COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む
白馬岳|憧れの大雪渓ルートも!”1泊2日”で行きたい3つのおすすめ登山ルートと白馬三山縦走コース

白馬岳|憧れの大雪渓も!”1泊2日”で行きたい3つのおすすめ登山ルートと白馬三山縦走コース

北アルプスにある白馬岳は日本百名山の一座。大雪渓を登る人気のゴールデンコースを中心に、1泊2日で行けるルートを紹介!大雪渓を歩くときに必要な装備やレンタル場所、山小屋&アクセス情報、白馬の読み方など、白馬岳入門となる情報を紹介します。

本ページはアフィリエイトプログラムを利用しています。

目次

【白馬大雪渓ルート通行止め】
白馬大雪渓ルートは、危険なクレバスがあり安全な登山ルートが確保できないため、2025年9月29日(月)から通行止めとなっています。なお、白馬鑓温泉ルートの通行は可能です。
最新の情報は白馬村HPをご確認ください。
白馬HP

アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

白馬岳(しろうまだけ)ってどんな山?

白馬大雪渓
撮影:鷲尾 太輔(白馬大雪渓)
標高所在地山系最高気温
(6月〜8月)
最低気温
(6月〜8月)
2,932m長野県北安曇郡白馬村、
富山県黒部市、
下新川郡朝日町
飛騨山脈
(後立山連峰)
13.4℃0.5℃

参考:ヤマレコ

北アルプスの北部、後立山連峰にある日本百名山の一座で、日本最大の雪渓「白馬大雪渓」があることで知られています。
大雪渓がある東側は急峻で、反対の西側や越中側は緩やかと、非対称山稜の姿が特徴です。

手前が杓子岳・奥が白馬鑓ヶ岳/非対称山稜であることがよくわかる
撮影:鷲尾 太輔(手前が杓子岳・奥が白馬鑓ヶ岳/非対称山稜であることがよくわかる)

また白馬岳、杓子岳(しゃくしだけ)、白馬鑓ヶ岳(はくばやりがたけ)を併せて「白馬三山」と呼ばれており、これらをつないだ縦走登山でも人気です。

代馬→白馬→「はくば」!?

白馬岳の代掻き馬
出典:PIXTA(白馬岳の代掻き馬)

写真のように、斜面の岩が春の雪解けにより露出することで「代掻き馬」の黒い雪形が見られるようになり、苗代を作る時期の目印としたことから、古くは「代馬(しろうま)岳」と呼ばれていました。

その後、明治時代に測量が行われた際、「しろ」の音に漢字の「白」が当てられたことで「白馬」となり、やがて「はくば」とも呼ばれるようになりました。

JR大糸線・白馬駅
出典:PIXTA(JR大糸線・白馬駅)

山名としては「しろうまだけ」と呼ばれていますが、地名としては「はくば」と読むことが多く、駅も白馬駅(はくばえき)です。

▼白馬の雪形についてもっと知りたい人は、こちらの記事もチェック!

日本の登山史においても重要な山

白馬山荘初代・松沢貞逸氏のレリーフ
撮影:鷲尾 太輔(白馬山荘初代・松沢貞逸氏のレリーフ)

白馬岳は日本の登山史においても、重要な存在です
明治以降、それまでの神仏が座する山へ登拝する「信仰登山」に加えて、当時の陸軍による測量登山・植物学者を中心とした学術登山を経て、娯楽・趣味・スポーツとしての登山を楽しむ「近代アルピニズム」という文化が芽生えたのです。

そんな機運を受けて、1906年に松沢貞逸氏が山頂直下に開設したのが現在の白馬山荘。これが日本で最初の山小屋となり、1918年のアルプス旅館(現在の槍沢ロッジ)、1921年の燕山荘と続いていきます。白馬岳を背景に白馬山荘を見下ろす高台には、松沢貞逸氏のレリーフが設置されています。

1917年には白馬岳をはじめとする後立山連峰の玄関口・信濃大町で、百瀬慎太郎氏が大町登山案内人組合を設立。こちらも日本で最初の、いわゆるガイド団体なのです。

山の名を冠した花も!高山植物も豊富な花の名山

シロウマタンポポ
出典:PIXTA(シロウマタンポポ)

白馬岳は高山植物が多い山としても有名で、登山愛好家でもあった劇作家・田中澄江氏のエッセイ『花の百名山』にも取り上げられています。

固有種であるシロウマタンポポをはじめ、中腹のお花畑にはミヤマキンポウゲ・シナノキンバイ・ハクサンフウロなど、稜線上にはコマクサ・ミヤマキンバイ・チシマギキョウなどが初夏から晩夏にかけて咲き誇ります。

大雪渓もある、憧れの白馬岳登山。注意する点は?

八方尾根から望む白馬三山
撮影:鷲尾 太輔(八方尾根から望む白馬三山)

日本百名山の一座ということもあり、登山者に人気の高い白馬岳。夏の雪渓歩きは涼やかな気分にさせてくれます。

しかし、比較的長いコースタイムや雪渓通過など、体力・技術ともに要する登山となります。注意すべきポイントを見ていきましょう。

白馬岳は日帰りできる?

猿倉から見上げた白馬岳は遥か上方に
撮影:鷲尾 太輔(猿倉から見上げた白馬岳は遥か上方に)

白馬岳は猿倉を往復する最短コースであってもコースタイムは10時間弱はかかるため、山小屋で宿泊するなど1泊2日以上かけて登ることをおすすめします。

また、猿倉から白馬岳までは累積標高差が1700m以上もあり、体力はもちろん、慣れない雪渓歩きの技術も必要です。登山計画には、十分な余裕を持つことが大切です。

大雪渓の歩行にアイゼンは必要?

軽アイゼン
撮影:YAMA HACK編集部(軽アイゼン)

残雪や雪溶けの状況で年や時期により雪渓の規模は大きく変動しますが、通常で「標高差約600m・距離約2km・抜け切るまでにおよそ2時間半」かかる大雪渓を進むには6本爪程度の軽アイゼンが必要です。

あらかじめ準備していくことが基本ですが、もし忘れたりした場合は、白馬村内のアウトドアショップ(モンベル、好日山荘などあり)でも購入可能です。もしくは大雪渓に入る前の猿倉荘や、山頂直下の白馬山荘などでもレンタルを行っているので、事前に確認しておきましょう。

上部の急斜面まで雪渓が続く6月の大雪渓ルート
撮影:YAMA HACK編集部(上部の急斜面まで雪渓が続く6月の大雪渓ルート)

また、本格的な夏山シーズン前の6月頃までは、雪面が固く雪渓の距離も上部の急斜面まで延びているため、10本爪・12本爪の多本爪アイゼン、またピッケルなどの雪山装備が心強いでしょう。

ヘルメットも着用しよう

落石が多い大雪渓ではヘルメットも着用を
撮影:鷲尾 太輔(落石が多い大雪渓ではヘルメットも着用を)

白馬大雪渓は、地形的に両側斜面からの落石が多い場所です。雪の上をバウンドしてくる落石は、あまり音がしないため気がついたら目の前に……ということも。頭部を負傷から守るためにも、ヘルメットを着用しましょう。

白馬岳の登山適期は?

盛夏の白馬岳
撮影:鷲尾 太輔(盛夏の白馬岳)

白馬岳登山の適期は7月中旬~9月ごろ。特に7月・8月は大雪渓に長蛇の列ができるほど賑わい、山小屋も混雑します。
気候面では、夏でも朝晩は冷え込み、山頂付近の稜線や大雪渓へ吹き込む風も冷たいので防寒対策が必要です。

白馬岳の天気と地図をチェック

白馬岳は標高が3000m近くあり、開山直後のゴールデンウィークの時期では最低気温は平均-5℃。過去には悪天候による遭難事故もありました。
5月~6月は積雪や残雪があること、夏期でも雪渓歩きがあることを踏まえ、自分のレベルに合った山行計画を行い安全な登山をしましょう。

白馬岳のふもと(白馬村)の10日間天気

日付09月30日
(火)
10月01日
(水)
10月02日
(木)
10月03日
(金)
10月04日
10月05日
10月06日
(月)
10月07日
(火)
10月08日
(水)
10月09日
(木)
天気雨のち曇
雨のち曇
雨のち晴
雨のち晴
晴
晴時々曇
晴時々曇
曇
曇時々雨
曇時々雨
曇時々雨
曇時々雨
曇
曇時々雨
曇時々雨
曇時々雨
曇時々雨
気温
(℃)
24
13
19
15
22
11
23
11
20
13
25
14
21
16
21
14
24
13
18
14
降水
確率
70902040408090407070

白馬岳の登山指数

日付10月01日
(水)
10月02日
(木)
10月03日
(金)
10月04日
10月05日
登山
指数
C A C A A
登山指数の留意点

登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。

  • 雷の発生の可能性
  • 前日の天気による道のぬかるみ
  • 局地的大雨
  • 土砂災害の発生の可能性
  • 雪崩の発生の可能性
  • 噴火の可能性
  • 積雪の有無
  • 濃霧
  • 低温または高温
  • 虫やヒルなどの発生状況

山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。

白馬岳周辺の山と高原地図

白馬岳はさまざまなコース設定が可能。4つのおすすめコース

白馬岳からは、実にいろいろな方面への登山道が延びています。今回は白馬岳までの代表的な3コース、さらに白馬岳から先、白馬三山を歩く縦走コースの全4コースを紹介します。

白馬岳の代表コース

※❶~❸は白馬岳までのコース、❹は白馬岳からの縦走コースです。

  • ①猿倉~大雪渓~白馬岳

    大雪渓
    • 体力度:★★★☆☆
    • 技術難易度:★★★☆☆
    • コースタイム6時間05分
    • コース距離6.4km
    • 標高差1581m

    剱沢雪渓・針ノ木雪渓と並んで日本三大雪渓にも数えられる白馬大雪渓を登るコース。雪渓歩きだけでなくお花畑も魅力の王道コースです。

  • ②栂池~白馬大池~白馬岳

    栂池からの稜線
    • 体力度:★★★★☆
    • 技術難易度:★★★☆☆
    • コースタイム7時間10分
    • コース距離8.9 km
    • 標高差1064m

    登山口の中でもっとも標高が高い栂池自然園からの標高差が少ないコース。天狗原の湿原・白馬大池の神秘的な水鏡・小蓮華山など稜線からの展望も見事なコースです。

  • ③蓮華温泉~白馬岳

    蓮華温泉からの雪倉岳
    • 体力度:★★★☆☆
    • 技術難易度:★★★☆☆
    • コースタイム7時間20分
    • コース距離9.1 km
    • 標高差1446m

    山中の秘湯・蓮華温泉からのコース。歩きやすい樹林帯を抜けると、白馬大池の神秘的な水鏡・小蓮華山など稜線からの展望が見事なコースです。

  • ④白馬岳~杓子岳~白馬鑓ヶ岳~白馬鑓温泉

    白馬鑓温泉
    • 体力度:★★★★★
    • 技術難易度:★★★★☆
    • コースタイム8時間55分
    • コース距離11.8km
    • 標高差1623m

    白馬三山を縦走する憧れのロングコース。稜線から下山後には歩いてしか行けない秘湯・白馬鑓温泉小屋にも立ち寄る大満足のコースです。

❶ 猿倉ピストンルート|憧れの大雪渓から美しいお花畑へ!

合計距離: 12.78 km
最高点の標高: 2832 m
最低点の標高: 1242 m
累積標高(上り): 1752 m
累積標高(下り): -1752 m

体力レベル:★★★☆☆

1泊2日|コースタイム:9時間50分

参考:ヤマプラ

技術的難易度:★★★☆☆

・ハシゴ、くさり場、雪渓、渡渉箇所のいずれかがある
・転んだ場合に転落・滑落事故につながる箇所がある
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

【1日目】猿倉(60分) → 大雪渓入口(150分) → 岩室跡(120分) → 白馬岳頂上宿舎(20分) → 白馬山荘
【2日目】白馬山荘(15分) → 白馬岳(10分) → 白馬山荘(15分) → 白馬岳頂上宿舎(60分) → 岩室跡(9分) → 大雪渓入口(50分) → 猿倉

白馬大雪渓
撮影:鷲尾 太輔(白馬大雪渓)

白馬岳の代名詞・白馬大雪渓を登るルートです。白馬岳と杓子岳の間から続く大雪渓は、まさに爽快感満点。大雪渓上部の葱平(ねぶかっぴら)と呼ばれる場所は、夏は一面のお花畑になり可憐な高山植物を楽しむこともできます。

猿倉駐車場の一部で亀裂が生じているため、現在駐車場を閉鎖しております。猿倉登山口までは、八方バスターミナルからのタクシーまたは路線バスをご利用ください。

▼コースの詳細はこちらの記事を

❷ 栂池自然園ピストンルート|湿原のお花畑も一緒に楽しめる!

合計距離: 18.84 km
最高点の標高: 2910 m
最低点の標高: 1846 m
累積標高(上り): 1508 m
累積標高(下り): -1508 m

体力レベル:★★★★☆

1泊2日|コースタイム:13時間5分

参考:ヤマプラ

技術的難易度:★★★☆☆

・ハシゴ、くさり場、雪渓、渡渉箇所のいずれかがある
・転んだ場合に転落・滑落事故につながる箇所がある
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

【1日目】栂池自然園(80分) → 天狗原(120分) → 白馬大池(120分) → 小蓮華山(50分) → 三国境(60分) → 白馬岳(10分) → 白馬山荘(泊)
【2日目】白馬山荘(15分) → 白馬岳(30分) → 三国境(60分) → 小蓮華山(90分) → 白馬大池(90分) → 天狗原(60分) → 栂池自然園

池塘が広がる天狗原
撮影:YAMA HACK編集部(池塘が広がる天狗原)

栂池ロープウェイの終着駅、栂池自然園駅を起点に白馬岳へ向かうルートです。時期によっては一部残雪があるものの、大雪渓を通過しないため雪渓歩きが苦手な人はこちらがおすすめです。
天狗原はさまざまな高山植物が咲き誇る美しい湿原、白馬乗鞍岳からは眼下に白馬大池を望むことができます。

コースの詳細はこちらの記事をチェック

❸ 蓮華温泉ピストンルート|山中の秘湯から美しい山上湖へ!

合計距離: 19.33 km
最高点の標高: 2910 m
最低点の標高: 1464 m
累積標高(上り): 1807 m
累積標高(下り): -1807 m

体力レベル:★★★☆☆

1泊2日|コースタイム:13時間45分

参考:ヤマプラ

技術的難易度:★★★☆☆

・ハシゴ、くさり場、雪渓、渡渉箇所のいずれかがある
・転んだ場合に転落・滑落事故につながる箇所がある
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

【1日目】蓮華温泉(110分) → 天狗ノ庭(100分) → 白馬大池(120分) → 小蓮華山(50分) → 三国境(60分) → 白馬岳(10分) → 白馬山荘(泊)
【2日目】白馬山荘(15分) → 白馬岳(30分) → 三国境(60分) → 小蓮華山(90分) → 白馬大池(90分) → 天狗ノ庭(90分) → 蓮華温泉

白馬大池
撮影:鷲尾 太輔(白馬大池)

標高1473mにある雲上の秘湯・蓮華温泉から出発し、美しい水をたたえた山上湖・白馬大池を経由して白馬岳をめざすルート。白馬大池から先は、前に紹介した栂池自然園からのルートと合流します。
蓮華温泉から白馬大池までは、樹林帯の中の歩きやすい登山道です。

コースの詳細はこちらの記事をチェック

❹ 白馬三山縦走コース|絶景の稜線歩きを楽しもう!

合計距離: 11.86 km
最高点の標高: 2867 m
最低点の標高: 1244 m
累積標高(上り): 567 m
累積標高(下り): -2157 m

体力レベル:★★★★★

1泊2日|コースタイム:16時間30分(栂池ルートから縦走・白馬山荘宿泊の場合)

参考:ヤマプラ

技術的難易度:★★★★☆

・厳しい岩稜や不安定なガレ場、藪漕ぎを必要とする箇所がある
・転落・滑落の危険箇所が多い
・岩場、雪渓を安定して通過できる技術が必要
・ルートファインディングの技術が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

白馬岳山頂からのコース概要白馬岳(10分) → 白馬山荘(15分) → 祖母谷分岐(60分) → 杓子岳(60分) → 白馬鑓ヶ岳(20分) → 鑓温泉分岐(150分) → 白馬鑓温泉小屋(110分) → 小日向のコル(110分) → 猿倉

白馬岳山頂からの杓子岳と白馬鑓ヶ岳
撮影:鷲尾 太輔(白馬岳山頂からの杓子岳と白馬鑓ヶ岳)

ここまで紹介してきた3つの登山ルートと組み合わせて、杓子岳と白馬鑓ヶ岳へ縦走する白馬三山すべてに登るコースです。絶景が広がる稜線歩きの達成感はもちろん、下山中に通過する歩いてしか行けない秘湯・白馬鑓温泉も魅力的です。

コースの詳細はこちらの記事をチェック



1 / 2ページ