30cmを超えると薄暗くなる
撮影:まつだしなこ

テントの片方の端におくと、もう片方の角は見えにくくなるイメージです。夜間にテント外での行動用としての使用は難しいでしょう。

防水性は期待できない

防水性はIPX3。これは「垂直より左右60°以内で落ちてくる水滴による有害な影響がない」程度の防水性です。

一般的な登山用のヘッドライトは、「あらゆる方向からの水の飛沫によっても有害な影響がない」とされるIPX4以上なものが多いことを考えると、雨の中での使用には不安があります。

あくまでテント内で使用し、パッキング時も防水バックで密閉するなど、濡れないように気をつける必要があります

照射可能時間が短い

撮影:まつだしなこ 弱モードだとある程度照射時間は確保できますが、照射範囲もかなり限られます。

照射時間はフル充電の場合、弱モード(65ルーメン)でも3.5時間です。

テント泊の場合、照明が必要な時間を19:00-21:00、4:00-5:00と考えた場合、65ルーメンで使用してもギリギリもつかどうかの照射時間です。

連日使用するのであれば、モバイルバッテリーから都度充電する必要があります(USB power delivery規格のモバイルバッテリーは使用できません。また、充電しながらの点灯は不可です)。

照射時間の短さを考えると、少し心許ないですね。

細かい仕様がテント内で活かしきれない

カラビナで吊るすと片面しか照射しない
撮影:まつだしなこ

一見便利そうにみえる、選べる設置方法ですが……こちらのCOBライトは基本的に180度しか照射しません。つまり、カラビナでテントから吊るすと片方にしか光が届かないのです。見えないことはないのですが、快適とはいえません。

マグネットはもちろん山の中では使えないので、基本的には床に置いて使用することになりそうです。

登山にはイマイチ……万が一の予備としては魅力的な価格!

撮影:まつだしなこ

登山で使用するにはちょっと心許ない、というのが正直な感想でした。一番気になったのは、照射時間の短さです。充電用のモバイルバッテリーはマストで必要でしょう。

しかし気になる点があっても、軽量性やコンパクト性のメリットを考えると予備の照明ギアとしては活用できるのではないかと感じました。アウトドアメーカーで予備の照明ギアを買おうとするとそれなりの価格になるので、330円(税込)なら緊急時用としては魅力的なアイテム。予備ライトを装備から省くくらいなら、エマージェンシーキットに入れておくのもアリでしょう。

ただしあくまで緊急時用の予備であり、ヘッドライトの代わりとしては使えないことには注意してくださいね。

ダイソー/充電式COBライト

ダイソー/COBライト

撮影:YAMA HACK編集部

サイズ
4.5cm x 6.1cm x 2.1cm
重量
約30g
材質
ABS、スチール、PC、シリコーンゴム
電源
リチウムポリマーバッテリー3.7V 200mAh内蔵(交換不可)
光源
LED(交換不可)
保護等級
IPX3(防雨形)
充電時間
約1.2時間(満充電まで)※充放電 約500回可能
点灯段階
ブースター:250ルーメン/1H
強:180ル―メン/1.5H
弱:65ルーメン/3.5H
点滅:点滅/0.5H
充電端子
USBケーブル Type-C
その他
・充電しながらの点灯、点滅はNG
・PCのUSBポートでの充電NG
・USB Power Delivery規格の充電器(モバイルバッテリーを含む)での充電不可