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錦秋に染まる山肌を先取り!9月に紅葉の見ごろを迎える人気の山10選

錦秋に染まる山肌を先取り!9月に紅葉の見ごろを迎える人気の山10選

いよいよ紅葉シーズン到来!植生が豊かな日本の山は、ナナカマドなどの赤系・ダケカンバなどの黄色系にハイマツなどの常緑樹がアクセントになり、世界有数のカラフルな山岳紅葉を楽しむことができます。

今回はそんな日本でもいち早く9月に見ごろを迎える北海道・東北・北関東・北陸・中部エリアの10箇所のスポットをピックアップしました。

朝晩や天候によって寒暖差が激しいエリアならではの、鮮やかな色付きを楽しめる絶景コースを紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:鷲尾 太輔

色鮮やかな山の紅葉をいち早く9月に楽しもう!

北海道・大雪山 銀泉台の紅葉
撮影:鷲尾 太輔(北海道・大雪山 銀泉台の紅葉)

北から南に約3000kmの長さがあり、標高3000mを超える山岳地帯から日本人の約8割が居住する標高100m以下の低地までを有する日本列島では、8月下旬から12月上旬までの長期間にわたって紅葉を楽しむことができます。

そんな日本でもいち早く9月から紅葉の見ごろを迎えるのが、緯度や標高が高い北海道・東北・北関東・北陸・中部地方の山々です。

都会では残暑も厳しい時期に色鮮やかな紅葉を鑑賞できるのは、まさに山に登った人ならではのご褒美。そんな時期にイチオシのコースをチェックしていきましょう。

山・スポット名所在地例年の見頃特徴コースタイム
大雪山・旭岳と裾合平北海道9月上旬〜中旬旭岳を背景に広がるチングルマの絨毯約6時間30分
大雪山・赤岳と銀泉台北海道9月中旬錦模様に彩られる山肌と山岳パノラマ約4時間30分
大雪山・高原沼北海道9月中旬〜下旬カラフルな紅葉が水面に映り込む絶景約1時間40分
裏岩手・三ツ石山岩手県9月中旬〜10月上旬真紅の稜線の彼方にそびえる岩手山約4時間50分
裏岩手・犬倉山岩手県9月下旬〜10月中旬リフト利用で手軽に裏岩手の紅葉鑑賞約1時間
栗駒山宮城県9月下旬~10月上旬東北随一の人気を誇る紅葉と絶景の名山約3時間20分
尾瀬ヶ原と至仏山群馬県9月上旬〜下旬本州最大規模の高層湿原を彩る草紅葉約7時間
立山・室堂とタンボ平富山県9月中旬〜10月上旬北アルプスでいち早く色づく山岳紅葉約3時間55分
千畳敷と木曽駒ヶ岳長野県9月下旬~10月上旬ロープウェイでアクセス可能な絶景紅葉約2時間50分
木曽御嶽山長野県9月中旬〜10月上旬日本有数の霊峰を神々の絵筆が彩る絶景約5時間50分
「山・スポット名」をクリックすると詳しい説明に飛びます。

1.大雪山・旭岳&裾合平(北海道)

裾合平紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※RW=ロープウェイ駅、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★★☆☆

日帰り|約6時間30分

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

姿見駅(20分)→旭岳石室(140分)→旭岳(77分)→旭岳石室(13分)→夫婦池(67分)→裾合平(62分)→夫婦池(11分)→姿見駅

旭岳と裾合平のチングルマの草紅葉
出典:PIXTA(旭岳と裾合平のチングルマの草紅葉)

日本百名山である大雪山、そして北海道の最高峰でもある旭岳(2291m)の北側斜面に広がるのが裾合平。夏には高山植物であるチングルマの白い花で埋め尽くされます。このチングルマは秋になると枯れた花は白い穂のようになり、葉は真紅に色付いてカーペットのような絶景が旭岳を背景に広がります

御田ノ原の紅葉と池塘
出典:PIXTA(御田ノ原の紅葉と池塘)

見どころは裾合平だけではありません。ロープウェイ姿見駅から裾合平への沿道では、いたるところでカラフルな紅葉の山肌を楽しむことができます。姿見駅から見下ろす湿地帯・御田ノ原の池塘と草紅葉も見事です。

モデルコースでは旭岳・裾合平をそれぞれ往復するルートを紹介しましたが、旭岳は活火山であり登山道沿いの紅葉は少ないので、ピークハントにこだわらないのであれば、裾合平の往復だけでも絶景の紅葉を堪能することができますよ

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 道央自動車道 旭川北IC – 道道37号 – 道道1160号 – 旭岳ロープウェイ

  • ■公共交通機関の場合
  • JR旭川駅 – 旭川電気軌道バス いで湯号(90分) – 旭岳(ロープウェイ山麓駅前)下車

2.大雪山・赤岳&銀泉台(北海道)

銀泉台紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※BS=バス停、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★☆☆☆

日帰り|約4時間30分

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

銀泉台(95分)→駒草平(70分)→赤岳(45分)→駒草平(60分)→銀泉台

銀泉台の紅葉
出典:PIXTA(銀泉台の紅葉)

赤岳(2078m)の登山口である銀泉台から森の中を30分ほど歩くと、いきなり視界が開けて赤・オレンジ・黄色の紅葉に針葉樹の緑が彩りを添えるカラフルな斜面が広がります。斜面の中腹を横切るように第一花園へと登山道が伸びており、斜面を上から見下ろしたりと様々なアングルで紅葉を楽しむことができます。

駒草平から見る赤岳の紅葉
出典:PIXTA(駒草平から見る赤岳の紅葉)

さらに進んで第二花園を過ぎると、周囲はハイマツ帯へと変わります。ここから駒草平を経て第三雪渓付近の山肌は、銀泉台より早く9月上旬に紅葉の見頃を迎え、特にナナカマドの鮮烈な赤色が見事。山頂からも旭岳をはじめとした大雪山上部の紅葉パノラマが広がります。

なお、登山口へアクセスする道道銀泉台線は紅葉シーズンにはマイカー規制となり、大雪レイクサイトからシャトルバスに乗り換える必要があります。以下のサイトから時刻などを確認して、ゆとりを持って到着・チケット購入などを済ませておきましょう。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 大雪レイクサイト臨時駐車場からシャトルバスに乗り換え – 銀泉台下車

  • ■公共交通機関の場合
    • JR旭川駅前 – 道北バス 上川・層雲峡線 – 層雲峡下車 – シャトルバスに乗り換え – 銀泉台下車

3.大雪山・高原沼(北海道)

高原沼紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※BS=バス停、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★☆☆☆☆

日帰り|約1時間40分

参考:らくルート

技術的難易度:★☆☆☆☆

・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

大雪高原温泉(25分)→ヤンベタップ沢(30分)→緑沼(25分)→ヤンベタップ沢(20分)→大雪高原温泉

大雪高原・滝見沼
出典:PIXTA(大雪高原・滝見沼)

秘湯・大雪高原温泉の奥にある高原温泉・沼巡りコースには大小10あまりの沼が点在し、水面に映り込む鮮やかな紅葉を楽しむことができます。特に山肌がカラフルで水面との距離が近い滝見沼や、水草や背後にそびえる緑岳(2020m)とのコントラストが美しい緑沼は、見応え抜群です。

大雪高原・緑沼
出典:PIXTA(大雪高原・緑沼)

沼巡りコースはヤンベタップ沢を起点にぐるりと一周するルートが設定されていますが、周囲にはヒグマが多く生息しており、途中の沼で折り返し規制となることが大半です。緑沼までの往復でも十分にその魅力を堪能することができますよ

登山前には入山口の大雪高原温泉ヒグマ情報センターで必ずレクチャーを受け、ヒグマの出没状況に応じたコースの開放状況や食事マナーなどを確認してください。

また登山口までの町道高原温泉線も紅葉時期はマイカー規制となるため、上川町のサイトからシャトルバス時刻などをチェックしましょう。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 大雪レイクサイト臨時駐車場からシャトルバス – 高原温泉下車

  • ■公共交通機関の場合
    • JR旭川駅 – 道北バス 上川・層雲峡線 – 層雲峡下車(乗換) – シャトルバス – 高原温泉下車

4.裏岩手・三ツ石山(岩手県)

三ツ石山紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※P=駐車場、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★☆☆☆

日帰り|約4時間50分

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

松川温泉バス停(5分)→三ッ石山登山口(85分)→赤川分岐(40分)→三ツ石避難小屋(45分)→三ツ石山(25分)→三ツ石避難小屋(30分)→赤川分岐(50分)→三ッ石山登山口(10分)→松川温泉バス停

紅葉の三ツ石山
出典:PIXTA(紅葉の三ツ石山)

東北地方でもいち早く紅葉の見頃を迎えるのが、日本百名山・岩手山(2038m)から北西へ連なる裏岩手縦走路にそびえる三ツ石山(1466m)です。その色鮮やかさは東北随一、山頂付近の稜線は鮮烈な真紅色に染め上げられます。

紅葉と岩手山
出典:PIXTA(紅葉と岩手山)

山頂から東方向を振り返れば、真紅の絨毯のような稜線の彼方に岩手山が堂々とそびえています。山頂直下の三ツ石避難小屋(三ツ石山荘)がある三ツ石湿原周辺では、黄色い草紅葉と真紅の山肌とのコントラストも楽しむことができます

今回は松川温泉からの往復ルートを紹介しましたが、北側に連なる小畚山(こもっこやま・1467m)・大深岳(おおぶかだけ・1541m)・源太ヶ岳(げんたがたけ・1545m)を経て松川温泉へ下山する周回ルート(コースタイム:約7時間)もおすすめです。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 東北自動車道 松尾八幡平IC – 県道45号 – 23号 – 212号 – 松川温泉駐車場

  • ■公共交通機関の場合
    • JR盛岡駅 – 岩手県北バス 八幡平方面 – 松川温泉下車

5.裏岩手・犬倉山(岩手県)

犬倉山紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※LFT=リフト乗り場、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★☆☆☆☆

日帰り|約1時間

参考:らくルート

技術的難易度:★☆☆☆☆

・概ね整備されている
・道迷いの心配が少ない
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

リフト終点(15分)→網張コース分岐(20分)→犬倉山(15分)→網張コース分岐(10分)→リフト終点

【登山道規制について】(2025年9月9日現在)
2024年10月2日に岩手山の火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が発表され、犬倉山分岐より東側の入山が規制されています。詳細は雫石町の最新情報を確認してください。

紅葉の犬倉山
出典:PIXTA(紅葉の犬倉山)

三ツ石山よりも手軽に裏岩手縦走路の紅葉を楽しみたい人におすすめなのが、三ツ石山と岩手山の中間に位置する犬倉山(1408m)です。休暇村岩手網張温泉が運営する網張温泉『天空のリフト』を利用することで、標高差100mにも満たないお手軽登山で鮮やかな紅葉を楽しむことができるのです。

三ツ石山への稜線
出典:PIXTA(三ツ石山への稜線)

網張温泉『天空のリフト』に乗車中や登山道からは、赤く染まる犬倉山の山肌が見事です。また山頂からは、三ツ石山へと続く美しい稜線を眺望することができます。

なお、このリフト終点から網張コース分岐を西へ進んで三ツ石山を往復することも可能。コースタイムは約4時間30分となります。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 東北自動車道 盛岡IC – 県道46号 – 219号 – 網張温泉

  • ■公共交通機関の場合
    • 岩手県交通バス[網張温泉行き]は廃止。「休暇村 岩手網張温泉」の宿泊者限定送迎バスは盛岡駅より運行(要予約)。

6.栗駒山(宮城県・岩手県・秋田県)

栗駒山紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※P=駐車場、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★☆☆☆

日帰り|約3時間20分

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

いわかがみ平登山口(110分)→東栗駒コース分岐(15分)→栗駒山(10分)→東栗駒コース分岐(65分)→いわかがみ平登山口

紅葉に染まる栗駒山
出典:PIXTA(紅葉に染まる栗駒山)

東北屈指、そして日本有数の紅葉名山とも呼ばれているのが、宮城県・岩手県・秋田県にまたがる日本二百名山の一座・栗駒山(1626m)です。花の百名山にも選定されている植生の豊かさから、秋には「神の絨毯」とも呼ばれる色とりどりの紅葉が山肌を彩ります

「神の絨毯」にふさわしいカラフルな山肌
出典:PIXTA(「神の絨毯」にふさわしいカラフルな山肌)

栗駒山へは多くの登山コースが延びていますが、岩手県側・須川温泉からのルートは2025年現在、火山活動によって通行禁止の区間も。スムーズに登頂するのであれば、宮城県側のいわかがみ平登山口から中央コースを往復するのがおすすめです。

ただし紅葉シーズンの土日祝日はいわかがみ平への渋滞緩和のため、マイカー規制でシャトルバスへの乗り換えが必要になります。新幹線・くりこま高原駅からの栗駒山紅葉号など、公共交通機関の利用も検討しましょう。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 東北自動車道「若柳金成」IC−県道42号−いわかがみ平

※例年9月下旬〜10月月中旬の土日祝日はマイカー規制で通行不可。3.5km手前にある「いこいの村栗駒跡地臨時駐車場」からシャトルバス運行予定。

  • ■公共交通機関の場合
    • JR石越駅もしくは新幹線くりこま高原駅より「栗駒山紅葉号」乗車 – 「いわかがみ平」バス停下車

7.尾瀬ヶ原&至仏山(福島県・新潟県・群馬県・栃木県)

尾瀬紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※BS=バス停、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★★☆☆

日帰り|約7時間

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

鳩待峠(55分)→山ノ鼻(35分)→牛首分岐(35分)→山ノ鼻(185分)→至仏山(25分)→小至仏山(15分)→オヤマ沢田代(19分)→原見岩(55分)→鳩待峠

尾瀬ヶ原の草紅葉
出典:PIXTA(尾瀬ヶ原の草紅葉)

福島・新潟・群馬・栃木の4県にまたがる本州最大規模の高層湿原が尾瀬ヶ原、その秋の風物詩はしっとりと黄色く色づく草紅葉と点在する池塘が映す澄んだ空です。例年9月中旬〜下旬が見頃となり、湿原内を流れる川沿いの拠水林(きょすいりん)も紅葉します。

紅葉の至仏山から見下ろす尾瀬ヶ原
出典:PIXTA(紅葉の至仏山から見下ろす尾瀬ヶ原)

尾瀬ヶ原の東西にそびえ、日本百名山に選定されている至仏山(2228m)・燧ヶ岳(2356m)も、例年9月上旬から紅葉が始まります。今回紹介するのは群馬県側の鳩待峠から尾瀬ヶ原へ下り、牛首分岐までを往復して草紅葉を堪能。そこからカラフルな木々に彩られた至仏山へ登り、山上からも尾瀬ヶ原を見下ろす変化に富んだコースです。

なお登山口の鳩待峠では、尾瀬ヶ原の開山期間中すべてマイカー規制が実施されています。手前の片品村・戸倉から乗合バス・乗合タクシーに乗り換える必要があるので、以下のサイトをチェックしましょう。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 関越自動車道 沼田IC – 国道120号 – 国道401号 – 県道63号 – 県道260号 – 鳩待峠駐車場
  • ※マイカー規制中は利用不可。片品村・戸倉から乗合バス・タクシーに乗り換え

  • ■公共交通機関の場合
    • 上越新幹線 上毛高原駅 or JR上越線 沼田駅 – 関越交通バス鎌田線 尾瀬戸倉・大清水行き – 尾瀬戸倉下車 – シャトルバス 鳩待峠 行き乗車 – 鳩待峠下車

8.立山・室堂とタンボ平(富山県)

立山紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※BS=バス停、RW=ロープウェイ駅、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★☆☆☆

日帰り|約3時間55分

参考:らくルート

技術的難易度:★★★☆☆

・ハシゴ、くさり場、雪渓、渡渉箇所のいずれかがある
・転んだ場合に転落・滑落事故につながる箇所がある
・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要

凡例:グレーディング表

コース概要

室堂バスターミナル(10分)→立山室堂山荘(60分)→一の越(60分)→東一ノ越(105分)→黒部平駅

室堂の紅葉
出典:PIXTA(室堂の紅葉)

北アルプスでも北部に位置していち早く色づくのが立山連峰です。室堂平周辺をトレッキングするだけでも、草紅葉の湿原や赤・黄・緑のカラフルな山肌ミクリガ池やミドリガ池の水面とのコントラストなどを楽しむことができます。

タンボ平の紅葉
出典:PIXTA(タンボ平の紅葉)

そんな立山連峰でもひときわ鮮やかな紅葉を楽しむことができるのが、東側の斜面に広がるタンボ平です。立山黒部アルペンルートの大観峰駅と黒部平駅を結ぶ立山ロープウェイの車窓からも見下ろすことができますが、紅葉のトンネルの中を歩くことも可能です。

室堂から一の腰までは、石畳がメインの歩きやすい登山道。ここから東一の腰を経て黒部平までの道のりは基本的に下り基調で、展望ポイントからは青い水をたたえた黒部湖を見下ろすこともできます。ただし大雨時はタンボ沢の増水で通れない場合もあるので、注意しましょう。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • (長野側から)
  • 長野自動車道「安曇野」IC−国道147号→県道45号→扇沢
    ※扇沢で駐車し、立山黒部アルペンルートの公共交通機関を利用して室堂に移動

  • (富山側から)
  • 北陸自動車道「立山」IC―県道3号―県道6号―立山駅駐車場
    ※立山駅に駐車し、立山黒部アルペンルートの公共交通機関を利用して室堂に移動
  • ※黒部平下山後は立山黒部アルペンルートの公共交通機関を利用して室堂に移動

  • ■公共交通機関の場合
    • (長野側から)
    • JR大糸線 信濃大町駅 – アルピコ交通バスに乗り換え – 扇沢下車
    • ※扇沢で駐車し、立山黒部アルペンルートの公共交通機関を利用して室堂に移動

  • (富山側から)
    • JR富山駅 – 富山地方電鉄立山線電鉄に乗り換え 富山駅乗車 – 立山駅下車 – 立山ケーブルカー乗車 – 美女平下車 – 立山高原バス乗車→ 室堂で下車
    • ※黒部平下山後は立山黒部アルペンルートの公共交通機関を利用して室堂に移動するか、長野側の公共交通機関を利用

9.千畳敷カールと木曽駒ヶ岳(長野県)

千畳敷紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※RW=ロープウェイ駅、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★☆☆☆☆

日帰り|約2時間50分

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

千畳敷(50分)→乗越浄土(3分)→宝剣山荘(15分)→中岳(7分)→頂上山荘(20分)→木曽駒ヶ岳(10分)→頂上山荘(13分)→中岳(10分)→宝剣山荘(2分)→乗越浄土(40分)→千畳敷

紅葉の千畳敷カールと宝剣岳
撮影:鷲尾 太輔(紅葉の千畳敷カールと宝剣岳)

中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイで標高2612mまでアクセスできる千畳敷カールも、9月下旬から紅葉を楽しむことができます。太古の氷河によってスプーンでえぐったように侵食されたカール(圏谷・けんこく)の斜面を、鮮やかな紅葉が彩ります

乗越浄土からの宝剣岳
出典:PIXTA(乗越浄土からの宝剣岳)

やや急な登山道を経て乗越浄土まで登れば、眼下に広がる千畳敷カールの紅葉や宝剣岳の鋭峰を一望。ここから中岳(2925m)を越えて、日本百名山の一座である木曽駒ヶ岳(2956m)へ登頂することができます。

ただし乗越浄土から先は主には岩稜帯となり、高山植物の葉が色づいた小規模な草紅葉が点在しているのみです。天候・スケジュール・体力次第では、千畳敷駅直下の剣ヶ池を経てカール内を一周する手軽な散策コースだけでも、色鮮やかな紅葉を楽しむことが可能です。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • 中央自動車道 駒ヶ根IC – 県道75号 – 菅の台バスセンター駐車場 – 伊那バス 駒ヶ岳ロープウェイ線乗車 – しらび平下車 – ロープウェイ駅乗車 – 千畳敷

  • ■公共交通機関の場合
    • JR東海飯田線 駒ヶ根 駅 – 伊那バス 駒ヶ岳ロープウェイ線乗車 – しらび平下車 – ロープウェイ駅乗車 – 千畳敷

10.木曽御嶽山(長野県・岐阜県)

木曽御嶽山紅葉MAP
地図出典:YAMAP、紅葉イラスト出典:PIXTA(※RW=ロープウェイ駅、紅葉イラスト=紅葉エリアの目安)

体力レベル:★★☆☆☆

日帰り|約5時間50分

参考:らくルート

技術的難易度:★★☆☆☆

・急な登下降がある
・案内標識が不十分な箇所が含まれる
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい

凡例:グレーディング表

コース概要

飯森高原駅(10分)→七合目行場山荘(75分)→女人堂(80分)→石室山荘(15分)→覚明堂(10分)→黒沢口十字路(30分)→剣ヶ峰(20分)→黒沢口十字路(5分)→覚明堂(7分)→石室山荘(45分)→女人堂(45分)→七合目行場山荘(8分)→飯森高原駅

木曽御嶽山・八合目付近の紅葉
出典:PIXTA(木曽御嶽山・八合目付近の紅葉)

日本の独立峰としては富士山に次ぐ標高を誇る日本百名山・木曽御嶽山(3067m)も、9月中〜下旬に紅葉の見頃をむかえます。特に色鮮やかなのは八合目にあたる女人堂周辺、初夏は閉鎖されている三ノ池方面へ1kmほど進んだ屏風岩周辺では、ひときわ美しい紅葉の山肌が広がります。

剣ヶ峰からの一ノ池
撮影:鷲尾 太輔(剣ヶ峰からの一ノ池)

紅葉エリアを越えて九合目から山頂である剣ヶ峰付近は、火山灰で覆われた池や火山礫が積み重なる斜面など荒涼とした風景が広がります。この山は2014年9月27日に突如噴火して紅葉登山を楽しんでいた人々を襲い、日本における戦後最悪の火山災害をもたらした山であることを忘れてはいけません。

登山の際には以下のサイトなどから最新の情報の入手し、新設されたシェルターの位置確認やヘルメット着用などの対策をしっかりと行なってから入山してください。

アクセス情報

  • ■クルマの場合
  • (東京方面)
  • 中央道 伊那IC – 国道361号 – 木曽大橋交差点から高山・開田方面 – 御岳ロープウェイ
  • (名古屋・大阪方面)
  • 中央道 中津川IC – 国道19号 – 元橋交差点から御嶽山方面 – 御岳ロープウェイ

  • ■公共交通機関の場合
    • JR木曽福島駅 – おんたけ交通バス – 御岳ロープウェイ下車

ウェアリングもしっかりして安全で楽しい紅葉登山を

初冠雪に覆われた旭岳のチングルマ紅葉
撮影:鷲尾 太輔(初冠雪に覆われた旭岳のチングルマ紅葉)

今回紹介した山々の紅葉がいち早く9月中に色付くのは、緯度や標高が高い=いち早く気温が低くなることが大きな要素です。このため、紅葉真っ盛りの山肌がいきなり雪に覆われることも珍しくはありません。雪は降らなくとも、強風雨で体感気温が低下することもあります。

山岳遭難でも死亡率が高い低体温症を防止するために、これらの山にチャレンジする際にはしっかりと気象予報を確認した上で、身体を「濡らさない」「冷やさない」ウェアリングで、安全にひと足早い紅葉を楽しんでください。

※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。

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