じっくり使ってわかった「ティンプ 5」の実力とは?

ここからは、実際に使ってみて感じた機能や特徴を紹介していきます。
包み込まれるような履き心地と足先の開放感

まず印象的だったのは、足を入れた瞬間の履き心地。やわらかく優しく包み込まれるような感覚があり、直感的にフィット感の高さを感じました。
ヒールカップや足首まわりのホールド感は想像よりもしっかりしていて、歩行中でもフィット感にブレはありません。シュータンもしっかり厚みがあり、足の甲への負荷を分散してくれます。
ライター橋爪
ヒールカップやシュータンは、前作の「ティンプ 4」から大きく改良されたポイントです。
中足部全体のフィット感がより自然で心地よくなり、長時間の歩行でもストレスを感じにくい履き心地に仕上がっています。

ゼロドロップは最初こそ独特な履き心地を感じますが、歩くうちに自然と足運びにも慣れ、地面を素足でつかむような自然な感覚がありました。登りでは踏ん張りが効きやすく、下りでは体が前に流れにくく、姿勢が崩れにくいとともに体感も鍛えられそうです。
またフットシェイプは、アルトラの中では標準的なつま先幅の「スタンダード」が採用されています。ほどよく足先の解放感を残しつつも、よりしっかりとしたフィット感が実現され、快適な履き心地が最後まで続いていました。

提供:ロータス
ライター橋爪
フットシェイプは全部で3パターン。ティンプ 5の「スタンダード」は、アルトラの幅広なつま先に慣れていない方にも使いやすい設計です。
疲れにくさが違う!長時間歩行でも脚が軽い理由

厚さ29mmのスタックハイト(ソールの厚み)を備えながら、不思議と“もたつき感”は少なく、樹林帯や岩場といったさまざまな地形でも快適なクッション性が発揮されていました。
一日歩き続けた長時間の登山でも、脚の疲労感が普段より軽減されているように感じたのが印象的です。

ミッドソールには、独自の「ALTRA EGO MAX(アルトラ イゴー マックス)」を採用。アルトラの中でも「快適性・軽さ・反発」のバランスに優れており、「長時間行動しても疲れにくい」を支えるキーパーツの一つとも言えます。
そして、これだけのしっかりとした厚みを持ちながら、シューズの重量は片足約277gととても軽量。この軽さとミッドソールとの相乗効果で、長時間の登山でも、自然と次の一歩を後押ししてくれるでしょう。
ライター橋爪
重量は前作の「ティンプ 4」から約30gもの軽量化を実現。ソールの厚みやクッション性はそのままに、足運びがより軽快になっています!
岩場も悪路もOK!メガグリップが支える安定感

2024年に登場したティンプ 5ですが、前作からの最大のアップデートが、アウトソールの「ビブラム メガグリップ」への刷新です。今回もさまざまな路面で使用しましたが、その安心感は折り紙付き。岩や砂利、木やぬかるんだ地面でも、地面を捉える感覚があり、安心して歩けました。

ラグパターンはアルトラの中では低めの設計で、踏ん張りも効きやすいです。ビブラムソール特有のソールの硬さもあり、岩場での使い勝手もいい感じでした。
足元がブレない!登山で実感した安心の着地性能

横方向に力がかかった際の、シューズ内のブレにくさも気に入ったポイントです。傾斜のある登山道やガレ場での、特に下りの場面では、靴の中で足がしっかりホールドされ、踏み外しの不安を軽減してくれる感覚がありました。
【注意】テクニカルな岩場には適していない?

出典:PIXTA
今回使用して、気になる点は特にありませんでしたが、あえて言うなら、ティンプ 5は「クライミング的要素を含んだ山向けではない」という点に注意が必要です。
これまで紹介したように、グリップ力や安定感は確かなものがありますが、つま先にクライミングゾーンはなく、ソールもアルパインブーツやアプローチシューズと比べると柔らかめ。
穂高や剱岳をはじめとする岩稜帯では、より専用性の高いシューズを選ぶ方が安心でしょう。
アルトラ TIMP 5(ティンプ 5)メンズ
重量 | 277g(Mens US10.5 / 28.5cm) |
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ミッドソール | Altra EGO™ MAX |
アウトソール | Vibram® Megagrip |
スタックハイト | 29mm |
アッパー | Quick-Dry Air Mesh |
フットシェイプ | スタンダード |
▼ウィメンズモデルはこちら
<BOAシステム/ゴアテックス/ミッドカット>選べるバリエーション
通常のノーマルモデルに加えて、BOA搭載モデルや防水性に優れたGTXモデル、足首までカバーするミッドカットモデルのバリエーション展開もあります。
ティンプ 5 BOA

提供:ロータス
ダイヤル式で簡単にフィット感を調整できる「BOAフィットシステム」搭載モデルがあります。靴ひもを結ぶ必要がなく、片手でクルッと回すだけで足にぴったりフィット。歩いている途中でもすぐに締め直せるので、登りや下りなど状況に応じた微調整が可能です。
アルトラ TIMP 5 BOA(ティンプ 5 ボア)メンズ
重量 | 286g(Mens US10.5 / 28.5cm) |
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ミッドソール | Altra EGO™ MAX |
アウトソール | Vibram® Megagrip |
スタックハイト | 29mm |
アッパー | Quick-Dry Air Mesh |
フットシェイプ | スタンダード |
▼ウィメンズモデルはこちら
ティンプ 5 GTX

提供:ロータス
防水モデルの「ティンプ 5 GTX」は、アッパーに世界最高水準の防水透湿素材「GORE-TEX(ゴアテックス)」を搭載。外からの雨はしっかり防ぎつつ、靴の中の湿気は逃がしてくれる優れもの。長時間歩いても足がムレにくく、快適さをキープできます。
突然の雨や朝露が多い登山道でも安心して使える、天候に左右されにくい頼れる一足です。
アルトラ TIMP 5 GTX (ティンプ 5 ゴアテックス)メンズ
重量 | 331g(Mens US10.5 / 28.5cm) |
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ミッドソール | Altra EGO™ MAX |
アウトソール | Vibram® Megagrip |
スタックハイト | 29mm |
アッパー | GORE-TEX WATERPROOF |
フットシェイプ | スタンダード |
▼ウィメンズモデルはこちら
ティンプ 5 HIKER GTX

提供:ロータス
くるぶし周りまでしっかりとカバーされたミッドカットモデルは、足首の安定感が欲しい方、重い荷物を背負った登山におすすめ。不安定な地面でも足首がグラつきにくく、安心して歩けます。
またアッパーには防水透湿素材の「GORE-TEX」を採用し、雨やぬかるみにも強いのもメリット。縦走や長時間の山歩きにもおすすめです。
アルトラ TIMP 5 HIKER GTX(ティンプ ハイカー GTX)メンズ
重量 | 368g(Mens US10.5 / 28.5cm) |
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ミッドソール | Altra EGO™ MAX |
アウトソール | Vibram® Megagrip |
スタックハイト | 29mm |
アッパー | GORE-TEX メンブレン |
フットシェイプ | スタンダード |
▼ウィメンズはこちら
ティンプ 5で、軽快な登山を楽しもう!

軽さ・クッション性・フィット感・安定性などの優れた機能性により、快適な足運びを自然にサポートしてくれるティンプ 5。本格的な登山にも、長いトレイル歩きにも使える、バランスがちょうどいい万能シューズでした。
豊富なバリエーションは、防水性や足首サポートが欲しい人にも対応。自然な歩行と快適さが続き、初心者から経験者まで、幅広くおすすめできる一足です!
ぜひティンプ5で、山を軽快に楽しんでみてはいかがでしょうか。
アルトラの他モデルとの違いは?
今回のティンプ 5を含む、アルトラを代表するトレランシューズを比較してみました。
ティンプ 5 | ローンピーク 9+ | オリンパス 6 | エクリペリエンス ワイルド 2 | |
重量(Mens US10.5 / 28.5cm) | 277g | 327.7g | 345 g | 293.4g |
スタックハイト(ソールの厚み) | 29mm | 25mm | 33mm | 28 mm/32 mm(ドロップ4mm) |
フットシェイプ | スタンダード | オリジナル | オリジナル | スタンダード |
特徴 | スタックハイトと軽さ、フィット感のバランスが良く、登山にもトレランにも対応できる万能型 | 最もダイレクトな地面感覚&フィーリングで、細かなトレイルや足運びが得意 | 最も厚いミッドソールで、脚への負担をしっかり吸収。長時間の縦走や重荷山行に適している | 4mmのヒールドロップを採用し、ゼロドロップが合わない方への“移行モデル”。クッション性と使いやすさを両立している |
ここからわかるのは、ティンプ 5が他のアルトラシューズと比べて、特に軽さとスタックハイトの厚みに優れているということ。これにより長時間の歩行でも脚の疲労を感じにくく、スタンダードフットシェイプによって足にしっかりフィットする設計になっているのが特長です。
使用シーンや歩く距離、荷物の重さなどに応じた多彩なラインナップで、自分に合ったモデルを選べるのもアルトラの魅力ですね。