軽さと柔らかさ中心で選ぶと、疲れる原因に!?

「今日はいい天気で、最高な登山だった!」でも、ズーンと足にくるダル重な疲労感。装備は軽くしたのに、この足のダルさはいったいなぜでしょう?
軽さは諸刃の剣。足がダル重な理由には要因が……

登山専門店に相談したところ、4つの要因を教えていただきました。
- 着地の衝撃で足に負荷が蓄積
- 長時間行動による筋肉疲労
- 不整地で歩行バランスをとる無意識の重心移動
- 登山シーンに適していない靴を選んでいる
特にその中でも、④の登山シーンに合っていない靴を履いている人が多く、足を支えられずにさらに疲れやすくなっているといいます。
一見、軽くて柔らかい靴のほうが、足が軽くて楽そうって思いますよね。
しかし、“軽くて柔らかい靴の弱点”として、衝撃を吸収しきれなかったり、不整地で足を支える力も弱かったりするため、疲労感が溜まりやすく足が重くなりやすいんです。
大切なのは、登りたい山の道をイメージしながら靴を選ぶこと

わたしたちは日常生活でも靴を履き分けています。たとえば、浜辺ではビーチサンダル、舗装路には街履き靴といったように、シーンに合わせて靴を選んでいますよね。
これは登山でも同じなんです。

登山道が整備された山、岩場が多い山、心地よい木道歩きの湿原など、登山にはさまざまなシーンがあります。それぞれのシーンに適した足を支える力をもつ登山靴を選ぶことで、ダル重な足の疲労を軽減できます。
大事なのは「足を支える力」。
「靴による違い」はそんなにあるの?2モデルを履き比べ!

そこで今回は、足を支える力(靴の剛性)が異なる2つの登山靴を履き比べて、歩きやすさや疲労感の違いをみていきましょう。
山で試したのは、登山靴の老舗ブランド「キャラバン」の「C1_02S」と「C1_DL MID」。
「C1_02S」がいわゆる一般的に”登山靴と呼ばれる、程よく硬くてバランスの良い登山シューズ。「C1_DL MID」が登山靴に比べると軽くて柔らかい”ハイキングシューズ”に該当するシューズです。
履き比べた靴 | ![]() | ![]() |
アイテム名 | C1_02S | C1_DL MID |
種類 | ライトトレッキングシューズ | ハイキングシューズ |
足を支える力(5段階) | 4 | 3 |
特徴 | ほどよく硬くて軽めのバランス型 | やわらかくて軽快な履き心地 |
アッパー素材 | 合成皮革 | ポリエステルメッシュ |
重量(片足) | 約590g | 約420g |
足を支える力の違いを確かめるために、実際に登山道を歩いてきました。

登山靴の比較をするために歩いたのは、2000m級未満の日帰り登山を想定し、コースタイムが約7時間で、3つの山頂を踏むアップダウンの多い健脚ルート。
樹林のなかの穏やかな登山道、緊張感ある岩場などさまざまなシーンがあらわれ、2種類の靴の違いを試すのにちょうどいいコースです。