誰にでも一つや二つはある、お気に入りの山道具。まもなく雪山シーズンを迎えるということで、今回はバックカントリースキーヤーが雪山でもガシガシ使っているというお気に入りの“偏愛ギア”をご紹介します!
こんにちは!毎冬バックカントリースキーに出かけ、アウトドアギアやアパレルの開発まで幅広く活動中のライター・アクタガワタカトシと申します。
学生時代からアルペンスキーレーサーとして、現在はバックカントリースキーを通して雪山の魅力に取り憑かれはや20年以上……。これまで様々なアウトドアギアに触れてきた知見を踏まえ、今回は特に私が長年愛用している「スント」の時計について語りたいと思います!
‘90年代からお気に入り。デザインと機能を両立した時計
自分にとっての冬山はバックカントリースキー。そんな私がちょうど山スキーの世界に触れたころ、’90年代末に登場したのが今回ご紹介する「スント」の時計です。
スントの最初の腕時計「ベクター」が登場したときは、衝撃を受けたのを憶えています。大きなウォッチフェイスにポップなカラーリング、ベクターにはそれまでのアウトドアウォッチにはなかったポップさやデザイン性があり、またたく間に人気ブランドとなっていきました。
当時は機能よりもデザイン面で支持されていたようですが、その後スントの時計は、GPS機能などを強化しアウトドアウォッチとして非常に高い性能を誇るようになっていくのです。
SUUNTO SUUNTO9 Baro
主な機能 | 時刻表示/心拍・消費カロリー・正確な高度計測・速度・距離・方角/ルートナビゲーション/スマートフォン着信通知 |
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液晶/画面操作 | カラーディスプレイ/タッチパネル・ボタン操作 |
防水 | 100m/10気圧防水 |
電池 | 専用バッテリー(USB充電式)) |
駆動時間 | 約25時間 (25時間/精度BEST、40時間/精度GOOD、120時間/精度OK) |
サイズ | 50m×50×15.8mm |
保証期間 | 2年 |
そして現在そのトップレンジに位置しているのが「スント9バロ」。スント伝統の優れたデザインセンスを継承しつつ、機能面も素晴らしいこの時計は、私がスキーをする際に使ってきた様々な時計の中でもピカイチに気に入っています。
バックカントリースキーにおけるスマートウォッチの有用性
なぜバックカントリースキーをやる私がこのアウトドアスマートウォッチを推すのか?それは・・・バックカントリーにおいてスマートウォッチは非常に有用性が高く、もはや切っても切り離せない最重要ギアの一つだからです。
スキーにせよスノーボードにせよ、バックカントリーでの滑走には危険が伴います。毎シーズンのように遭難のニュースが流れていますが、一番の要因として挙げられるのが「道迷い」。吹雪や濃霧で視界が遮られてしまうと、途端に自分がどこにいるのか、どこに向かおうとしているのかがわからなくなってしまいます。
そんな時、デジタルデバイスで自分の位置や方角を確認しておくことで、遭難のリスクを減らすことができるようになります。特に「スント9バロ」のように高性能なアウトドアスマートウォッチであれば厳しい環境下においても作動し、次に進むべき方向を指し示してくれるというわけです。
【スント9 バロのココがアツイ①】バッテリー消耗を考慮した高精度GPSで5日間のログ取得が可能!
スント9バロの一番のウリは何か?と聞かれたら、やはりスントが得意とするGPSトラッキング機能と答えるでしょう。
GPSで自分の正確な位置を記録し、ルートマップ上の現在位置を表示したり、行動の軌跡を記録して後から確認するといった機能は、従来のスント製品でも定評がありました。一方で、GPSとの交信は相応の電力が必要となるため、軌跡の精度を上げるとバッテリーの消耗が早くなるという問題も…。
そんな問題を抱えながらもスント9が素晴らしいのは低消費電力型のGPSユニットと加速度センサーを搭載し、GPSと交信しなくても進行方向や速度を計算出来るようになったこと。
これまでは数秒に1回G P Sと交信していましたが、60秒に1回、もしくは120秒に1回といった最小限の回数に減らしても、非常に精度の高いトラッキングができるようになりました。
その結果、従来モデルでは24時間程度取得するのが精一杯だったGPSログを、最大120時間(約5日間)という長時間に渡って取り続けることが可能に。特にスキーなどの場合、下りでは移動速度が早いので、GPSの交信頻度が低いと正確に軌跡を追えなくなってしまいますが、スント9なら加速度センサーがそれを補ってくれるので、交信頻度が低くても正確なログが取れるのです。
バッテリーの持ちがいいからこそ、心おきなく使えるスマホ連携
私がスキーの時こそスマートウォッチが便利だと思っているもう一つの理由が、スマートフォンとの連携。ペアリングしておけばLINEやメッセンジャーの着信も知らせてくれますし、電話がかかってきてもすぐに気づくことができます。
でも私が以前使っていたスマートウォッチは、二日目の途中にはバッテリーが切れてしまうということがほとんど。特に雪山は気温が低いことが多いのでバッテリーの消耗も早いんですね。
そのため一度はスマートウォッチの使用を諦め、時間と標高がわかるだけのシンプルな時計に戻したのですが、スント9が登場したことで状況が大きく変わりました。バッテリーの消耗を気にせず使えるスマートウォッチの登場を、待ちわびていた人はきっと多いはずです。