夏山ウェアの「最適」レイヤリング、ちゃんと理解してる?
もし、夏山=半袖短パンと思い込んでいる方がいるならば、ちょっと待った。じつは夏山で快適に過ごすためには、夏ならではのレイヤリング(重ね着)が必要不可欠なんです。
わかっているようで、はっきり理解できていない人が多い夏山の「最適」なレイヤリングについて、ここで一緒におさらいしてみましょう。
今回は登山ガイドとして活躍するス-パ-スポ-ツゼビオSSXあすと長町店のスタッフ・穂積敏昭さんを先生役としてお迎えし、夏山山行を快適にしてくれるレイヤリングのポイントを伺ってみました。想定時期とルートは、梅雨が明けた夏の八ヶ岳でのテント泊山行。ご自分の装備と照らし合わせて、読み進めてみてください。
今回教えてくれた人は…
今回は、
【1】夏場の行動中
【2】雨が降っている時
【3】テント場
のレイヤリングのポイントをポールワーズのウェアを使って紹介してもらいます。
【1】行動中は「汗をかかない+肌の露出をしない」のが基本
まず、行動中のレイヤリングから考えてみましょう。ウェア選びで大事なことは、2つ。1つは「汗をかかない」こと。2つめは「肌の露出を最小限にする」ことです。

夏山では少し肌寒いと感じるくらいの格好でスタートするのが、ちょうどいいと思います。
歩き始めて5〜10分で最初の休憩を取り、ウェアの調整をする
穂積さんは、歩き始めてすぐに最初の休憩をとり、レイヤリングの調整を行うと言います。夏場は歩き始めてわずか5〜10分で最初の休憩をとるのだそう。
その日の気温や天候、体調などによって、各自にちょうど良い服装は変わります。そのためにも、なるべく早めに調整する時間をとることが大事なのです。

<ポールワーズのウェアで行動中のレイヤリング>
歩き始めは、ドライコンフォートメッシュアンダーウェアにフュージョンドライ ジップシャツを重ねたスタイル。稜線に出て冷たい風が吹いてきたら、エピックヘリウムジャケットを上に羽織ります。
ドライコンフォートメッシュアンダーウェア:エアホール加工が施されており、汗を素早く発散して汗冷えを防ぎます。
フュージョンドライ ジップシャツ:軽量でストレッチ性が高く、汗を吸い上げ拡散します。
エピックヘリウムジャケット:EPIC素材はほとんど水を吸わない性質があります。かつ、非常に軽くしなやかな素材のため、コンパクトに。
ドライコンフォートメッシュアンダーウェアを詳しく見るフュージョンドライ ジップシャツを詳しく見るエピックヘリウムジャケットを詳しく見る

行動中は半袖でもいい?歩き出しが2000mを超えたら長袖一択
真夏は、歩き出しが1000mくらいからなら半袖も選択肢ですが、2000mを越える登山口であれば、基本は長袖一択。もしくは、半袖+アームカバーの組み合わせを穂積さんは推奨しています。
その理由は、長袖が日焼けや虫刺さされを防いでくれるから。さらに、植物に触れた時のかぶれを予防する意味合いもあるのです。
ジップアップシャツはフロントの開け閉めで、温度調整がしやすくて便利です。
すぐにたためて収納しやすいウェアは、着脱の機会を逃さない
体温調整がしやすいウェアや、薄手でこまめな脱ぎ着が楽なウェアを選ぶと快適。

バックパックのポケットにくしゃっとしまっておけるくらい、薄くてコンパクトなのがいいんです。
脱いだウェアをサッとしまえるのがポイント。この作業が面倒になると、結局脱ぎ着しなくなってしまいます。
【2】雨天時は動作と音のストレスが軽いレインウェアが最適解
続いて、雨が降ってきた時のレイヤリングについて伺ってみましょう。夏は外側からの雨とともに、中からの汗やムレにどう対応するかがポイント。
基本は、余計なウェアを脱いでから着る

ウェアの透湿性などの機能を最大限に生かし、汗をかかないためにも、まずは余計なウェアを脱いでからレインウェアを着てください。
<ポールワーズのウェアで雨天時のレイヤリング>
穂積さんのおすすめは、
ドライコンフォートメッシュアンダーウェアにグラフィックTシャツ、
その上にデュアルフォース ストレッチレインジャケット+デュアルフォース ストレッチレインパンツの重ね着です。
グラフィックTシャツ:吸水速乾素材 DRY-Xを使用。サラリとした肌触りで快適。
デュアルフォース ストレッチレインジャケット・パンツ:防水透湿素材とは思えないほどの柔らかい素材感とストレッチ性があります。
夏に使うレインウェアはムレ対策を考えて透湿性を重視
防水性の高さはもちろんですが、レインウェアは他にどのような部分を比較して選べばいいのでしょうか。

ストレッチ性が高いので、膝の曲げ伸ばしなどの動作ストレスがありません。
グラフィックTシャツを詳しく見るデュアルフォース ストレッチレインジャケットを詳しく見るデュアルフォース ストレッチレインパンツを詳しく見る
レインウェアのストレッチ性で動作ストレスが変わる
ストレッチ性は、特にレインパンツ選びには重要な要素の1つ。伸縮性が低いパンツだと、突っ張ってしまって動きの幅を制限されてしまい、足上げが悪くなって疲れやすくなることもあるそうです。
そのため、ストレッチ性が低い素材のパンツは大きめのシルエットにデザインされていることが多いのですが、ストレッチレインパンツは伸びるので、やや細身で美しいシルエットも特徴です。

意外にストレスになる「雑音」。シャカシャカ音の出にくい素材という選択
また、素材が柔らかいため、ハードシェルにありがちなシャカシャカした雑音ストレスもほとんどありません。

出番が少ないウェアなので適当に選ばれがちですが、たまにしか着ないからこそ、特にレインパンツはこだわって選ぶべきだと思います。
ウェアの役割分担を理解すると、レイヤリングの「解」が見えてくる
ちなみに、レイヤリング全般に言えることですが、ウェアはそれぞれの役割分担を意識して重ねると快適性がグッとアップします。
例えば、ドライコンフォートメッシュアンダーウェアで肌から引き剥がした水分を、フュージョンドライジップシャツが吸収拡散させます。
レインウェアはその汗を外に透湿させて逃がしつつ雨を防ぐ役割をもつ、とイメージして選びましょう。
1枚のウェアに頼りすぎない。役割分担させることで、本領を発揮させてあげよう
アンダーウェアなしで、ジップシャツだけを着れば良さそうに感じるかもしれませんが、1枚のウェアだけでは吸収できる汗の量に限度があります。

