テント泊縦走登山に挑戦!気になる疑問をガイドが解決【準備編】
憧れのテント泊縦走登山。いつか挑戦してみたいけれど、実際に計画するとなると不安や疑問がいっぱいですよね。そこで今回、北アルプステント泊縦走に初挑戦する女性チームに準備段階から密着。その様子を全4回の連載でお届けします。【準備編】では、装備選びで気をつけるべきポイントを考えながら、出発前の準備を進めていきます。

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YAMAHACK 編集部
YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。
YAMAHACK 編集部のプロフィール
初めてのテント泊縦走登山を、THE NORTH FACEが応援します!

憧れのテント泊縦走登山。いつか挑戦してみたいけれど、実際に計画するとなると不安や疑問がいっぱいですよね。
そこで今回、ステップアップを目指す登山者を応援し続けてきた<THE NORTH FACE>と登山ガイドの渡辺佐智さんのサポートのもと、北アルプステント泊縦走に初挑戦する女性チームに準備段階から密着。その様子を全4回の連載でお届けします。
初回の【計画編】にて、2泊3日テント泊縦走で北アルプス・朝日岳への山行計画が決定!2回目の【準備編】では、装備選びで気をつけるべきポイントを考えながら、出発前の準備を進めていきます。
テント泊縦走は何が違う? 押さえておきたい準備のポイント

登山に持っていく装備は、いつも同じとは限りません。2泊以上のテント泊縦走に挑戦する場合、1泊2日の山小屋泊やベースキャンプ型の登山と比べて、以下のような違いがあります。
さらに、行き先が日本アルプスの場合は、気象条件の厳しさも考慮してウェアなどを選ぶ必要があります。
手持ちの装備
そこで今回は、1泊のテント泊経験のある読者代表・吾妻さんの装備を例に、2泊以上のテント泊縦走の際に気をつけるべきポイントを考えながら、手持ちの装備で事足りるのか、買い足しの必要はないかなどをチェックしてみましょう!
①「軽量化」と「稜線での歩きやすさ」を考えた装備を選ぶ
テント泊の場合、基本の装備に加えて、テント・マット・寝袋・調理器具などの装備が必要になります。すべての装備を背負って長距離を歩く縦走では、軽量化とパッキングのしやすさを考えたギア選びが重要になってきます。
ウェアや身の回り品は細かく軽量化を
軽量化というと、手持ちの装備を軽量モデルに買い替えるという方法が一番に思い浮かぶかもしれませんが、
そもそも不要な装備を持っていかないというのも立派な軽量化です。
普段の装備が本当に必要かどうかを再チェックするところから始めましょう。
今回は2泊なので、着替えをどれくらい持っていくか悩みます。日焼け止めや洗面用具、化粧品もどこまで持っていこうかな……

着替えは、万が一雨などでびしょ濡れになった場合の予備として、下着・ベースレイヤー・トレッキングパンツ・靴下が1セットあればOKです。
2泊でも着替えは1セットなんですね。夏山だとたくさん汗をかくので、ついつい日数分を持っていってしまいます。たしかに、結局着替えなくて不要だったということがよくあるかも……
汗によるべたべた感を防ぐコツとしては、寝るときだけ予備に着替えることです。日中はどうせすぐに汗をかいてしまうので同じものを着るとして、歩く用と寝る用にウェアを分けておくと、快適に眠れるのでおすすめですよ。
その間に歩く用を干したり乾かしたりできますもんね。

それから、女性は化粧品や洗面用具をどこまで減らせるかでだいぶ重さが変わります。
例えば、この日焼け止めクリームを、一回り小さいボトルのものに変えるとか、メイク落としシートなどは、使う枚数分だけチャック袋に詰め替えるのもいいですね。
細かく見ていくと、削れる所がたくさんありますね。着替えと身の回り品は、こんなにコンパクトになりました!
フリーズドライ中心の食糧計画なら、調理器具は最低限でOK

調理器具は、いつもはクッカーセットを持っていくんですが、軽量化するならメスティンと固形燃料の方がいいかな、と悩んでいます。
今回はアルファ米やフリーズドライ食品がメインなので、お湯を沸かして注ぎやすいソロクッカーがいいと思います。小さい方のクッカーだけを持っていけば、かなり軽量化できますよ。フタもいらないかも……

左が軽量化後の調理器具一式。右のクッカーや蓋、メスティンなどは持っていくのをやめた道具
お湯を沸かすときは、フタの代わりにアルミホイルをかぶせるとガスが節約できますよ!お皿は小さなシリコン製カップ、ガス缶も2泊なら小さい方で充分ですよね。
食料計画にあわせてクッカー類を軽量&コンパクト化しつつ、エマージェンシーアイテムとしても火器類は必ず持って行ってくださいね。
パーティであれば、クッカーは個人で、ガスや火器は共同装備にして軽量化するのもありです。
テント泊縦走のバックパックは、軽さだけでなく“背負い心地”も重要

バックパックはどうでしょうか? 容量は40リットルの軽量モデルで、1泊のテント泊装備ならこんな感じでパッキングしているんですが……
装備を外付けしているのが気になりますね。テント泊縦走の装備でただでさえサイズが大きくなるので、引っ掛かる危険もより高くなります。
すべての装備を背負ったまま稜線を歩くことを考えても、外付けなしでもパッキングできるサイズ感のバックパックが理想です。

あと、フレームレスのバックパックは軽くていいんですが、重い荷物を長時間背負うときは、フレームが入ったものの方が疲れにくいですよ。

軽さと背負い心地のバランスがいい、ザ・ノース・フェイス「ウラノス45」

フレーム入りで、背負い心地や歩行時の安定感は抜群。バックパネルはトランポリン構造で通気性もいい

雨蓋は取り外すこともできる。テント内での荷物の整理にも便利
例えば、ザ・ノース・フェイスなら「
ウラノス45」がちょうどいいと思います。容量は45ℓですが、雨蓋が上に伸ばせるので結構パッキングにも余裕がでると思います。試しにフィッティングしてみましょう!

ヒップハーネスが腰骨の上に乗る位置にくるよう、背面長を調整

ヒップハーネスを締め、その他のコード類の長さを調節したらフィッティング完了!
背中にぴったりフィットしています。バックパック自体はちょっと重くなったはずなのに、なんだか軽く感じます!
体によくフィットするバックパックを選ぶと、体感的に重さの負担を軽減できますし、荷物のブレによるふらつきも予防できますよ。
外付けNG!荷物をコンパクトにして、歩きやすいパッキングに

スリーピングマットも、クローズドセルタイプは軽い反面かなり嵩張るので、今回はエアマットに変更しましょう。
でっぱりや引っ掛かりのないパッキングは、稜線や岩場で安全に歩くためにはとても大切なことなんです。
私、寒がりなんですが、エアマットは底冷えしないでしょうか?
製品にもよりますが……マットをシュラフの中に入れて使うのがおすすめです。マットの中の空気が体温で温まって、暖かく感じられると思います。
②適切なフットウェア選びと快眠テントで、疲れとケガを予防
長時間・長距離を歩く2泊以上の縦走では、疲れにくい登山靴や靴下選びが大切。また、翌日に疲れを残さないため、テント場でのストレスを軽減し、快眠できる環境を整えることも重要です。