今年こそ、山でしか出会えない景色をキレイに残したい
こぼれるような緑に覆われた森、うねりながら続く長大な主稜線、眼下に沈む幻想的な雲海、一日の始まりと終わりをドラマチックに演出する朝日と夕日など。
山登りで出会う風景は、日常では目にすることができない絶景ばかり。目を凝らして脳裏に焼き付けようとしても、時とともに薄れる記憶を留めておくことはできません。
いつかの思い出を振り返るために、感動の瞬間を写真に収める方は多いでしょう。最近はスマートフォンの進化が目覚ましく、ボタンひとつでキレイな写真を撮影できるようになりました。
スマートフォンで満足できなくなったら?
ただ、スマートフォンにも限界があります。
たとえば、遠くの山や梢にとまった野鳥などを撮影するとき、ズーム機能を使うと画像が粗くなった経験はないですか?ほかにも、被写体が浮き上がるように背景がボケる写真、夜景や星空など夜間の撮影も少々苦手。可憐な高山植物の間近に迫る撮影にも対応していない機種が多いです。
撮影が楽しくなると「もっとキレイな写真を撮りたい」と欲が出るのは自然な流れ。
そろそろ、一眼カメラに手を出す時期?
そんな願いを叶えてくれるのが、一眼カメラ。
超望遠撮影、背景をボカす撮影、星空撮影、マクロ撮影など、一眼カメラは望み通りの表現ができるのが魅力です。
でも…。一眼カメラって、山で邪魔にならない?
ただ、スマートフォンに慣れていると、一眼カメラは重く荷物に感じてしまいますよね。
さらに、高価な機材なので「岩にぶつけたらどうしよう」「雨で濡らしたらどうしよう」など、破損や故障が気になって、山に持ち出す気になれないことも。
そこで今回は、さまざまな一眼カメラの携行方法を検証して、安全性や使い勝手などを確かめてみました。
登山では、どんなスタイルで持っていくのが快適?
テストで確かめた項目は以下の4つ。それぞれ5点満点で評価します。
テストした携行方法は以下の3つになります。
「ホルスター」は、道具などを収めて身につけられるケース、鞘(さや)という意味です。
登山ではカメラバッグよりも「身につけられる」ケースが必須。それではひとつずつ見ていきましょう!
【1】何より安全。カメラケースに入れて登る
まずは肩がけ式のケースに入れる方法です。
ケースは足元が不安定な岩場などが現れない、比較的な安全なコースで使うといいでしょう。天気予報がはっきりしない場合はケース一択になるかもしれません。
【2】素早くカメラを取り出せるカメラホルスター
次に試したのは、腰に巻いて使うカメラホルスター。首にかけたカメラのレンズをホルスターのループに差し込んで使います。
こちらもケースと同じで、広い尾根を歩くような比較的な安全なコースで使うといいでしょう。天気の心配がなければシャッターチャンスを逃さず撮影を楽しめます。
【3】安定感&視認性◎。クリップタイプのホルスター
最後は、クリップタイプのカメラホルスター。ショルダーストラップに固定したアタッチメントにカメラを取り付けて携行してみます。
カメラを使用するときは、アタッチメントのボタンを押してロックをリリースします。
今回試したなかでは、この方法がいちばんおすすめ。何かにぶつける心配も少なく、足元の視認性も良好なので、比較的フィールドを選ばずカメラを山に持ち運べるでしょう。
高機能なのに軽いミラーレス一眼なら、気軽に山に持って行ける
好みのカメラの持ち歩き方法が見つかったら、今度はカメラ本体にも目を向けてみましょう。近年は「ミラーレス一眼」と呼ばれるカメラが高機能とコンパクトさを兼ね備えているため、人気です。
シャッターボタンを押したときに内部で跳ね上がるミラーの仕掛けを省いているので、使用するパーツが少なくなります。
そのため、デジタル一眼の高機能を継承しつつも、本体のサイズを小さくできて重量も軽い。登山にぴったりの高機能カメラがミラーレス一眼といえるでしょう。
Canonの新作・EOS R10。今、一番、山で使いたいカメラ
そんなミラーレス一眼に、カメラのトップメーカー「キヤノン」から最新モデルが登場しました。その名も「EOS R10」話題の小型・軽量ミラーレス一眼です。
トップメーカーが満を持してリリースしたモデルだけあり、カメラ初心者から上級者まで満足する機能を漏れなく搭載。にも関わらず、ミラーレス一眼らしく山に持っていきたくなる納得の「軽さ」で仕上がっています。
持っていく「甲斐」のある高機能。なのに、軽い
当然ですが、スマートフォンより被写体がキレイに写ります。超望遠や夜間撮影でも、空気感まで伝わってくるようなシャープな写真を撮影でき、一度使うとスマートフォンには戻れません。
それを実現しているのが、キヤノンの「EOS R」シリーズでは初となる、最大約2420画素の「APS-Cサイズ」(※01)のCMOSセンサー(※02)です。
「APS-Cサイズ」は、一般的なスマートフォンが搭載する1/2.3インチのセンサーと比べると面積が約13倍も広いため、より多くの光を集めることができ、豊かな階調表現で被写体を繊細に描写します。
センサーサイズの大きさは夜間の撮影にもメリットがあり、十分な光を取り込めるので、画像が粗いと感じる「ノイズ」の発生を抑えて被写体を写すことが可能です。
抜群の描写力を誇りながら、「EOS R10」はバッテリーとSDカードを含むボディーの重量が約429gしかありません。
「EOS R10」は、エントリー向けの「EOS Kiss X10」に比べても20g軽くなっています。小型・軽量ボディーに高機能を詰め込むメーカーの技術力の高さが伺えます。
揺れる植物にも素早くピントが合うオートフォーカス機能
オートフォーカス(以下、AF)も高機能で、AFの領域を広げると、風で揺れる花や梢にもボタンひとつで瞬時にピントが合い、テクニック不要で簡単に撮影できます。
さらに、被写体を自動で追尾するトラッキング機能と、最高で約23コマ/秒(1秒に23回シャッターを切れる)の高速連写も搭載しているため、たとえば羽ばたく野鳥など、躍動感ある写真も撮影可能です。
ローアングルやハイアングルでも撮影しやすい
操作性も優秀で、搭載する3.0型の大型モニターがパカッと開いて前後に回転するため、カメラを高い位置に構えるハイアングルや、低い位置で撮影するローアングルも非常にラク。無理のない姿勢で望み通りのアングルを狙えます。
さらに、モニターはタッチパネル対応なので、指先ひとつでさまざまな設定をメニュー画面から変更可能。サクサクと操作でき、煩わしさを感じません。また、三脚を使う撮影では、任意の被写体に指先でピントを合わせることも可能です。
アプリ経由でスマホ連動
もちろん、Wi-Fi機能も搭載しているので、専用アプリでスマートフォンと連携すれば、撮影した瞬間から写真をスマートフォンに転送可能。取り込んだ写真はその場でSNSなどに投稿できます。