植物観察をしている様子

道草山歩きのススメ。登山やハイキングの楽しさが倍増する野草観察のコツ

自然の中を歩いていて「あ、きれいな花!」と思っても、名前がわからずそのままスルー、なんてことはありませんか? 植物観察のポイントがわかると、山や森、街の中でも、歩くのが何倍も楽しくなります。山は登るだけじゃなく「遊ぶ」場所であるという提案をしているミレーでアドバイザーをしている野草愛好家のKUSACOさんに身近な野草観察の楽しみ方を教えてもらいました!

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目次

「山を歩くだけ」なのに、なぜ楽しい?

「山を歩くだけなのに、なぜ楽しいの?」
登山が趣味だと言うと、こんなふうに聞かれたことはありませんか?
あるいは、まだ登山にハマっていない人は、登山をする人に聞いたことがあるかもしれません。

登頂する達成感が好きな人や、美しい景色が見たい人、空気感が好きで山にいるだけで幸せという人、山でご飯を食べるのが楽しみという人、滝や沢に行くと癒される人、そして植物を観察するのが楽しみという人……。

山歩きにはいろんな要素があって、その楽しみ方は登山者の数だけあるのです。

どこの山に行ってもできるのが、野草観察

そんな楽しみの中で、いつでもどこでも誰でもできるのが、野草観察。

珍しい高山植物を見に行かなくても、身近な里山に生えている野草も、よく観察してみると意外な発見がたくさんあります。

地域や山の高さなどによって植生が違い、季節によっても姿を変えるので、旅先でも近所でも楽しめます。

低山や短いコースを歩くときでも、植物に注目してみると楽しみが倍増しますよ!

KUSACOさんに教えてもらう野草の楽しみ方

そこで今回は、野草愛好家でミレーのアドバイザーでもあるKUSACOさんに、野草の楽しみ方のポイントを教えてもらいます。

KUSACOさん
北海道出身。自然観察が好きなご両親のもと、緑豊かな環境で育ち、自然と野生の動植物に興味をもつ。野生生物について学ぶため帯広畜産大学に入学し、ハチの研究などを経て、野草にハマることに。現在は、“野草の聖地”とも言われる北海道で、ほぼ毎週末、山へ川へと野草観察に出かけている。ミレーのアドバイザーとしても活動

鎌倉広町緑地で、写真家の加治さんがKUSACO流の野草観察を実践

写真家・加治枝里子さん
アメリカの美術大学で写真を学んだ後、2006年にフランス・パリを拠点に独立。現在は鎌倉を拠点に、旅・カルチャー誌などで活動しながら、作品制作を続けています。今回撮影した鎌倉広町緑地で行われている青空自主保育「でんでんむし」で3児を育てる母

加治さんは鎌倉在住。鎌倉広町緑地には毎日のように子どもと来ているそうですが、今回はあらためて「野草観察」という視点で歩いてもらいます!

KUSACOさん流の野草観察、7つのポイント

ただ眺めていても癒される野草や草木ですが、観察のコツを聞くと実践したくなります。KUSACOさんによると7つのポイントがあるそう。早速、実践してみましょう。

POINT①:観察するときは決まったサイドを観ていく

遠くを見たり近くを見たりせわしなく視線を動かすと、目がちらついて逆に野草を探せません。
人間には左右どちらか利き目があり、自分の利き目側の少し先を見ながら歩くようにするのがポイント。

KUSACOさん
KUSACOさん
同じルートを往復するピストンの場合は、見るサイドが逆になるため、登りと下りで違う野草を見つけることができますよ

POINT②:視線は低く。休憩するときも地べたに座ると発見が

大人よりも視線の低い子どものほうが、面白い植物を見つけるのが上手だったりしますよね。
野草は低い位置に生えているので、とにかく視線を低くすること。

面白そうな植物を見つけたら、しゃがんだり、はいつくばったりしてみると、新たな発見があったり、違う世界が広がります。
休憩するときも、立ったままではなく、できれば地べたに座ることで視線が低くなり、植物を見やすくなりますよ。

KUSACOさん
KUSACOさん
座ってみると、「こんなところにいたの?」という植物に会えます

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