遭難時の命綱!ヤマレコが圏外でもSOS送信できる新機能をリリース

登山地図アプリ「YamaReco(ヤマレコ)」に、新たに「緊急SOS」機能が追加されました!
この新機能により、登山中の万が一の遭難時に、選択肢を選ぶだけで、現在地やケガの有無など、救助に必要な情報を家族や友人に即座に送信できます。
さらに、ヤマレコアプリは、KDDIの衛星通信サービス「au Starlink Direct」に対応しており、携帯電話の電波が届かない山間部や圏外エリアでもメッセージを送信することが可能です。この機能により、遭難者が救助を求める手段が増え、救助までの時間が短縮されることで、生存率の向上が期待されています。
「緊急SOS」機能はヤマレコプレミアム会員(有料会員)・スタンダード会員(無料会員)のどちらも利用可能です。
新機能提供の背景と経緯
日本の山岳地帯では、依然として携帯電話の電波が届かない、もしくは不安定な場所が多く存在しています。そのため、遭難した登山者が本人から直接連絡を取ることができないケースが少なくありません。
これまでの遭難事故では、連絡手段がなく、家族や職場の人々が「下山していないこと」に気づいてから、ようやく110番通報がされることが多くありました。そのため、遭難に気づかれるまで数時間から数日かかることもあります。

また、通報を受けた警察や消防は、遭難者本人からの情報を得られないため、どこで何が起きているのかを正確に把握できず、救助活動の初動に時間を要するという課題もあります。
これらの課題を解決するために、ヤマレコは2025年5月30日に、KDDIが提供する圏外でも通信可能な衛星通信サービス「au Starlink Direct」を活用した実証実験を行ない、見事に成功しました。
その成果を受けて、今回新たに開発された「緊急SOS」機能が登場。この新機能により、遭難者はスマートフォンを使い、電波が届かない圏外エリアでも衛星通信を介して、SMSで現在地や負傷状況、装備の有無、保険加入情報などを含むメッセージを家族や救助隊に送信することができるようになりました。
「緊急SOS」機能を使った救助要請の流れ

- 登山者が遭難。ヤマレコの「緊急SOS」機能で家族へメッセージを送信
- 圏外エリアでも「au Starlink Direct」で「緊急SOS」メッセージをヤマレコのサーバーへ送信
- ヤマレコのサーバーから家族へ、リアルタイムで「緊急SOS」メッセージを送信
- 「緊急SOS」メッセージを受け取った家族が警察へ通報し、遭難者の現在地などの情報を提供
- 通報を受けた警察が救助隊と情報を共有して救助へ
「緊急SOS」機能の詳細
送信側(遭難者)

画面に表示される質問や選択肢に答えるだけで、ケガの状態や現場の天気、服の色、持っている装備など、必要な情報を簡単に入力することができます。

▲実際の「緊急SOS」画面の一部| (左)登山中に何が起きたのか選択、(中央)氏名・年齢または誕生日・自分の体の状態を入力、(右)着ている服の色を選択
すべての質問に答えたら、あとは家族や友人にメッセージを送るだけです。電波が届くエリアはもちろん、電波が届かない圏外の山の中からでも、KDDIの「au Starlink Direct」なら、メッセージを送ることができます。

受信側(家族や知人)

注意事項
- ご使用前に事前にヤマレコアプリを更新する必要があります
(iOS版バージョン7.45以降、Android版バージョン8.6.5以降) - 「緊急SOS」メッセージを送信するためには位置情報をONにし、機内モードを解除する必要があります
- 本機能は救助要請そのものではありません。本機能のメッセージを受け取った人が警察へ通報することを想定しています
- 本機能のSOSメッセージは一週間経過すると自動的に表示されなくなります
機能紹介動画もチェック!
YouTube『ヤマレコ社長の絶対遭難させないチャンネル』にて、「緊急SOS」機能について詳しく紹介されています。