【県北エリア】
眺望最高!百名山を登り、意外な宮崎グルメを堪能

登山好きの方の中には、全国にある日本百名山を巡っている人も多いはず。そのうちの2座、「祖母山」と「韓国岳」は宮崎県にあります。
濃密な自然林と360°の大パノラマが広がる祖母山は、県内最高峰を誇る山。せっかく宮崎を訪れたらその頂を踏もうと、まずは高千穂町へ向かいました。
宮崎県で一番高い場所「祖母山」

祖母傾山系に属する「祖母山(そぼさん)」は、日本百名山のひとつで、標高1,756mと宮崎最高峰を誇る山。
祖母という名前は、初代天皇である神武天皇の祖母・豊玉姫が祀られていることに由来するそうで、「姥岳(うばたけ)」とも呼ばれています。
宮崎と大分の県境をまたぎ、南西に長い尾根を連ねた、たおやかな山容で、急峻な岩壁が見られる大分側に対し、宮崎側は比較的緩やかな斜面が広がり、登山道には初心者や子どもの姿も多く見られます。
北谷登山口からスタート
最高点の標高: 1707 m
最低点の標高: 1090 m
累積標高(上り): 1083 m
累積標高(下り): -1083 m
宮崎県側からアクセスできる登山口は「北谷登山口」で、ここから山頂を目指すコースは2つあります。今回は千間平コースから山頂を目指し、下山は風穴コースを歩く周回ルートを歩きました。
- 千間平コース(山頂までの距離:約4.5㎞、参考コースタイム:3時間)
千間平の広い尾根歩きが楽しめる緩やかなコース。途中、祖母山九合目小屋に立ち寄ることもできる(トイレの利用可)。初心者向き。
- 風穴コース(山頂までの距離:約3㎞、参考コースタイム:2時間30分)
全体的に勾配がきつめのコース。ハシゴや鎖場、沢などバリエーションに富んだルートが楽しめる。中・上級者向き。
※冬期は凍結する可能性があるためアイゼンが必要です。天候や登山道の状況は事前に確認しましょう。
展望も楽しめるまったり【千間平コース】

スタートして1時間ほどは樹林帯の急な登りが続きます。いきなり息が上がりますが、コース上には1合目、2合目と記された道標が立っているので、ペース配分やモチベーションをキープできるのはありがたい。

一つ目の分岐まで一気に登ると、そこから国観峠までは緩やかな尾根歩きが待っています。
4合目を過ぎた辺りには、左手に展望台へつづく道が出現。ちょっとだけ寄り道すれば、ものの数十秒で疲れも吹き飛ぶ美しい展望が。

トレイルに木漏れ日が差す心地よいブナ林を抜け、国観峠で頂の姿を捉えると、祖母山の登りは胸突き八丁に差し掛かります。
急坂を登って山小屋のある9合目まで来れば、山頂はもう目の前!
山頂は360°広がる大パノラマ

最後のガレ場を越えて、ついに山頂へ到着!
広々としたスペースには視界を遮るものが何もなく、北西には阿蘇山、くじゅう連山に竹田盆地が。南側には障子岳や古祖母山などの祖母傾山系、宮崎平野と、ダイナミックな景色を眼下に望むことができます。

日本近代登山の父と称されるウォルター・ウェストンが、著書で祖母山の展望を賞賛したのも納得です。
ライター平野
熊本県・大分県・宮崎県が一望できました!山頂まで登って来たご褒美ですね!

出典:日光植物園
ちなみに頂上付近では、祖母山で初めて発見された希少種「ウバタケニンジン」が自生しており、タイミングが合えばお目にかかれるかもしれません。
ハシゴ&鎖場のスリルな道が楽しい【風穴コース】

風穴(ふうけつ)コースを下り始めると、祖母山コースの景色とは打って変わってトレイルはゴツゴツした岩場に。足場も悪く、急坂を鎖場や長いハシゴを使って慎重に下ります。
初心者の方は、こちら側から降りず祖母山コースを往復した方が安心でしょう。

中腹あたりで、大きな2つの岩の間に生じた風穴を発見! 奥行き20mの風穴から立ち込める天然のクーラーが、ほてった体を冷やしてくれました。
岩場を終えるとトレイルは沢沿いに伸びていき、心地よいせせらぎが辺りをこだまします。何度か渡渉をする場面(基本的には丸太が架けられています)もあり、程よいスリルを味わったら、あっという間にゴール!
より変化に富むアスレチックな登山を楽しみたい人は、風穴コースにぜひチャレンジしてみましょう。
YAMA HACK伊藤
下りはアスレチック感があって、バリエーションが楽しめました!歩きやすさ重視の方は千間平コースをピストンするのがおすすめです
チキン南蛮発祥の地でカロリー補給!

下山後は、お楽しみの罪悪感なきカロリーチャージ。宮崎の郷土料理といえばチキン南蛮なので、せっかくなら発祥の地でいただこうと延岡市を訪れました。
甘酢だれの「むね肉」は宮崎ならでは

先代の後藤直さんが修行した洋食店「ロンドン」のまかない料理が、チキン南蛮のルーツと言われている
チキン南蛮の一般的なイメージは、「もも肉」の唐揚げにタルタルソースをかけたものですが、甘酢だれに漬け、こだわりの衣で揚げた「むね肉」こそ、宮崎県民が愛する「元祖チキン南蛮」なのです。
元祖チキン南蛮が食べられるのは、JR延岡駅から徒歩3分のところに店を構える「直ちゃん」。地元の人々でにぎわう店内に入り、さっそくお目当てを注文。まるでトンカツのような姿に驚きながら、いざ実食!
ライター平野
マイルドな甘酢だれがしっかり染みてて美味しい!
むね肉なら登山後にタンパク質を取れるし、ヘルシーな点もうれしいですね
YAMA HACK伊藤
ふわふわ、サクサク食感もたまらない! 小麦粉をまぶしてから卵液に漬けて揚げるこだわりも、元祖ならではらしいですよ
【県央エリア】
まるで異世界?な低山と、南国気分を楽しむ

宮崎ブーゲンビリア空港を擁する県央エリアは、そのアクセスのよさから限られた時間で思い切り遊びたい人におすすめの場所。
木崎浜や青島など南国情緒漂う観光リゾートだけでなく、地元の登山フリークに愛される個性的な低山も楽しめます。
奇岩がそびえるユニークな低山「双石山」

宮崎市にある「双石(ぼろいし)山」は、県内でも随一の人気を誇る低山。宮崎の中心市街から車で約30分と好アクセス、さらに一年を通して登れることから地元のハイカーも足繁く通っているそう。
ユニークな奇岩や巨岩がそびえ、異世界へトリップしたような景色に出合える双石山は、低山とは思えない感動に満ちていました。
登り応え抜群!低山と侮るなかれ

かつての海底が隆起し、砂岩や礫(れき)岩が幾重にも連なった地質構造ゆえ、ぼろぼろと崩れやすいことから、「ぼろいしやま」と名付けられたそう。64ヘクタールに広がる天然広葉樹林は、国の史跡名勝天然記念物に指定されています。

県道27号宮崎北郷線の道路脇に見える小谷登山口からスタート。駐車場は15台ほど駐車可能、トイレはないので注意
標高は509mと低山ながら、険しい岩場やアップダウンがつづく尾根筋など登り応えは満点!尾根道の一部はトレイルラニングのコースとしても人気が高く、山頂へのルートもバリエーションに富んでいるため、初心者から上級者まで幅広く楽しめます。
ただし、滑落や道迷いによる遭難が多い山でもあるので、ルートの確認や装備など事前準備はしっかり行いましょう。
小谷登山口コースを歩く
最高点の標高: 482 m
最低点の標高: 103 m
累積標高(上り): 437 m
累積標高(下り): -437 m
奥の院コース、行者コースなど上級者向けのコースもありますが、今回は見どころの多い王道の小谷登山口コースを往復しました。
小谷登山口コース(山頂までの往復:約5㎞、参考コースタイム:約4時間 )
天狗岩、空池など双石山の魅力を満喫できるクラシックなルート
樹林帯に入る際に分岐があり、右側に行くと「象の墓場」〜「三段ハシゴ」と続くルートへ、左側に行くと「天狗岩」〜「空池」と続くルートに。行きと帰りでルートを変えると、効率よく見どころを押さえられます。
自然が生んだ岩のアートは圧巻!

登山口から30分ほど歩くと、目の前に突如現れる奇妙な姿の巨岩が「天狗岩」です。垂直にそり立つ岩肌をよく見てみると、これは塩類風化※によって生まれた「タフォニ」という無数の孔が空いています。これは国内最大級のタフォニで、アーティスティックな造形美はまさに圧巻!
※岩の表面から水が蒸発する際、水に溶けていた塩類の結晶により岩が破壊される現象

天狗岩の脇をロープで登りきると、すぐまた足元に不思議な空間が広がります。切れ立った岩壁が両脇に迫る「空池(そらち)」は、まるでファンタジーの世界に迷い込んだよう。巨大なチョックストーンの門をくぐり抜ける瞬間もドキドキです。

空池を通過した先にある三段ハシゴを降り、かつてロッククライミングのメッカだった「象の墓場」へ。凹凸やクラックがたしかに象の鼻の形に見えるような…?
岩壁の下へ足を踏み入れると、時が止まったかのような静寂と神秘的な雰囲気が漂い、その迫力にただただ圧倒されます。
気持ちいい尾根歩きも

しばらくは滑りやすい岩場の急登を、ロープを使って慎重によじ登っていきます。第二展望台を過ぎた辺りから道幅が広がり、気持ちのいい尾根歩きに変わりました。
落ち葉が敷きつめられたふかふかのトレイルに、自然と足取りも軽くなる。細かいアップダウンを経て1時間ほど歩いたら、ついに山頂へ到着です!

南国ムードを満喫しながらランチ

双石山を下りた後は、空港まで車で約15分の人気観光スポット「青島」へ移動。宮崎らしい南国情緒漂う最高のロケーションで、地元の食材をふんだんに使ったランチに舌鼓を打ちました。
ビーチを横目に、地元の食材を頬張る

訪れたのは、青島海浜の目の前に建つダイニングカフェ「COAST LIFE」。潮風がそよぎ、宮崎の美しい海を間近に感じられるテラスに腰を掛け、宮崎の食材を使った料理を堪能しました。
YAMA HACK伊藤
日南鶏は外の皮はパリッと、身はぷりぷりに柔らかくて至福…。採れたての野菜はほんのり甘くてみずみずしい!
どこで食べても野菜が美味しいのが印象的でしたね。
ライター平野
ザ・リゾートなロケーションで、山の疲れも癒やされます。
クラフトビール「青島サーフエール」はお土産に購入!
個性豊かな山々と、美食を味わう宮崎旅へ!

宮崎県ならではの山と食を欲ばりに味わう旅はいかがでしたか?
県内最高峰から望む大パノラマが魅力の日本百名山「祖母山」、芸術的な奇岩がそびえる宮崎市のシンボル「双石山」をはじめ、宮崎にはまだまだ魅力的な山がたくさんあります。
食欲の秋、行楽の秋。温暖で過ごしやすい秋の宮崎を訪れて、個性豊かな山々と、”てげうめぇ”グルメを味わい尽くしましょう!
\山インフルエンサーのshioriさんのInstagramでも、宮崎県の他エリアを紹介中!/
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