「透明なSUM、あなたなら何を入れる?」

冒頭でも触れたように、中身が透けて見えるからこそ、「何をどう入れるか」まで楽しめるのが、このバックパックの面白いところ。いつもの山道具も、SUMに入れると見え方が変わります。
今回、大迫と橋爪がそれぞれのスタイルでSUMをパッキングしてみました。道具選びのこだわりや、収納の工夫、見た目の楽しさまで、使う人によって個性が出る“透けるバックパック”ならではの遊び方を紹介します。
SUM35|大迫のテーマは「山でチルタイム」
「山をのんびり楽しむ」がモットーの大迫がテーマとするのは「山でチルタイム」。日帰り山行でありながら、ハンモックやコーヒーセット、本まで忍ばせた、山時間をゆったり楽しむパッキングです。

編集部 大迫
エスケープヴィヴィをパックライナーとして使用しているのもこだわりポイントです。
万が一に備えて、日帰り山行でも一晩過ごせる装備として忍ばせておけるうえ、ヴィヴィが透けてデザインのアクセントに。実用性と見た目の楽しさを両立できるところが、個人的にツボでした。
ライター 橋爪
「山をゆったり楽しむ」という意図が表現されていて面白い!
“チル”だけでなく“安全意識”が同居しているのが、山慣れしている人のパッキングだなと思いました。
こんな使い方もアリ!

また大迫は、防水パックライナーを“バックパック上部に外付けする”という、ちょっと意外な使い方も発見。荷物を少し増やしたいときの拡張スペースとして活用できそうです。SUMならではの自由度を感じるアレンジでした。
編集部 大迫
「山で遊ぶ」みたいな少しリラックスした視点で考えると、いろいろと工夫ができそうです!
SUM45|橋爪のテーマは「LOVE 信州♡」
長野県に在住する橋爪のパッキングテーマは「地元愛」。テント泊を想定し、ご当地ラーメン店の保冷バッグに夕食を忍ばせ、夜の乾杯には八ヶ岳の地ビールをチョイス。山で過ごす時間にも、地元の味や空気感を持ち込むのがこだわりです。

ライター 橋爪
テント泊では星空を撮ることが多いので、サイドポケットに三脚を収納しています。「スペクトラ」ストレッチ素材がしっかり伸縮してくれ、嵩張りやすいギアも収まりやすい仕様。
コンプレッションコードによる固定も可能で、テントポールやトレッキングポールを入れるにもストレスがなさそうです。
編集部 大迫
信州の味を山に持ち込むという発想がいいですね。SUMはギアの色や形だけでなく、こうした人柄やこだわりまで見えてくるのが面白いところだと思いました。
でも、ビールは瓶より缶の方が安心では?
ライター 橋爪
まったくその通りです。(笑)
あと、ビールのように重量のあるものを外側に配置しすぎると、背負ったときのバランスに影響が出やすくなります。見た目のアクセントとしては面白いですが、入れすぎには注意したいところです。
こんな使い方もアリ!

SUM45にのみ、背面上部にストレッチポケットが配置されています。ショルダーハーネスの付け根付近にあるデッドスペースを活かしたつくりで、行動中でもパックを下ろさずにアクセスできて便利でした。
山行スタイルに合わせて変えられる、自由度の高さ

用途や好みに合わせて細かくアレンジできるのも、SUMの魅力です。
ウエストハーネスやショルダーポケットは取り外し可能で、装備や山行スタイルに応じたカスタムが可能。さらに、ウエストハーネスは高さの調整にも対応しているため、クライミングハーネスを装着するシーンでも干渉を避けやすくなっています。

また、背面パッドまで取り外せる仕様もユニークなポイント。軽量化を重視するならテントマットを差し替える使い方もできそうですし、外した背面パッドはテント泊時の簡易マットとしても活用できそうでした。
ガレ場を平地のように。軽さと剛性を両立したVertoの機能美

SUMならではの自由な山歩きを支えるには、足元の確かな安定感が欠かせません。
その役割を担うのが、アスリートとの共同開発によって生まれたアプローチシューズ「Verto Traverse Mid GORE-TEX(ヴェルト トラバース ミッド ゴアテックス)」。
プロ仕様のスペックを備えながら、すっきりと洗練されたデザインが印象的。軽快な歩行を妨げず、岩場や不安定な登山道でも確かな安心をもたらしてくれる一足です。
「この無骨さがいい」と思わせるデザイン

その魅力は、一般的な「アプローチシューズ」の枠に収まらない汎用性の高さにあります。
一見すると無骨なブーツのような佇まいですが、足を通すと感じるのは、アプローチシューズ譲りの繊細な足裏感覚。路面の凹凸や岩場の感触をつかみやすく、テクニカルな場面でも安心して足を置くことができます。

つま先付近から細かく締め上げられるシューレースシステムにより、足との一体感も高い仕上がりです。岩場での細かな足さばきから、長時間の歩行まで安定して対応します。
さらに、アッパーには耐久性に優れながら柔らかな足あたりを備えたスエードレザーを採用。タフな山道具としての安心感と、履き心地のよさが両立されていました。
ライター 橋爪
スエード生地のおかげか、アッパーはやわらかく、アプローチシューズとしては高いしなやかさがあります。
そのためか、くるぶしのホールド感はやや薄い印象。本格的な岩稜メインでの使用よりも、岩場を伴う長時間を歩くシーンに向いているように感じました!
滑る不安を「確信」に変える、吸い付くようなグリップ力

足元の確かな踏み込みとグリップを支えるのが、ビブラム社の「メガグリップ」と「トラクションラグ」を組み合わせたアウトソールです。
なかでも頼もしさを感じるのは、濡れた岩場やぬかるんだ登山道など、足元に気を使うシーン。メガグリップならではの粘るようなグリップ力が、滑りやすい路面でもしっかりと地面を捉えてくれます。
さらに、トラクションラグと呼ばれるラグ側面のギザギザによってソールの接地面積が広がり、荷重をかけたときの安定感も向上。重い荷物を背負っている場面でも一歩一歩がブレにくく、岩稜帯や悪路でも安心して踏み込める設計です。
クライミングゾーンによる安定した立ち込み

アウトソール前足部には、凹凸を抑えたフラット形状の「クライミングゾーン」を配置。岩場で小さなスタンスに乗り込む際、接地面を安定させやすく、つま先荷重での繊細なフットワークをサポートします。
本作はクライミングゾーンが前方の広い範囲に設けられており、岩との接地感も得やすい設計に。岩稜帯やガレ場など、正確な足置きが求められる場面でも、つま先をしっかり利かせられるアウトソールパターンです。
編集部 大迫
砂利の下りでは丁寧に足を置けばラグがしっかり効き、泥っぽい路面も面で捉えるように歩けば安定感がありました。岩場ではつま先のクライミングゾーンが使いやすく、グリップも十分です。
過酷な環境を歩き続けるための「守備力」

足元をしっかり保護するプロテクト性能も魅力です。つま先まわりには、ぐるりと覆うようにプロテクトラバーを配置。
ガレ場で岩にぶつけたときの衝撃をやわらげるだけでなく、シューズ本体の摩耗も抑えてくれるため、ハードな山行でも気兼ねなく使い込めます。まさに「道具として使い倒す」ことを前提にしたディテールです。

さらに、GORE-TEXメンブレンを採用することで、高い防水性と透湿性も確保。急な雨や濡れた登山道、渡渉をともなう場面でも浸水を防ぎつつ、行動中のムレは外へ逃がしてくれます。悪条件でも安心して一歩を踏み出せる、守りの強さを備えた一足です。
軽快な足さばきのローカットモデルもいい!

ローカットモデルも秀逸です。こちらはGORE-TEXが採用されていませんが、ローカットらしい軽快さと足さばきの良さが魅力。
履き心地は、決してふかふかではありませんが、ベアフットシューズほど薄くもなく、安定して歩けるローテクシューズのような印象です。クッション性が高すぎると登りで力が逃げる感覚がありますが、このシューズは適度なソールの硬さがあり、登りでも踏み込みやすく感じました。
編集部 大迫
つま先に余裕があり、普段4Eを選ぶ幅広の自分にはかなり好印象。一方で、タイトなフィット感を求める人には少しゆるく感じるかもしれないので、岩場や下りでは靴紐をしっかり締めるとよさそうです。
幅広で履けるアプローチシューズを探している人には、ぜひ試してほしい一足。クラシックな見た目も含めて、個人的にかなり好みでした。

2026年、山歩きの「景色」が変わる

機能性はもちろん、見た目にも気分が上がるギアを選びたい。そんな山好きにとって、ザ・ノース・フェイスの2026年春夏コレクションは、見逃せない存在になりそうです。
一見すると遊び心あふれるデザインでありながら、過酷なルートにも耐えうる本格的な機能性を宿した「SUM」。そして、その自由なパッキング旅を足元から力強く支えてくれる「ヴェルト トラバース」。
どちらも、山で使う道具としての高い信頼感を備えながら、これまでの山行に新しい視点を加えてくれるギアです。
機能美と遊び心が美しく融合したこの2つの相棒があれば、次の山歩きはもっと自由に、もっと自分らしく楽しめるはずです。
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