アイキャッチ画像:ポンチョ
山、アウトドア道具に必要な機能を考えてみました。
強く、軽く、コンパクト。
山、アウトドアで使う道具の機能は、この3つを装備していることが基本です。
ですが、美しさとユーザビリティの2つがデザインのベースになければ、使い続けたいとは思えません。お気に入りの道具って、大抵は自分が欲していた“なにか”がカタチになったものですから!
今回紹介する「PEBLWEAR/FLAME Portable Lantern(ぺブルウェア/フレーム ポータブル ランタン)」は、上記の5つの機能を装備。さらにクリエイティビティ(独創性)と心地よさを装備しています。
だから、このランタンには中毒性があります。一度使ってしまうと、このランタンの灯りのない山の夜が少し物足りなく感じるんです。
それは、“唯一無二”の灯りだから

スマートフォンと連携し、撮影した画像から灯りを自動生成。アイテム名にある「FLAME=炎」のように、揺らぐ光で周囲を照らすその灯りは、他に類を見ないの特別な存在です。
上のGIF動画の光、揺らぎを生んだ元の画像はこちらです。

画像の場所は、私が今年の夏に縦走ランした、信越トレイル上にある幻の池です。「幻」から想像する儚さとは正反対、生命力に満ちた場所でした。
この幻の池の画像をアップロードして、Flameアプリから光を灯してみれば、その場にあった生命力に満ちた気配が思い出されます。
フレーム ポータブル ランタンは、「光」と「風景」の心地よさを持ち運ぶことを目指したモノだそうです。
そう、このランタンは、単なる照明ではなく、山や自然のなかで過ごしたジカンを再びココロのなかに照射。風景が見せてくれた光に再び包まれ、あのジカンの気分を追体験させてくれる道具なんです。そんな道具、私は他に知りません。
では、それがどんな道具のなのか、詳細を紹介しましょう!
軽量コンパクトで、USB タイプC充電可能

スペックは以下の通りです。
- 価格
- ¥22,000
- サイズ
- 5×5×2cm
- 重量
- 40g
- 充電
- USB-TypeCポート / 充電式バッテリー 満充電約1時間
- 点灯時間
- 最小:数日、最大:約2時間
手のひらサイズで、40gとかなりの軽量。テント泊装備として積極的に携帯したくなるスペックです。
レンズ面は光をソフトに拡散するアクリル製。白色なので傷は目立ちにくいですが、携帯の際には、やわらかい布や袋に包んだ方がよさそうです。
ランタンとしてはちょっと高価です。けれども、長野県松本市でひとつひとつ手づくりしているガレージブランド。スマホと連携して操作できる高機能を装備。
道具好きであれば、納得の価格です。

充電は、レンズ面に設けられたUSBタイプCポートから。光束は公表されていませんが、ソロでの使用であれば、無段階調節の中くらいの明るさで調理やテント内照明として十分。2泊の縦走で、日没後の3~4時間程度使用しても、充電せずに使用できました。
気になったこともあります。
電池残量が少なくなると自動的に灯りがオフに。その際、最小の明るさで数十分は点灯してくれます。
ですが、「そろそろ充電の必要あり」というタイミングで、なにかしらのお知らせがあると、より使い勝手がよくなります。例えば充電中にポート付近で点灯するステータスライト等でわかると、電池切れの心配がなくなります。
とはいえ、充電しながらでも点灯できるので、電池切れしても問題ないといえば、ないのですが……。
アップデートで改善できるのが、デジタルガジェットの利点です!

撮影:ポンチョ
と上記した原稿をPEBLWEAR代表でありクリエイターの赤塚雄平氏に読んでいただいたところ、下記の回答がありました。
「アプリから電池残量が少ないことを確認できるようにします。加えて、電池残量が少なくなった場合には、20%程度の明るさに自動調光。本体に備わるステータスランプでお知らせするように、近日中にアップデートにて提供予定です」
登山道具の多くは、仮に改善点が見つかっても、即座に仕様変更ができません。しかし、フレーム ポータブル ランタンのようなライト、そしてGPSウォッチ、登山地図アプリ等のデジタルガジェット系は、スマホと連携できるモデルであればアップデートが可能。改善点を短期間で修正できるのが、「よさ」なんですね。
このアップデートによって、テント泊時の心配が解決されました!
デザイン性の高さと汎用性という機能

背面側は、川石のような雰囲気です。アウトドア道具では、樹皮や木目を模したデザインを見かけますが、石は珍しいものです。しかも樹脂製のツルっとした硬質さはなく、滑り止めも兼ねたと思われる石のザラっとした素材感も模しています。それは機能も兼ねていて、おもしろいです。
また背面中央の「PEBLWEAR」のロゴが刻印された部分は、ボタン仕様になっています。ボタン短押しで点灯&消灯、長押しで明るさ調節が可能。そのボタンが、まるでボタン然としたデザインではないところにも、つくり手のデザインに対する強い想いを感じます。

本体サイドを結ぶ白いストラップは伸縮素材製。引っ掛けたり、留めたり、吊るしたりと、そのシンプルさが、いろいろな使い方を可能にしています。耐久性は金属製のフックに比べて劣りますが、汎用性と軽量性は、伸縮ストラップの方が上です。
バックパックのショルダーベルトから前方を照らすようにセットすれば、ランタンではなくライトとしても使えます。こうした汎用性は、すぐれた道具の特長といえるでしょう。
スマホアプリ操作という、これからの道具の新基準
先に書いた通り、フレーム ポータブル ランタンは、本体のボタン操作で点消灯、明るさ調節ができます。その場合は、白色か、最後にスマホと連携した時の灯りで点灯します。
しかし、フレーム ポータブル ランタンの最大の特長は、スマホで点消灯、明るさ調節の操作ができることです。さらに、スマホで撮影した画像から、灯す光を自動生成ができることです!

上画像のように、ドキッとするような赤い夕空を見て、撮影。スマホのアプリにアップロード。夕空の赤のグラデーションの光の余韻を楽しむように、ランタンの赤く揺らぐ灯りに照らされれば、山の夜は一層、静かで、豊かになるんです。

スマホのアプリの画面は上の通りです。中央のスクェアの画面で、点消灯と明るさ調節の操作をします。右上の三本線「≡」を押すと、スリーブタイマーや揺らぎのエフェクトの速さの調節、最大輝度での使用のオン&オフ等の設定やセットアップガイドの画面に切り替わります。
下部の画像アイコンはスマホ内に保存された画像のアップロード、カメラアイコンはカメラアプリに切り替わり、撮影した画像を自動でアップロード。どちらも、その画像を選択すればランタンの光を自動生成します。
右端のゴミ箱アイコンは、アップロードした画像の消去です。
欲しい光を見つけて、機能的に使うことも可能!

さて、ランタンの灯りが揺らぐと心地よいのですが、荷物の整理や読書では、一定の明るさを維持してくれた方が作業しやすく、文字を読みやすいです。
そうした一定の灯りが必要な際には、エフェクトを遅くすれば揺らぎをゆっくりにでき、フラットな光になります。また、単一のカラーの風景を撮影して使えば、揺らぎはほとんどなく、単一の光になります。
例えば上画像から生成した光は白色で、ほとんど揺らぎを感じない、通常のランタン同様の灯りになります。フラットな白色光が必要な時には、こうした画像を使うとよいです。

フレーム ポータブル ランタンには、9つのLEDが搭載され、白色、赤色、青色、緑色が融合して、さまざな色味を実現しています。だから、山小屋内の身支度で眩しさを抑えたい時は赤色、手元の地形図確認には青色、動物観察時や夜視を維持したいときには緑色がメインで光る被写体を探し、画像を選択。目的、機能に応じた光を点灯させることもできます。
そう!フレーム ポータブル ランタンは、雰囲気を重視しただけの道具ではなく、使い方、アイデア次第では、しっかり機能的にも使える道具なのです。
いわゆる、「貴方次第」な道具。どうやったら自分好みの光を点灯させられるかを探る、楽しみがあります!!
風景を灯りとして楽しめるから

同じ景色は二度と見られません。だからあらゆる景色、時間に、特別を感じて、しっかりと味わうことが登山や旅の醍醐味です。
そんな風景を記録、記憶、そして追想し、新たな山、旅のきっかけをつくってくれるのが“写真”です。そこに写っている景色を、フレーム ポータブル ランタンは、“灯り”としてデフォルメして表現します。上画像なら、赤い夕陽と、夜が近づき宇宙の気配を帯びた藍色の空を、灯りで見せてくれます。
それは、21世紀的焚火といえるもの。見て、撮ったばかりの夕景を光にしてテントの夜を過ごしてみれば、一瞬の風景は焚火のように揺らぐ光になり、ココロにぬくもりを感じさせてくれます。
光と風景を持ち運べる、ペブルウェア/フレーム ポータブル ランタンは、だから、唯一無二の道具なのです。
それでは皆さん、よい山を~~~!