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自然にやさしいもの作り

エピソード 0

機能、デザイン、価格、山道具選びの基準は人それぞれですが、わたしたちはこれまで「より安全に、より快適に山を愉しむため」の山道具を選んできました。しかし、環境問題が取り上げられるようになった昨今、街の生活では環境に配慮した日用品などが増えています。では、自然の中で遊ぶための山道具はいったいどうなっているのでしょうか?

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もちろん、アウトドアで使う道具たちも、環境に配慮して作られたアイテムが増えてきています。
しかし、まだまだ知られていないのが現状です。

だからこそ、自分で選択できるように、まずは知ってほしい。そういった思いと共に、この連載ではアウトドアメーカーに自然にやさしいもの作りについてきいていきます。

訪れるたびに変わっていく、山の変化

干ばつによって引き起こされる山火事、温暖化によって融けていく氷河、そして止まらないマイクロプラスチックごみの流失など、テレビやスマートフォンでも目にすることが増えた異常気象や環境破壊のニュース。
私たちの身の回りに目を向けてみても、線状降水帯による大雨被害や40℃を超える猛暑が続くなど、さまざまな変化が見てとれます。

この異常気象が山に与えている影響は見過ごすことができません。大雨で登山道が崩れたり、流れ出た土砂で渓谷が埋まったり、いつも登っている山が様変わりした姿を見ると、圧倒されると同時に胸が痛くなります。

これは人間が自然にインパクトを与え続けた結果のひとつ。モノを作る過程でどうしても二酸化炭素やゴミは排出され、化学素材や薬品が使われます。
これを仕方ないで終わらせないために、山や自然で遊ぶ私たちにも変化が求められています。

自然との“対峙”から“寄りそう”ための山道具へ

より高く、より難しい山を求めて人々は山へ挑戦してきました。世界中で初登頂や初登攀が達成されるなか、それをサポートしてきたのが高機能な山道具です。過酷な自然環境の中でも挑戦に集中できるように、最先端技術を用いて新しい素材を開発し、フィールドで着想したアイデアを活かすなど、さまざまな試行錯誤を経て山道具は進化してきました。

そして挑戦とともに技術は高まり、いまでは、高い機能性を持った山道具を誰もが手に入れられるようになりました。挑戦を支えてきた道具は、自然の中でも安全で快適に遊ぶための道具として多くの人を支えているのです。

しかし、日常生活ではマイボトルやマイバッグを持ち、リサイクルやリユースという言葉に触れることが多くなってきました。今、山道具に求められるのは登山者を守るための機能“だけ”なのでしょうか?

答えはきっとNO。安全に過ごすための機能と共に求められているのは、きっと「自然に寄りそうためのやさしさ」です。

まずは知る。そして、自分で選ぼう

PFCフリー、リサイクルポリエステル、天然素材、ソリューションダイ。機能の高さを求めながら、自然に寄りそう機能を持ったもの作りがあります。デザインや機能の高さとは違い、目には見えにくく、何をどう選んだらいいのか分かりにくい新しい機能です。

聞きなれない言葉ばかりですが、どう「自然にやさしい」のか見ていきましょう。そして、マイボトルを持つように、マイバックを持つように選択しましょう。これまでの高機能な山道具ばかりではなく、「自然にやさしい機能」を備えたこれからの山道具を。

文: 大堀 啓太
イラスト: 大西 土夢
編集: 大迫 倫太郎(YAMA HACK)