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その雪山ルート、自分に合ってる?ガイドに聞く山選びとそのリスク【雪山チャレンジ・計画編】(2ページ目)

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夏山にはないリスク、まだまだあります

出典:PIXTA(雪庇)

寒さ以外にも、雪があることで「登山道を見失って遭難しやすい」「滑落しやすい」「雪崩に遭いやすい」などのリスクが雪山にはあります。すばらしい景色を前に達成感や感動を味わい無事に下山するためにも、こうしたリスクに対する知識を深めておきましょう。

・ルート上で起こりうるリスク

滑落、雪崩、雪庇
・天候によるリスク
低体温症・凍傷、雪目、ホワイトアウト
馬目
馬目
リスクをできる限り避けるようにして案内するのが、私たちガイドの役目ですが、そういったリスクの存在を把握しておくことは、雪山のレベルアップに欠かせません。滑落に関しては、歩行技術を習得することで軽減することができます。
今回の八ヶ岳山行で、アイゼンとピッケルの使い方をしっかり学ばせてください!
内山
内山

小さな違和感や不安は、すぐに伝えよう

撮影:松元麻希

リスクが多くある雪山だからこそ、小さな違和感や不安はすぐにガイドや仲間に伝えることも大切だという馬目さん。

馬目
馬目
自分がどんな状態なのかということを、遠慮せずにガイドや同行者に伝えることが大切。仮にガイドと同じ装備をしていても、感じ方は違うはず。積極的に弱音を吐いてほしい。そこはワガママになっていいんです。
「大丈夫?」と聞かれたら、つい強がって「大丈夫です」って言っちゃいますね。限界を超えると、いよいよ無言に……(笑)。山ではワガママになれるように、心がけます。
中村
中村

靴擦れは意外なリスク。事前のサイズ合わせをしっかり

アイゼン

出典:PIXTA

実際に雪山に入ると起こりうるリスクもあります。一つは疲労。体力が落ちれば、通常なら問題ないルートもリスクが高まります。そして、注意をしておきたい意外なリスクが、靴擦れ。事前のサイズ合わせも大切ですが、違和感を感じたら痛くなる前に絆創膏を貼るなど対処が必要です。

馬目
馬目
冬靴の場合、いつもよりも少し大きめの靴を履きます。ソールも硬いので、歩き慣れてないと靴擦れが起きやすい。真冬の稜線上で「靴擦れしました」って言われても、すぐに対処ができないので、痛みがひどくなる前に対処できるのがベストです。
少しでも違和感があったら、馬目さんにお伝えするように気を付けないと!
荻原
荻原

トイレが気になっても、血行不良にならないようにしっかり水分をとる

ビバーク

出典:PIXTA

山行の距離が長くなればなるほど、気になってくるのがトイレ問題。トイレが近くなることを恐れるあまり、水分を摂る量を減らしてしまうと、末端への血行が悪くなって、凍傷のリスクが高まるという悪循環に!勇気をもって、トイレに行きたいと感じたらすぐに意思表示をしましょう。

馬目
馬目
ガイド時は、ツェルトという簡易テントを持って行きますので、そのなかで用を足してもらうことができます。

山を選ぶ基準は?自分に合った山はどう選ぶ?

撮影:松元麻希

目指す山を選ぶ際にはまず、ビギナー同士で行くのか、ベテランと行くのかによって異なります。YAMA HACK編集部として雪山初心者におすすめなのは、ベテランやプロガイドと一緒に行くこと。それを前提に、馬目さんが考えるステップアップの流れを教えてもらいました。

転んでもケガしないような山を選ぶ

北横岳

出典:PIXTA

滑落したら命を落とす危険があるような場所では、ガイドとロープで繋がっていても、足を滑らせてしまったら危険であることに変わりはありません。まずはアイゼンやピッケルなどの道具に慣れるために、転んでも大ケガをするリスクが低い、樹林帯が多い山やなだらかな稜線などを歩くのがおすすめです。

馬目
馬目
まずは平らな場所で、スノーシューを履いて雪のなかで行動することに慣れてみる。それからアイゼンやピッケルを使って、たとえば八ヶ岳の硫黄岳のような山を登ってみるのがよいかもしれませんね。

雪山デビューを飾るなら、初冬の新雪期からがおすすめ

撮影:松元麻希

「雪山」と一口にいっても、時期によって雪のコンディションはまったく異なります。大きくわけると、11月末~12月の新雪期、1~2月の厳冬期、3~5月中旬頃の残雪期の3つ。それぞれの時期によって、見える景色はもちろんのこと、歩くうえで考慮すべきリスクも変わります

馬目
馬目
一番難しいのは、やはり厳冬期ですね。まずは初冬の新雪期から始めるのがおすすめです。それから厳冬期を経験して、残雪期とステップアップするのがいいと思います。

<時期別の雪の特徴と山行のポイント>

馬目
馬目
残雪期は、厳冬期よりも歩行技術が要求されるので、雪崩が少ないからといって安易におすすめできない時期です。

アイゼンやピッケルを使えるかどうかが行き先を決める!

各アイテムにストレッチ性があるため3枚重ねでもストレスなくピッケルを握ることが可能

撮影:washio daisuke

山を選ぶうえで、自分自身の体力を適切に判断することも需要です。同じ距離を歩いても、アイゼンを装着していたり、防寒着なども増えて重さがアップしたバックパックを背負っていると、夏山と比べて疲労感が増すことは間違いなし。自分の体力を把握するためにも、短い距離からルートを設定してみましょう。

そしてなにより、ガイド同伴の有無に関わらず、アイゼンとピッケルを使えるかどうか、つまり滑落の危険性がある場所でも転ばずに通過できる技術があるかどうかで、歩けるルートの選択肢は異なります。

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