34回開催で完走者は15人だけ!前代未聞の過酷なレース「バークレーマラソン」に挑戦し続ける男

トレイルランニングがポピュラーな存在になり、各種レースが開催されるようになった今、より過酷な世界を求めるコアなランナーが登場するようになりました。そのひとりがハード極まるレースに出場し続けている“ウルトラランナー”の井原知一さんです。そんな井原さんのキーワードであり、現在の目標は、「100miles 100times」。なにしろ「100miles」といえば約160キロ。それを「100times」、つまり「100回」走ろうというのですから、常人には頭がクラクラしてきそうです。

アイキャッチ画像:©Sho Fujimaki

100マイルレースの常連が「夢の墓場」と呼ぶレースがある

井原知一さん
©Sho Fujimaki
「100miles 100times」をテーマに、過酷なウルトラランニングに取り組む井原知一さん。これまでに井原さんが完走した「100マイル(約160km)」レースは49回、途中リタイアはたった2回だけというから驚きです。その2回は、ともに容赦なしの過酷すぎるレース「バークレーマラソン」のとき。
昨年に引き続いてエントリーした今年3月も、井原さんは完走できませんでした。

「なにしろ1986年に始まってから、34回で15人しか完走者がいないんですよ! 僕も当初は“オレだったら完走できる”という根拠のない自信でエントリーしましたが、昨年はたった1周でリタイア。今年こそと思いましたが、今回も3周だけ……。あれは夢が崩れる墓場です(笑)」

「お悔やみ」が届けば参加可能!?独特すぎるルールとは

バークレイマラソン、スタートの瞬間
©Sho Fujimaki
バークレーマラソンは、アメリカ中部・テネシー州の荒野のなか、1周50キロのコースを5周、つまり250キロを制限時間60時間で走破するという超ハードなレースです。

コースといっても目印があるわけではなく、顔に土がつきそうな斜面を這い上がり、ウェアがボロボロに破けるほどのヤブを通り、昼夜を問わずに進んでいくというもの。
想像するだけで気が遠くなりそうです。

©Sho Fujimaki
「エントリーするためには、“バークレーを走りたい”という気持ちを込めたエッセイを英語で提出します。その思いが主催者に認められると、後で“お悔やみ”のメールが来るんですよ。

残念ながらバークレーに当選しました。~(中略)~来てもいいことはひとつもありませんが、お待ちしています。

こんな感じでね(笑)」

悪天の中のレース

©Sho Fujimaki
バークレーマラソンはただハードなだけではなく、ほかにもユニークなレギュレーションがあるそうです。

「1周のなかに13~15か所、ヤブの中に本が隠されているんです。出場者は地図を読んで、その本を探し、自分のエントリー番号のページを破ってこなければならないんです。その手間が大変で……」

決められたページを破る
©Sho Fujimaki
トータルでの制限時間以外に、1周ごとの制限時間も設けられ、出場者42名で1周目を突破したのは28名のみ。その後、3周目に突入したのは6名のみ。4周目にはたった2名になり、完走者はゼロという結果でした。

©Sho Fujimaki
途中リタイアとはいえ、井原さんは3周目に入っているわけですから、少なくても42名中6番目以内という成績。世界中から集まったツワモノを相手に、この成績は十分に誇れるのではないでしょうか。もちろん井原さん本人は満足できず、また来年も出場を目指しているそうですが……。
ボロボロになった足
©Sho Fujimaki

10年前は「肥満」だった

井原さんがフィールドを走り始めたのは、わずか10年前のこと。それまでは学生時代にサッカー、社会人になってからサーフィンを楽しんでいたものの、本格的なランニングとは無縁の生活でした。
井原知一氏
撮影:YAMA HACK編集部
「そのころはアメアスポーツジャパンというスポーツ系の会社に勤めていましたが、かなり太っていましたよ(笑)。僕の担当はトレッドミル(ランニングマシーン)で、あるとき “トレッドミルを使い、3カ月でどれくらい体重が落ちるか“ という企画が持ち上がり、僕も挑戦することに。そして終わってみると、毎日走らないと気持ち悪くなっている自分に気付きました。そこで、次の目標を探し、僕の勤務先も協賛していたトレイルランニングの大会”斑尾フォレスト“へ出場することにしました。2008年でしたね」

ぶっつけ本番で出場するわけにはいかないと、それからの井原さんのトレーニングには熱が入り始めました。
陣馬山
出典:PIXTA
「あるとき、いっしょに出場する人と、陣馬山あたりを走りに行ったんです。その日はとても晴れていて、小鳥がさえずり、土のにおいも漂って、少年のころに戻ったようで……。 まるでイナヅマのような衝撃を感じるほど、とにかく楽しかった! それで山を走ることにのめりこんじゃいましたね

井原さんはエントリーした15キロコース(当時)を無事に完走。しかし、その満足感よりも印象的だったのは、50キロコースに出場しているランナーのカッコよさでした。

井原知一氏
撮影:YAMA HACK編集部
「憧れましたね。それから月に400キロ走るのを目標にトレーニングしました。あるときは月末にまだ310キロしか走っていないのがわかり、最後の週末にジェルとサイフだけ持って、多摩川沿いを一気に90キロ走りましたよ。翌日、会社に行くのがつらかったですが(笑)。長距離レースに出場するようになると、僕は距離が長くなれば長くなるほど、速く走れることがわかりました。いつしか憧れの有名選手も抜けるようになり、それで完全にウルトラランニングにハマったんです。そしてとうとう、まずは自主的に100マイルを走ってみました。」

“100miles 100times”は50歳で完結。その後は・・・?

こうして現在の井原さんのキーワードである「100マイル」への挑戦が始まりました。レースへの初出場は、2010年の「T.D.T.100MILE」。多摩川の河川敷を走る大会でした。

「さまざまな100マイルのレースを走り続けているうちに、“100マイル×100回で、10000マイラーを目指そう”と思い始めたんですよ。現在の残りは51本なので、1年に6~7本出場する計算で、残り8年くらい。僕は今42歳なので、50歳くらいで“100miles 100times”は完了しますその後は”200miles 200Times”をやろうとかと。そうすると年5本でも90歳ですね(笑)」

井原知一氏
撮影:YAMA HACK編集部
井原さんによれば、ウルトラランニングは「体力やフィジカルが20%、経験値やメンタルが80%」。一般のイメージ以上に、気持ちの問題が大きいそうです。
井原知一氏
撮影:YAMA HACK編集部
「心が折れそうでも、足が痛くても、眠くても走り続ける。頭ではそんな過酷さを理解していても、体と心もシンクロしないとウルトラランニングはできないんです。それがおもしろさであり、難しさ。いつも今回こそ“完璧な100マイル”にしようと思いますが、何かハプニングがあってうまくいかない。おそらく100回走っても、完璧な100マイルはないのです。だからこそ楽しいんでしょうね

井原さんのランニングの相棒は?

ところで、先に述べたように井原さんが勤めていた会社は、アメアスポーツジャパン。スントやアークテリクス、サロモンなどのアウトドア系ブランドを傘下に持つ登山者にはなじみ深い存在です。走ることに専念するために退職した井原さんは今も愛着を持ち続け、現在のレースやトレーニングはスントのリストコンピューターを相棒にしています。

「以前働いていたことを抜きにしても、スントはすばらしいですよ。当初は“T1”や“T3”、その後は”アンビット”や”スパルタン”。そして今は“SUUNTO9”を愛用しています」

[SUUNTO 9 Baroの詳細ページへ】

SUUNTO9
撮影:YAMA HACK編集部
これだけスントの製品を使い込み、進化してきた姿を知っている人はほとんどいないでしょう。

「以前はパソコンにつながないとトレーニングデータを確認できませんでした。しかもソフトをダウンロードする必要もありましたが、今はアプリさえ立ち上げれば、自動的に無線でデータがスマートフォンに移行し、簡単に管理できます。こんなことができるなんて、少し前だと考えられないですよね(笑)。今使っているSUUNTO9もすごいですよ。バッテリーがダンゼン長持ちするようになったんです。僕のように長時間行動をする人間には非常に便利で、ますます使いやすくなりました」
井原知一氏
撮影:YAMA HACK編集部
SUUNTO9のバッテリーの最大駆動時間は120時間。一般の登山者が数日かけた縦走をしても、最後までログをとることができ、使い勝手はますます向上しています。以前のモデルのように途中で記録が取れなくなったり、モバイルバッテリーを持参して再充電したりという手間がなくなりました。

「それにSUUNTO9がいいのは、仮にバッテリーがなくなりそうになっても、バッテリー駆動時間を延ばすためにセーブモードに切り替えることを時計が知らせてくれることです。これはウルトラランニングに限らず、普段のトレーニングでも大いに助かっています。もちろん登山のときにも安心です」

これまでにバッテリー切れを恐れて、長期山行のときにはログをとるのを諦めていた登山者も多かったはず。しかし、SUUNTO9なら、そんな心配とは無縁です。
井原知一氏
撮影:YAMA HACK編集部
SUUNTO9はバッテリー以外の機能も間違いありません。コンパスや気圧、標高といった登山の際に重要な基本機能に加え、心拍数やGPSログも計測でき、しかも-100mまでの耐水性を誇ります。軌道と距離の計測の精度もアップし、タッチパネルで直観的に使えるのもうれしい点です。井原さんのようなウルトラランナーが頼るほどの存在ならば、趣味で山を歩いている人はますます重宝するでしょうね。

ITEM
SUUNTO9 Baro
主な機能:時刻表示/心拍・消費カロリー・正確な高度計測・速度・距離・方角/ルートナビゲーション/スマートフォン着信通知
液晶/画面操作: カラーディスプレイ/タッチパネル・ボタン操作
防水: 100m/10気圧防水
電池: 専用バッテリー(USB充電式)
駆動時間: 約25時間 (25時間/精度BEST、40時間/精度GOOD、120時間/精度OK)
サイズ: 50m×50×15.8mm
保証期間: 2年


[SUUNTO 9 Baroの詳細ページへ】

この記事を読んだ人にはこの記事もおすすめ!


提供:SUUNTO

文:高橋庄太郎

YAMAHACK 編集部
YAMAHACK 編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

 

LINEでYAMA HACKをもっと手軽に。

登山用品から登山・トレッキングまで山に関する情報を毎日配信!
LINE友達限定の毎月当たるプレゼントキャンペーンも開催中!