長期縦走や岩稜帯をより身軽に歩きたい!
今年の夏はレベルアップして、テント泊や山小屋泊での縦走、キレット越えなどの岩稜帯の山歩きにチャレンジしたいと考えている方もいるのではないでしょうか。
重いザックを背負って長時間歩き続けるには、それなりの体力が必要です。岩稜帯では手も足も使って登るため、荷物をコンパクトにすることが基本。
そのためUL(ウルトラライト)系や岩稜帯向けの軽いザックはシンプルな作りで、ポケットの数が少ないものが定番です。物がサッと取り出せるように、サコッシュなどをプラスする方が多いと思います。
サコッシュは便利だけれど……
私もその1人で、ザック+サコッシュというスタイルで登っていました。荷物が多くなりがちなので、収納力と必要な時に物が楽に取り出せる便利さで愛用。
しかし、夏に南アルプスを2泊3日で歩いた時、掛けている方の肩が痛くなってしまったのです。また、揺れてしまうことで歩きにくさを感じました。
体力消耗でプチ滑落
背面にザック、正面にサコッシュと体に触れる部分が多く、暑くて汗を大量にかいてしまい、体力を激しく消耗。そんな時、トラバース道で3mほど滑落してしまいました。大事には至らなかったものの精神的なダメージとなり、仲間からかなりの遅れを取ることに。
それ以来、サコッシュで歩くのを止めました。代わりに一般的なザックのウエストポケットを使っていましたが、全部は入りきらず……。やはりサコッシュの収納力や荷物の取り出しやすさは捨てがたい!と感じ始めたときに出会ったのが、山と道の「Zip Pack」でした。
本当に必要な道具の見極めにも貢献!山と道「Zip Pack」
こちらが山と道の「Zip Pack」。サイズはH125×W205×D35mm、容量は約0.9L。一般的なザックに装備されているウエストポケットの2倍強の大きさです。
重量はたったの35gで、空のペットボトル500mlくらいの軽さ。付けているのを忘れてしまいます。
作りはとてもシンプル。中に仕切りやポケットはなく小分けはできないけれど、仕切りがない分ぽんぽん物が入れられます。
大きすぎず小さすぎず、絶妙なサイズ感!
私がいつも入れている荷物がこちら。リップクリーム、ハンカチ、ティッシュ、コンパス、地図、携帯電話、財布です。これくらいだと取り出しやすく、余計なものを入れて重くなることもありません。
収納力あり!でも入れすぎないのがコツ
Zip Packの生地は柔らかく膨らむので実はもっと入るのですが、パンパンに入れすぎないことがスムーズに使うためのコツ。入れすぎると物がひしめき合って取り出しにくくなり、柔らかい生地がゆえに型崩れして、ファスナーを開けたら物があふれてこぼれ落ちた……なんていうこともあるからです。
実際に使ってみると、私は携帯電話、汗を拭うためのハンカチ、ティッシュ、リップクリームがすぐに取り出せればOKであり、「山を歩いている時に使うものって実はそんなにない」ということが判明。
Zip Packを取り入れたことで、行動中に必要な物が選定できたこと、ザックを下ろさず立ったまま物を使えること、一緒に登る人を待たさず、自分の使いたい物をすぐに取り出せること……これらが登山のストレスを軽減してくれました。