グループ登山でみんなが楽しむには?ACTIBASE・谷合翔馬さんの「山の愉しみ」 by ROGER EGGER

自分らしいスタイルでそれぞれの登山を実践する人々に「山の愉しみ」を教えてもらいながら、おすすめの山を歩く本連載。今回は若者だけの登山コミュニティ・ACTIBASEの管理人である谷合翔馬さんにメンバー2人が加わり、山梨県の展望峰・日向山へ。復活したばかりのスイスの伝説的ブランド「ROGER EGGER」のウエアをお揃いのコーディネートで歩きながら、グループ登山の魅力を教えてもらいました。

制作者

YAMAHACK 編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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グループ登山は、なぜ楽しい?


登山初心者や女性に多い「ひとりきりで歩くのは不安」、けれども「一緒に登山する人がいない/いてもなかなかスケジュールが合わない」という悩み。そんな時におすすめなのが、登山好きの仲間と一緒に同じ山頂をめざすグループ登山です。

登って良かった山のエピソードや身に付けているウェア・ギアの情報交換など、登山中に交わされる会話には自分だけでは得ることができない新しい山の情報が満載。
もちろん登頂・下山した時の達成感をメンバー全員で分かち合えるのもグループ登山ならではの大きな魅力です。

今回の、仲間と歩く「山の愉しみ人」は…

ACTIBASE・谷合翔馬さん
18~34歳の若者限定登山コミュニティ・ACTIBASE(アクティベース)運営者。学生山岳部や社会人山岳会などにありがちなルールや上下関係に縛られることなく、世代の近い登山仲間を“より自由に、より気軽に見つけてほしい”という想いから登山仲間発見グループとして2016年にACTIBASEを設立。同コミュニティのFacebookグループ登録者数は2022年6月現在1450人を超え、ほぼ毎週末ACTIBASEのメンバーと登山に出かけている。
学生時代から旅行好きだった谷合翔馬(以下:しょーま)さん。アメリカ留学経験もあり、アウトドアサークルの仲間とグランドキャニオン周辺やヨセミテの国立公園で、キャンプやトレッキングなどを楽しんでいたそうです。

そんなしょーまさんが登山の魅力に目覚めたのは日本帰国後、屋久島への旅行と富士登山がきっかけでした。
しょーまさん
しょーまさん
こんなにすごい景色が日本にもあるんだ!って感動して。
そこから日本百名山を中心に、毎週末のように登山に出かけていましたね。

知識や装備についてはWEBの記事を読んだり、実際に登山しながら経験値を増やしていったそう。
社会人になり長期間の海外旅行が難しくなる中で、週末の限られた時間でも非日常を味わうことができる登山は、しょーまさんにぴったりだったそうです。

初心者におすすめでよく連れて行くのが…日向山

そんなしょーまさんがACTIBASEの山行でも初心者のメンバーが多い時に連れて行くことが多いのが、今回訪ねた山梨県北杜市にある日向山(1660m)。
*白い砂浜が広がる山頂からの絶景がもたらす「ご褒美感」「独自性」
*コースタイムが短すぎずしっかり味わえる「達成感」

を兼ね備えていて、初心者が登山に「ハマる」きっかけの山としてイチオシだそうです。


歩きやすい登山道ながら、ご褒美パノラマが待っている


南アルプス北部の日本百名山・甲斐駒ヶ岳から北東に派生する尾根上のピークのひとつが日向山。山容そのものはおだやかで目立ちませんが、山頂西側に広がる雁ヶ原(がんがはら ・ かりがはら)と呼ばれるザレ場が最大の特徴です。

甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山でも見られる花崗岩の奇岩がニョキニョキと林立し、その花崗岩が風化した真っ白な砂が敷き詰められた景観は「天空のビーチ」とも称され登山者に人気。さらにそこに至る登山道は樹林帯の尾根をたどる一本道で迷いやすいポイントや危険箇所も少なく、初心者でも比較的歩きやすいルートです。

メインの登山口は尾白川渓谷駐車場。中央自動車道・長坂ICから国道20号線へ出て、道の駅はくしゅうから西へ進んだ場所にあります(所要約20分)。公共交通機関利用の場合は、JR中央線・小淵沢駅からタクシーを利用しましょう(所要約30分)。

【尾白渓谷駐車場】
・駐車可能台数:約100台
・料金:無料
・トイレ:あり(冬季閉鎖)

白砂が広がる頂上を目指して登ります

本日しょーまさんと一緒に日向山を目指す仲間は、ACTIBASEのメンバー・らんかさんとたくろーさん。3人とも「ROGER EGGER」の色違いのお揃いTシャツと帽子でコーディネートしてもらいました。

らんかさん
・登山歴:約5年
・ACTIBASEに入った時期:2018年5月頃
「共通の知人を介してしょーまさんと出会い、一緒に登山に行こうと声をかけてもらってから長らくお世話になっています!」
たくろーさん
・登山歴:約5年
・ACTIBASEに入った時期:2021年1月頃
「就職の関係で住まいが関東に移った時に登山にはまり仲間を探していたところ、FacebookでACTIBASEを見つけました!」

尾白川渓谷の登山口からスタート


トイレ・売店のある尾白川渓谷駐車場からキャンプ場を横目に林道を進むこと約5分、竹宇駒ヶ岳神社の手前に日向山登山口があります。いざ、クライムオン!


登山口から矢立石駐車場までが、今回のコースで一番キツイ区間。樹林帯の中の急斜面をジグザグに登っていきます。いきなりペースを上げすぎず、ウォーミングアップのつもりで進みましょう。いったん舗装された林道に合流し再び登山道に入ると、ほどなく矢立石登山口に到着します。

実は林道経由でここまでクルマで行くこともでき、実際に駐車しているマイカーも多数。しかし駐車スペースが路肩しかなく、転回が困難になることもあるため地元・北杜市では駐車自粛を呼びかけています。時間や体力の関係でどうしてもこの登山口を利用したい場合は、タクシーを利用しましょう(ただし冬季は林道も閉鎖)。

矢立石駐車場からなだらかな尾根へ

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矢立石登山口からジグザグに登ると、日向山から東に伸びる比較的なだらかな尾根に出ます。矢立石から山頂までを10の区間に分けた標識もあり、自分がどこまで進んでいるかを把握するのにも好適。

周囲の森はカエデやツツジ類も多く、まぶしい新緑に包まれながら順調に高度を稼ぐ3人。秋の紅葉シーズンにはこれらの木々が赤く色づき、また違った装いを見せてくれます。

初対面同士でも弾む会話


歩きながらも3人の間では先日行った登山の様子や、たくろーさんが持参したカメラ(ACTIBASEのメンバーは写真好きが多く、一眼レフを持参して登山するメンバーも多いそう)についてなど、会話が絶えることがありません。
しょーまさん
しょーまさん
基本的に山でしか会えないメンバー同士。普段では出会えない職業の人と一緒に登山するのも新鮮ですよ。


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高度が上がるにつれて、周囲の植生は笹原とカラマツの原生林に変わります。このカラマツも秋には黄金色に染まり、山頂の白い砂とのコントラストが見事です。

小さなピークを巻きながらいったん下り、日向山雨量観測所がある鞍部からなだらかに登り返すと、登山道から少し外れた森の中に日向山三角点が。

登山をモチベーションに仕事している!?


ここまでの道のり、3人のペースはまったく乱れることはありません。若者世代ということは働き盛りでもあり、平日はそれぞれの職場で忙しく過ごしているACTIBASEのメンバー。週末も早起き(時には前夜発)しての登山はキツくないのでしょうか。
たくろーさん
たくろーさん
普段の仕事では残業もそれなりにありますが……。山に行くために働いているようなものですかね(笑)

土日に登山を控えている週の後半は、より仕事を頑張っちゃうぞ〜とモチベーションが上がります!
らんかさん
らんかさん

晴天の頂上は右に八ヶ岳、左に甲斐駒ヶ岳!

三角点から5分も歩けば、天空のビーチ・雁ヶ原のある山頂に到着!ここまでずっと樹林帯の登山道が続いてきた分、一気に視界が開けて砂浜のような光景が広がる様子はより印象深く、特に初めて訪れた人の心には深く刻まれるでしょう。

北東方向には最高峰・赤岳を筆頭に大きく裾野を広げる八ヶ岳連峰を一望、北横岳・蓼科山や霧ヶ峰までを見渡すことができます。



南西方向に目を向けると、堂々とそびえる甲斐駒ヶ岳の勇姿が。単に「甲斐駒ヶ岳が見える」だけでなく、残雪の岩肌・新緑の山肌・白い砂と遠景から近景までのコントラストを楽しむことができるのは、しょーまさんもおすすめする日向山だからこその絶景です。


西に伸びた稜線を進んでいくと、甲斐駒ヶ岳の奥に鳳凰三山や富士山を望むことも可能。ただしこの付近は痩せ尾根になっているため、転落や落とし物には注意が必要です。

グループだから分け合って持っていける

山頂近くの木陰でお待ちかねのランチタイム。今回しょーまさんはホットサンドメーカーを持参してくれました。
らんかさん
らんかさん
私は高級食パンをまるごと一斤ザックに入れてきました♪
甘みもあって、美味しいですよ!

僕はこの前の登山先で立ち寄ったスパイス屋さん特製のソースを持ってきました!
具材のスパムにかけたら美味しそうだな〜と思って。
たくろーさん
たくろーさん


こうして食材をそれぞれ持ち寄ることで、分け合って山頂まで持っていくことができるのもグループ登山ならではの魅力ですね。

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持参したナイフではパンが綺麗に切れなかったり、火加減が難しくて表面が焦げてしまったり、ソースが飛び散ったり……ちょっとしたアクシデントも頻発したホットサンドづくり。けれども3人からは笑顔が絶えることはありません。

仲間と一緒に試行錯誤したりワイワイ言いながら作って食べる山ごはん、少しくらい失敗しても良い思い出になりますよね。

温泉に入るまでが登山です!


復路は同じルートを下り、尾白川渓谷駐車場に無事下山。そのまま帰路に就くのではなく、しょーまさんのクルマで近くにある日帰り温泉・尾白の湯へ移動し、さっぱりと汗を流して登山を締めくくります。

阿曽原温泉(北アルプス)・法華院温泉(久住連山)など山のいで湯も大好きで、そもそも旅を愛するしょーまさん。単に山に登るだけでなく、山旅全体を楽しんで欲しいというこだわりが垣間見えた瞬間でした。


ACTIBASEを始めたきっかけ。グループだからステップアップできる

ACTIBASEは「登山仲間を簡単に見つけられるグループ」をコンセプトに、Facebookグループを中心に活動。ここに山行予定などを投稿し、同行する登山仲間を募るスタイルです。

若年層ほどソロで登山する人が多い中、グループ登山をおすすめしたい!という理由は
*喜び、楽しみを共有できる(登頂の達成感、絶景、ご飯、温泉など)
*ソロよりも安全性が高い(遭難時の救助スピードの早さ、緊急時の助け合い、知識共有など)
*交通費が安い(車の場合、交通費を折半できる)

というメリットを、日本百名山にチャレンジ中のしょーまさんも実感したからだそう。

また北海道から九州まで幅広い地域に在住のメンバーがいることも大きな強み。転勤などで活動拠点が変わっても、土地勘のない場所へ遠征登山する時も、その地域のメンバーと出会うことができます。
しょーまさん
しょーまさん
例えば登山を始めて高尾・奥多摩まではひとりで登ったけれど、そこから先の八ヶ岳や日本アルプスまでは不安で進めない人っていますよね。
そんな人がグループで登ることで不安なくレベルアップできる場も、ACTIBASEで見つけられるのではないでしょうか。


ACTIBASEのメンバーが、Instagramなどでつながった仲間とグループ登山をすることも増えているそうです。この日も、そんなグループとばったりすれ違いハイタッチする場面が。若者同士の登山の輪が、ACTIBASEを中心に着実に広がっています。

しょーまさんの細やかな気遣い


今回しょーまさんに同行させてもらい印象的だったのが、周囲への細やかな気遣いです。後方からスピードの速い登山者が追いついてきた時には、いち早く気付いて同行者に道を譲るよう伝達。すれ違いの際にも「こんにちは」とにこやかに声をかけてスマートに登山道の脇へ移動します。

もちろん、この気遣いは他の登山者だけでなくACTIBASEの同行メンバーに対しても同様。
しょーまさん
しょーまさん
山行の度に参加メンバーのLINEグループを作成して、装備や注意事項を共有するようにしています。
自分自身ギアが好きなので、装備選びの相談に乗ることも多いですよ。


参加メンバーの中には初参加で体力などが未知数の人もいますが、そんな時の対応もグループ登山の模範となるべきものです。
しょーまさん
しょーまさん
もし、体力的に登頂が難しいメンバーがいたら自分が同行して山麓まで下山させてから、早足で登り返すようにしています。

コレってなかなかできるものではありません。登頂を断念したメンバーが単独下山中に遭難する事例は、これまでも数多く発生しています。

ACTIBASEの基本スタンスは「自分自身で責任をもつ」ですが、グループ登山でみんなが安全に楽しめる環境づくりには労力を惜しまないしょーまさんらしいエピソードです。

「作りたかった」を実現。オリジナルグッズも制作


元々自身のブランドを作りたかったというしょーまさん。自身の登山経験やメンバーのフィードバックも活かしながらACTIBASEではオリジナルグッズを制作し、2021年からはバックパックを販売開始。2022年からはウェアも展開しています。

今回着用したのは、スイスの復活ブランド「ROGER EGGER」


今回の日向山でACTIBASEのメンバーが着用したのは、スイス発祥のブランド「ROGER EGGER(ロジャーエーガー)」。創業時のスピリットと現代のテクノロジーを融合させデザインと機能を兼ね備えたアウトドアウェアが復活し、ゼビオグループのスポーツ用品店「スーパースポーツゼビオ」や「ヴィクトリア」「エルブレス」および、オンラインショップで2022年春夏から展開しています。

ROGER EGGERについて詳しく見る

Tシャツ


メンバー3名が色違いで着用したTシャツ。厚手のしっかりした生地が特徴です。
しょーまさん
しょーまさん
まず、ゆったりとしたシェイプがキレイですよね。
厚みがある割にサラサラした肌触りで、暑さを感じることはありませんでした。


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Tシャツには同じカラーバリエーションで、胸ポケット付きのモデルも展開。裾のサイドを三角形にカットして配置された「ROGER EGGER」のロゴもワンポイントになっています。

ウインドシェル

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裏返して折り畳めば、内側のポケットへコンパクトに収納可能で軽量なウィンドシェル。風が強く体感気温が低かった日向山の山頂ではとても重宝しました。
らんかさん
らんかさん
私が着用したウィンドシェルは淡いブルー。
他のブランドではなかなかない色合いで、とてもかわいかったです。

レインウエア

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ウィンドシェル同様に薄手でコンパクトに収納可能ながら、比較的ゆとりのあるシェイプのレインウェア。付属のコードでフードのアジャストも自在、頭の動きにしっかりと追従してくれます。

 

上記アイテムは、ゼビオグループのスポーツ用品店の一部で手に取れます。

ROGER EGGERについて詳しく見る

今回のコースは…

合計距離: 7.49 km
最高点の標高: 1653 m
最低点の標高: 779 m
累積標高(上り): 935 m
累積標高(下り): -935 m

ルート概要・所要時間

尾白川渓谷駐車場(5分)→日向山登山口(80分)→矢立石(130分)→日向山(75分)→矢立石(45分)→日向山登山口(5分)→尾白川渓谷駐車場
*参考:ヤマレコ

尾白川渓谷駐車場までのアクセス

公共交通機関:JR中央本線「小淵沢駅」からタクシーで約30分
クルマ:中央自動車道 長坂ICから約20分

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