この価格でここまで?イスカ新作「エントリー」シリーズは“テント泊デビューにちょうどいい完成度”だった
//=get_post_meta(get_the_ID(), 'lead_sentence', true); ?>
これからテント泊登山にチャレンジしたいと考えている人にとっての悩みの種が、山小屋泊から格段に増えるアイテムの購入資金ではないでしょうか。
テントはもちろん、調理器具や食糧、そしてこれらを収納する大型ザックまで……。物価高騰の昨今、できればそれぞれの出費を抑えたいものですよね。
とはいえ妥協できないのが、“快適な睡眠”を左右する寝袋(シュラフ)とその下に敷くマット。テント泊では装備の重量や行動時間が増える分、休息の質が行動全体の快適さに直結します。
そんな中で気になるアイテムが見つかりました。
2026/04/09 更新
本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。
-
編集者
YAMA HACK編集部
月間350万人が訪れる日本最大級の登山メディア『YAMA HACK』の運営&記事編集担当。山や登山に関する幅広い情報(登山用品、山の情報、山ごはん、登山知識、最新ニュースなど)を専門家や読者の皆さんと協力しながら日々発信しています。
登山者が「安全に」「自分らしく」山や自然を楽しむサポートをするため、登山、トレイルランニング、ボルダリングなどさまざまなアクティビティに挑戦しています。
YAMA HACK編集部のプロフィール
-
制作者
山岳ライター・登山ガイド
鷲尾 太輔
登山の総合プロダクション・Allein Adler代表。登山ガイド・登山教室講師・山岳地域の観光コンサルタント・山岳ライターなど山の「何でも屋」です。登山歴は30年以上、ガイド歴は10年以上。得意分野は読図(等高線フェチ)、チカラを入れているのは安全啓蒙(事故防止・ファーストエイド)。山と人をつなぐ架け橋をめざして活動しています。
公益社団法人日本山岳ガイド協会認定登山ガイドステージⅠ 総合旅行業務取扱管理者
鷲尾 太輔のプロフィール
アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔
日本発のシュラフ専門メーカー「ISUKA」がリリースした新モデル
撮影:鷲尾 太輔(右:エントリー バッグ/左:エントリー エアマットレス)
今回注目したのは「眠りを、あたためる」というコンセプトでモノ作りを続けるISUKA(イスカ)が、2026年春夏シーズンに向けてリリースした「エントリー バッグ(ダウンシュラフ・寝袋)」と「エントリー エアマットレス」です。
最大のポイントは、「エントリー」の名の通り、初心者や学生にも選びやすい価格設定。セットで購入しても約38,000円。ダウンシュラフ単体でこの価格帯という製品も珍しくないなか、非常に良心的と言えます。
出費を抑えられるのはうれしいけれど、「これで本当に山で眠れるの?」
撮影:鷲尾 太輔
気になるのは、この点ですよね。
シュラフやマットの最適なスペックは、「いつ、どこの山で眠るのか」という環境によって大きく異なります。せっかくのデビューで眠れずに辛い思いをしないためにも、まずは製品を詳しく見る前に、イスカのシュラフのこだわりや「選び方の基本」を整理しておきましょう。
ここを押さえておけば、イスカの新作があなたにとって“ちょうどいい”のかが、より明確に見えてくるはずです。
「熟睡」を支えるのは妥協のない細部。山での一夜を預けられる、ISUKAのこだわり
提供:ISUKA(ISUKAのブランドコンセプト)
イスカは、登山好きやプロから絶大な信頼を寄せられる日本のシュラフ専門メーカーです。
長年にわたる製品開発の実績や、過酷な環境での使用に耐える品質の高さが評価され、mont-bellやNANGAといったブランドと並び、同社のシュラフは多くのユーザーに支持されています。
「HEARTY&QUALITY 心あるモノづくりで、最高の品質を」というブランドコンセプトのもと、素材選定や縫製、検証体制にこだわったモノづくりを続けている点も、その信頼を支える要因のひとつです。
このコンセプトを実現するために、イスカのシュラフは以下のようなこだわりを込めて作られています。
厳選した素材
提供:ISUKA(ダウンプラスシリーズの生地に採用されている50デニール マイクロファイバーポリエステル)
イスカの寝袋は保温のための中綿、これを包む生地ともにこだわりの素材を使用しています。
中綿には世界基準で品質管理されたグース(がちょう)・ダック(あひる)の2種のダウンと、独自開発の化繊綿・マイクロライト™を用途に応じて使い分けています。
生地にもナイロン・ポリエステルを中心に、撥水性・防寒性・堅牢性などを備えた生地を適材適所に配置しています。
厳しい縫製基準
撮影:鷲尾 太輔(耐久性も高く長期間愛用できる信頼の縫製技術)
この優れた素材を活かすのが縫製技術。イスカはこの分野で高い評価を受けています。厳しい基準をクリアした縫製技術は寝袋の基本性能だけでなく、長く愛用できる耐久性にも貢献しているのです。
用途にあわせた構造
撮影:鷲尾 太輔(利便性だけでなく安全性も考慮したドローコード)
立体的な身体を快適に包み込むため、イスカでは用途や中綿素材に応じた最適の構造をモデルごとに採用しています。
また、開口部にあるドローコードは出入りがしやすく温度調整が容易なだけでなく、緊急時の脱出にも有効。スムースな動きと耐久性に優れたYKK製コイルジッパーと生地の噛み込みを防止するジャムストッパーも、全モデルに採用しています。
徹底した検証テスト
出典:ISUKA Official YouTube Channel(厳冬期の雪山で行われるフィールドテスト)
こうして完成した製品は国内の人工気象室や欧州の検査機関でのラボテストと、実際に過酷な環境の狭いテント内で使用感を積み重ねるフィールドテストを実施。快適な睡眠を追求した検証を重ねたアイテムが、ユーザーに送り出されています。
失敗しないテント泊デビューのために。知っておきたい「睡眠装備」の基本
出典:PIXTA(テント泊登山は良質な睡眠が大切)
テント泊登山では様々なアイテムが必要になりますが、重要かつ妥協したくないのがシュラフやマットといった”睡眠装備”です。
特にテント泊では、日帰りや山小屋泊と比べて装備重量が増え、行動時間も長くなりやすいため、翌日に疲労を残さないことも大切。その中でも、回復の質を大きく左右する要素として、しっかりと良質な睡眠をとることが、より重要になってくるのです。
ここでは、これからテント泊登山を始めるにあたって押さえておきたい選び方のコツを紹介します。
シュラフの「最低使用温度」
作成:鷲尾 太輔・参考:ISUKA2026〜2027カタログ(ISUKAが選定したクイックチョイスごとの最低使用温度)
テント泊登山では「寒くて眠れない……」という事態を避けるために、実際に宿泊するテント場の標高や季節に応じた”最低使用温度”を満たしたシュラフ選びが欠かせません。
イスカでは5段階の「クイックチョイス(QC)」に分類された10段階の最低使用温度のモデルをラインナップしています。
ただしこの最低使用温度は、テントの性能はもちろん、テント泊経験の多さや天候・体調・精神状態などによって大きな個人差が発生します。テント泊経験が少なかったり寒さに弱い人は、ワンランク上の最低使用温度のモデル選びが推奨されています。
シュラフに使用されているダウンの「フィルパワー」
提供:ISUKA(フィルパワーによる復元力の違い)
FP(フィルパワー)とは一言でいえば「ダウンのふくらむ力」のこと。この数値が高いほどダウンがより多くの空気を含んで大きくふくらみ、羽毛の重さを増やさずに厚い断熱層を作ることができるため、高性能(温かい)といえます。なお、春〜秋のテント泊登山で使用する場合、一般的には600〜700FPが良質とされています。
イスカでは標高が1000m上がるごとに約6℃低下するという原則などをもとに、日本百名山にあてはめたオススメモデルを紹介するページが用意されているので、参考にするとよいでしょう。
マットレスの必要性と断熱性の指標
最近のテントは、本体と地面の間に敷き込むグランドシートが付属・併売しているモデルが増えてきました。また、テント内に敷くものとして断熱のためにアルミを蒸着させたウレタンマット(通称=銀マット)も一般的です。
しかしいずれも薄い素材のため、設営したテントの下にある枝や小石などの凸凹が気になったり、寒さを感じる場合もあります。
そこでおすすめなのが、いわゆる”寝台”の役目を果たすマットレス。その中でも内部に空気を入れて膨らませるエアマットレスがテント泊初心者におすすめです。
左:クローズドセルマット(出典:PIXTA)、右:エアマット(撮影:YAMA HACK編集部)
写真(左)のようなクローズドセルマットは「広げるだけで壊れない」というタフさが魅力ですが、どうしても厚みに限界があり、地面の凹凸や冷気が伝わりやすいという面があります。
一方、エアマット(写真右)は数センチもの厚い空気の層が体を支えるため、クッション性と高い断熱性を得られます。
また、かさばるクローズドセルマットは、ザック内に収まらない場合は外側に括り付けることになりますが、エアマットなら空気を抜けば500mlペットボトルほどのサイズまで小さくなります。 荷物をザックの中にスッキリ収納できるため、岩場や狭い道でも引っ掛ける心配がなく、初心者でも安定して歩けるのが大きなメリットです。
マットレスの断熱性を表す指標が、R値(R-value)です。春〜秋のテント泊登山で使用する場合、一般的にはR値2.0〜4.0程度が適しているとされています。
背伸びせず、でも妥協しない。デビューの夜を支える「必要十分」な一揃い
ここまで「選び方の基本」を見てきましたが、今回ご紹介する「エントリー」シリーズは、まさにその基準を「現実的なライン」で形にしたものです。
エントリーバッグ|安いだけじゃない!初めてのテント泊登山にふさわしいスペック
撮影:鷲尾 太輔(エントリー バッグ)
650FPのダウンを250g使用しており、最低使用温度は5℃。同社のクイックチョイス(QC)では、初夏から初秋の中級山岳に最適な「2段階目」の位置付けです。
例えば笠取山(埼玉県・山梨県)や雲取山(東京都・埼玉県・山梨県)といった一般的にテント泊デビューを飾るような山であれば、朝まで安心して身を預けられる実力を持っています。
注目の価格は22,000円(税込)。同社で近いスペックのモデルよりも確かにリーズナブルです。
- レクタ500 27,500円(税込)
620FPのダウンを500g使用
最低使用温度7℃
QC2(初夏から初秋の中級山岳に最適)
- チロルX 25,300円(税込)
720FPのダウンを200g使用
最低使用温度6℃
QC1(夏を中心に活動する方に最適)
軽さと扱いやすさ、快適性の絶妙なバランス
撮影:鷲尾 太輔(軽量で保温性が高いマミー型のデザイン)
「エントリー バッグ」はただ安いだけが魅力のアイテムではありません。寝袋全体の平均重量550gという数値は、先ほど比較したレクタ500(1,060g)やチロルX(620g)よりも軽量です。体力に自信がないテント泊初心者にとって、荷物の軽量化は大きなアドバンテージになります。
これを実現している大きなポイントが、足先に向けて幅を絞り込んだマミー(ミイラ)型のデザインです。布団に近い寝心地の封筒型に比べるとやや窮屈さを感じますが、ミノムシのような形状で頭まで密閉できる上、身体に密着するため高い保温性を発揮するのです。
一般的なマミー型の寝袋では、保温性が高い代わりに温度調整が難しいというデメリットもありますが「エントリー バッグ」は前述した上部のドローコードによって、この問題を解決。初めてのシュラフには十分すぎるスペックといえるでしょう。
エントリー エアマット|氷点下も視野に入る本格仕様
撮影:鷲尾 太輔(エントリー エアマットレス)
「エントリー バッグ」とあわせてリリースされたのが「エントリー エアマットレス」です。
こちらもレギュラーサイズで15,620円(税込)、全長を12cmカットしたミドルサイズで14,850円(税込)と価格を抑えながら、熱反射シートを2枚搭載することでR値は4.8を実現。一般的にR値が4.0以上なら氷点下環境でも対応可能とされており、エントリーモデルとしては非常に手厚い断熱性能です。
ポンプサック付きで膨らませやすい
撮影:鷲尾 太輔(エントリー エアマットレスを膨らませる手順)
プールで使用する浮き輪などで経験した方も多いと思いますが、エアマットレスも内部に十分な空気を入れるのはかなり大変。ただでさえ登山で息が上がっているのに、小さなバルブへ絶え間なく呼気を注入し続けるのはかなり苦痛な行為です。
しかし「エントリー エアマットレス」にはポンプサックが付属。
- 本体とポンプサックのバルブを連結させる
- ポンプサックに空気をためる
(離れた位置から「フッ!」と息を吹き込むか、風下にいれば風を入れてもOK)
- ポンプサックが膨らむ
- ポンプサックをつぶしながらマットへ空気を送り込む
- 十分に膨らむまで②〜④を繰り返す
注入バルブに口をつける必要がないので、清潔な状態をキープできます。なお呼気を入れない方が、マット内部への湿気の侵入を防ぎ、カビや性能低下を防止できます。
撮影:鷲尾 太輔(空気を抜く時)
使用後は本体のバルブを逆止弁ごと開くだけで、簡単にマット内の空気を抜くことができます。