初めてのテント泊縦走登山を、THE NORTH FACEが応援します!
憧れのテント泊縦走登山。いつか挑戦してみたいけれど、実際に計画するとなると不安や疑問がいっぱいですよね。そこで今回、ステップアップを目指す登山者を応援し続けてきた<THE NORTH FACE>と登山ガイドの渡辺佐智さんのサポートのもと、北アルプステント泊縦走に初挑戦する女性チームに準備段階から密着。その様子を全4回の連載にてお届けします。
連載3回目の【実践編】では、いよいよ2泊3日のテント泊縦走へ。挑戦を通しての学びと共に、山行の様子をレポートします。
【DAY1】 ワクワクドキドキ感を胸にいざ出発
実は今回、悪天候により山行日程を一度延期。THE NORTH FACE 中村さんが残念ながら仕事の都合で参加できなくなってしまい、3人での挑戦となった
1日目は、栂池自然園から白馬大池を目指す、約4時間半の行程です。
事前チェックで学んだポイントを参考に、メイク道具や食料はわりと軽量化できたと思います。全部で13キロくらいに収まりました。
クローズドセルのマットをエアマットに変更して、外付けなしの安全なパッキングができました。
近場の山で重い荷物を背負って歩くトレーニングもして、準備は万全です。
登山届を出して、ココヘリの電源が入っていることを確認したら登山開始。しばらくは樹林帯の中、ジグザクの登りが続きます。重い荷物に体を慣らしながら、ゆっくりと一定のペースで。
歩き方を意識すれば、バテにくい
歩き出しは、スピードに心肺機能が追いつかないので、ゆっくりとスタートするのがポイントです。
出発時ってまだ元気なので、つい飛ばしてしまったりするかも……。
縦走を成功させるコツは、行程中の自分のマネジメント 。体調や体力は個人によって違うので、その中で「より長持ちさせるためにはどう歩くか」を考えてみるといいですね。
体力を長持ちさせるような、上手な休憩の取り方はありますか?
休憩は時間を決めて 体が温まって調子が上がっているときは、立ったままでサッと軽い休憩を。十分に時間を取りたいときは腰を下ろして、行動食でエネルギー補給をしたり、軽いストレッチを したり。
ダラダラと休むのではなく、時間を決めて休憩すると体への負担も少なく済みます。
立ったままでの休憩時は、つま先が斜面の上に向くように して、ふくらはぎが楽な体勢にすること。
余計な力を使わない立ち方をするのも、疲れを溜めないためのポイントです。
つま先の方向まで意識したことはありませんでしたが、本当に楽ですね。
ハイドレーションでの水分補給が理想的
今回の縦走のためにハイドレーションを購入しました。はじめて使いましたが、
歩きながらでもサッと飲めてかなり楽 ですね。おかげで、こまめな水分補給ができています。
ただ、水の残量が見えないのは不安です。
私はだいたい3口を100mlとして、ざっくり調整してます。今回の山行での補給ペースと残量を参考値としてメモしておきましょう。
あいにくの天候だが、足元には挑戦を応援してくれているかのようにチングルマが咲いていた
森林限界を越えると、白馬乗鞍岳の姿が目の前に現れるはずが……あたりは真っ白。
霧に包まれた神秘的な風景が、なんだか気持ちを落ち着かせてくれる
木道歩きが心地よい天狗原(てんぐっぱら)の美しい湿原の中、腰を下ろしてひと休み。行動食でエネルギーを補給したり、ストレッチをしたりと、疲れをためない休憩方法を実践します。
しっかりと体をほぐすには、トレッキングポールを使って伸ばす のがおすすめです。
雨に濡れたワタスゲは、まるでシャンプーした後の犬のよう
疲労軽減のために、岩場でも余計な筋肉を使わない
天狗原から先は、白馬乗鞍岳までゴロゴロとした岩場を登っていきます。
不整地を歩くときは、どうしても余計な力が入ってしまいがちなので、筋肉のエネルギーを無駄に消費しないような足運び をすることがポイント。例えば……
■岩場では、足の骨の真上に体が乗るようなイメージで、つま先とかかとが平行になるような場所に足を置く
■足を大きく上げないようにする
とは言っても、あまり意識しすぎると上手に歩けなくなるので、自分が楽に歩ける方法を見つけてみましょう。
足の置き方をちょっと工夫するだけで、足への負担が全然違います!
白馬乗鞍岳山頂では大きなケルンがお出迎え。山頂から見えるはずの白馬岳や小蓮華山、杓子岳の姿も霧の中
池面に映る青空は見られなかったものの、花たちの美しい姿に癒されて自然と笑顔に。霞に浮かぶお花畑がなんとも幻想的
白馬乗鞍岳のピークを過ぎてしばらく下れば、白馬大池山荘のテント場に到着です。
テントの設営は対角線の順に テント設営のコツは、対角線上に作業すること 。
まずは風上側の1か所をペグダウンしたら、次は対角部分を固定すると、ピンときれいに張ることができます。ポールの固定やガイラインを張るときも同じです。
ついつい隣から固定してしまっていました。対角の順番で固定した方が、風にあおられることも少なくて設営しやすいですね。
山ごはんでエネルギーもしっかり補給 壮大な風景を目の前にして食べるごはんは格別
調理器具は最低限に、蓋はアドバイスをもらったアルミホイルにしました。ごはんもフリーズドライ食品中心にしたので、食事関連が一番軽量化できたと思います。
栄養面も考えつつ、楽しみになるような好きなものを選んでみました。
食事からも水分が取れるように、毎食スープも追加しました。
翌日の行程確認もしっかりと
明日は早朝出発です。夜明け前は特に視覚的な情報が限られてしまうので、地形図をみて歩くコースを再確認しておきましょう。
計画時に記録ノートにメモしておいた、朝日小屋までの危険箇所や分岐も見直してみます。
撤収のコツは“片づけすぎない”こと
撤収が苦手で、あのスタッフサックどこいったっけ?なんて探すのに時間がかかってしまったり。早く片づけるコツってありますか?
収納を細かく分けすぎないことですね。「どこに入れたっけ?」となりやすいので、テント内では
衣類・食事・その他くらいでざっくりと分けて、大枠の中で道具を探せるようにする んです。
そして、出発までの間にあまり片づけをしない こと。
常に整理整頓しておいた方がいいのかと思っていました!
ヘッドライトやナイフといった暗闇の中で行動するための道具は、すぐ手に取れる枕元に 置いておきましょう。ナイフは、暴風などで万一テントが潰れたときの脱出用です。
その上で、食事をしたら50%くらい、着替えをしたら50%くらい片づけるイメージで、まとめておくのがおすすめ。使用頻度が高いものは、出しっぱなしの方がすぐ見つけられます。
いずれにせよパッキングするときに全部を片づけなければいけないので、最後に一気にやった方が効率がいい んです。
ひとつのことをやったらそこで一旦片づけるよりも、結果的にかかる時間が少なくて済むってことですね。
特に
テント泊縦走の場合、早朝に出発することが多いので、暗い中で準備をしなければならないことがほとんど。どんな風に撤収を進めるかが重要 になってきます。
1日目にかかった「パッキングを始める前」と「パッキングはじめてから出発まで」の時間と、どんな順番で撤収をしたかをメモしておくといいですよ。
寝る前に翌朝の行動をイメージしながら、時間をどう短縮していくかを見直すと、2日目の撤収がよりスムーズになると思います。
パッキングは行動予定を踏まえて
大枠で分けて道具を探したり、一気に片づけたりする方が、必要なものが迷子になりにくくてパッキングもしやすそうですね。
縦走時は山の中での長時間行動になるので、必要な道具がパッと出ないと命に関わることもあります。自分が
行動中にスムーズな対応ができるかどうかを考えてパッキングすることが大事 です。
それから、きちんとパッキングができていないと体幹への負担が大きくなってしまいます。重心に近いところに重いものを入れる など、セオリー通りのパッキングを心掛けましょう。
一緒にヨガをしたり、白馬大池周辺を散策したりと、一人では持て余すことも多いテント場での時間があっという間
【DAY2】 縦走の醍醐味!がっつり歩いてどっぷり山に浸る すっかり霧が晴れ、星空を映した白馬大池が送り出してくれた。あまりの綺麗さに眠気も吹っ飛ぶ
今回の挑戦のハイライトとも言える2日目は、いよいよ朝日小屋までのロングルートを歩きます。10時間半ほどの行程です。