フィルムカメラにしかない味や楽しみって?
長く伸びる稜線や静かな森、山を楽しむ仲間など山にはたくさんの絶景があります。そんな景色を切りとるためにカメラを持って山に登る人も。
最近では、デジタルカメラではなく、あえてフィルムカメラを使う人も増えてきていますが、その魅力ってなんなのでしょうか?
毎回さまざまなゲストとおすすめの山を一緒に歩きながら、+αの楽しみ方を教えてもらうこの企画。提供はスイス発の伝説的ブランド「ROGER EGGER(ロジャーエーガー)」です。
今回、山の楽しみを紹介してくれるのは……。
モデル 大石 学さん
1975年大阪生まれ。高校時代は甲子園を目指し岡山へ野球留学。
20歳の時に大阪でモデルデビュー。その頃から、祖父や父からゆずり受けたフィルムカメラでセルフポートレートやモデル仲間などを撮り始める。22歳の時に東京へ拠点を移し、さらにシンガポールや香港でも活動の場を広げていく。
バイクで日本各地を旅したのち、37歳の時に世界一周旅行の旅に出発。1年3ヶ月で48カ国の旅を終えたあとも、モデル業のかたわら、フィルムカメラを片手に日本の山や世界各地へ旅に出る日々。
フィルムカメラで切りとる、初冬の大菩薩嶺
大菩薩嶺は山梨県に立つ、日本百名山のひとつ。山頂からは抜群の展望が! と紹介したいところですが、実は最高峰は樹林に囲まれていて眺めはゼロ。
ですが、かつて「嶺(れい)」は「とうげ」と読み、大菩薩嶺=大菩薩峠を指していたんだとか。
その大菩薩峠からの眺めは、息を飲むような美しさ。見晴らしのいい稜線が南北に連なり、西には甲府盆地、その奥に南アルプス、南方面には富士山の端正な姿が迫ります。
そんな眺めを楽しみに、今回は登山が趣味の大石さんと、少し雪が積もった初冬の大菩薩嶺をハイキング。今回は上日川峠からスタートして、唐松尾根を登り、主稜線の展望を満喫して、介山荘から林道を下ってスタート地点に戻る周回コースです。

中腹の山小屋「福ちゃん荘」をめざして出発!
まずは、山頂から南西の中腹に位置する上日川峠から、コース上に建つ山小屋「福ちゃん荘」に向かいます。
大石さんは普段から山に登っていることもあって、足取りがとても軽やか。フィルムカメラを携えながら、グイグイ山道を登っていきます。
今回は12月中旬に訪れたため、スタート地点から雪が薄く積もっていました。積雪期に計画する場合は雪の状況を把握し、チェーンスパイクやアイゼンを用意しましょう。