アイキャッチ画像:ポンチョ
アルミボトルの定番「SIGG」

スイスのSIGG(以下、シグ)は、99.5%という高純度の良質アルミプレートに600トンの圧力をかけて成形しながら、まったく継ぎ目のない美しいウォーターボトルを手掛けているブランドです。90年代に日本で起きたマイボトルブームでは、その流れを牽引しました。
上画像の通りのシンプルさ、そして長く使える耐久性の高さは、登山でも機能するものです。
そのシグが新たに手掛けたのが、山岳仕様ボトルの“頂”を目指した、保温・保冷機能を装備するサーモボトル『アルパインスター』です。
アルパイン・サーモボトルの2台巨頭への挑戦

山岳仕様のサーモボトルの“頂”にあるのは、モンベル/アルパイン サーモボトルとサーモスの通称・山専用ボトル(2025年秋冬より新モデルFFX-502が登場していますが、保温力に変更はない模様)の、2モデルです。
それらとカタログのスペックを比較すると以下の通りです。
| 商品名 | モンベル/アルパイン サーモボトル 0.5L | サーモス/FFX-502 | シグ/アルパインスター0.5L |
| 価格 | 4,400円 | 6,600円 | 6,270円 |
| サイズ | Φ6.8 x 22.5cm | Φ7.0 x 23.5cm | Φ7.4 x 23.7cm |
| 重量 | 237g | 280g(リング、カバーなし260g) | 294g |
| 保冷力 | 8℃以下(6時間後) | 10℃以下(6時間後) | 6℃以下(6時間後) |
| 保温力 | 78℃以上(6時間後) | 77℃以上(6時間後) | 77℃以上(6時間後) |
保冷・保温力は、3ブランドともにほぼ同等(各ブランドでの同様のテスト結果)です。
モンベルは上画像左の通りに、サーモス、アルパインスターが装備しているシリコン製プロテクターが別売りとなっていて、装着されていません。プロテクターを装着した重量は250g、合計の価格は4,818円ですが、それでもモンベルが半歩先に行っているスペックを誇っています。
無骨なデザインのよさもポイントの『アルパインスター』

さて、上画像がシグ/アルパインスターです。カラーラインナップはこの3種類。右と中は0.5L、左は0.75Lモデルで、他に1.0Lモデルもラインナップされています。
ボトル部外装には、耐食性・耐衝撃性に優れた18/8ステンレスを採用して、登山でのハードな使用に対応。また、本体のステンレスは90%がリサイクル製で、昨今の環境配慮型製品となっています。
耐衝撃性能と、グローブ装着時の持ちやすさを考慮したシリコン製プロテクターは、ボトル一体型。つまり着脱できない仕様です。
その分、重量はやや嵩みますが、モンベルのすっきりデザイン、サーモスのアウトドアテイストに対して、無骨なデザイン性をシリコン製プロテクターによって演出。特に上画像右のグリーンは、マットさとツートンカラーがワイルドで、老若男女問わず好まれそうです。
気になるサーモスとの保温比較テストを実行!

ボトルを沸騰した湯で満水にして、6時間。クルマ移動約2時間、気温10℃の屋外で約4時間経過させ、実際の登山時の使用を再現。その湯温を計測すると、上画像のような結果になりました。
今回、別記事作成のために手元にあった、日本のODブランド・ゼインアーツ/ダブルウォールボトル500(2,970円、195g、保冷7度以下、保温77℃以上)も、コスパに長けているので同時にテストしてみました。
その結果は、シグがわずかに上まわりました!!
ゼインアーツ:76.5℃
サーモス:82.2℃
シグ(アルパインスター):83.0℃
過去にシグの別モデルのサーモボトル『ジェムストーン』とサーモスを含む保温テスト(こちらの記事参照)を行った際には、
サーモス:77.5℃
シグ(ジェムストーン):76.2℃
だったので、これまでわずかに追いつけなかった保温力を、アルパインスターはわずかに追い越した格好です。
ちなみに、ゼインアーツは価格を考えると十分な保温力。カップ麵に使っても、ちょいカタくらいで美味しく食べられる湯温を保っています。

