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軽くてコンパクトな寝袋がほしい!夏山登山におすすめなのは?

この夏、数日の休みを利用してテント泊や長期縦走にチャレンジする予定の人も多いのではないでしょうか。
どうしても荷物が多くなりがちなテント泊登山では、寝袋もできるだけ軽量でコンパクトに収納できるものがいいですよね。
まずは、選び方のポイント2つを確認してみましょう。
夏山登山で使う寝袋(シュラフ)の選び方
①対応シーズン|どの時期・どんな山で使う?

寝袋は、対応シーズンによって大きく3つにわけれます。
◆夏用
春から夏山の縦走、夏の北海道や北アルプスなどで使用しやすいモデル
◆3シーズン用(春~秋)
夏用のものに比べて中綿の量が多く保温性が増し、春や秋の夜間など気温が下がる際にも対応できる汎用性が高いモデル
◆冬用
一番ボリュームと重量が大きく、雪のシーンにも対応できる保温力を備えたモデル

夏用と冬用の大きさの違いは一目瞭然。
夏用<3シーズン用<冬用と、対応シーズンが広がるほどにボリュームが増し、重くなる傾向にあります。

夏山で使うなら、夏用または3シーズン用を。
各メーカーがモデルごとに「使用温度目安(耐久温度・快適温度)」を表記しており、一般的には「使用目安温度+5度」を目安に選ぶのがよいとされています。
どのシーズン・どんな気候の山で使用するかを踏まえて選んでみましょう。
軽量さとコンパクトさを求めるなら夏用シュラフがおすすめです。
ただし、山岳地域では天候によって気温が上がりにくかったり、夜間ぐっと冷え込むことも。理想はその時々で夏用と3シーズン用をうまく使い分けたいですね。

収納時のサイズ感は、2Lペットボトルを目安にしましょう。
およそ高さ30cm×幅(直径)15cm程度です。重さは500g~600gほど。
夏は気温が高いので、比較的軽量でコンパクトな寝袋で対応できます。
②中綿の素材|軽量&コンパクトならダウンが優勢!

寝袋の中綿は、「化学繊維(化繊)」と「ダウン」の2種類があります。
化繊は比較的リーズナブルで、水濡れにも強いですが、小さくなりにくく、ダウン製品に比べて重量もあります。
軽量さとコンパクトさを求めるなら、ダウン製品がおすすめです。
ダウンは、ダウンボールやフェザーの間に空気を溜め込むことで温かさを生み出します。
収納する際は、その空気を溜め込む部分を押しつぶすことで空気が抜けるので、小さくコンパクトにすることができるのです。
その反面、ダウンは水濡れに弱いというデメリットも。一度濡れてしまうと乾きづらく、保温力が落ちてしまいます。
テントの結露などでの濡れが心配な場合は、シュラフカバーを併用するとよいでしょう。
はじめての寝袋に人気!<モンベル>ダウンハガーシリーズ

保温性・快適性・軽量性のバランスの良さが人気のモンベルのダウンハガーシリーズ。900FP・800FP・650FPの3種類あり、かさ高を表すフィルパワー(FP)の数値が高いほど保温性があり良質で、軽量かつコンパクトですが、値段は高くなります。

また、モデル名には番号がついており、数字が大きくなるほど夏向け。3シーズン登山やキャンプには#2・#3、夏山登山や夏のキャンプには#5・#7が目安です。
製品名 | ダウンハガー650 | シームレス ダウンハガー800 | ドライ シームレス ダウンハガー900 | ||||
#5 | #3 | #7 | #5 | #3 | #5 | #3 | |
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税込価格 | ¥22,550 | ¥26,400 | ¥26,950 | ¥29,700 | ¥34,100 | ¥44,000 | ¥51,150 |
総重量 | 599g | 720g | 412g | 462g | 555g | 488g | 582g |
収納サイズ | 14×28cm | 15×30cm | 12×24cm | 12×24cm | 13×26cm | 12×24cm | 14×28cm |
快適温度 | 8℃ | 3℃ | 11℃ | 8℃ | 4℃ | 9℃ | 5℃ |
使用可能温度 | 3℃ | -2℃ | 7℃ | 3℃ | -1℃ | 5℃ | 0℃ |
ダウンハガー650 #5/#3
“ダウンハガー650”シリーズは製品名にもある通り、650FPの良質なダウンが封入されています。
モンベル独自のスーパースパイラルストレッチ™システムは、最大伸縮率がなんと124%!就寝中の体の動きを妨げず、圧迫感のない寝心地です。
シームレス ダウンハガー800 #7/#5/#3
シームレスダウンハガーシリーズに封入されているのは高品質のEXダウンで、大きなダウンボールは小羽枝の密度が高く、保温性はもちろん軽くて収納性に優れています。表地には耐久撥水加工が施され、内側にはスーパースパイラルストレッチ システムを採用。
ドライ シームレス ダウンハガー900 #5/#3
シームレス ダウンハガーの上位モデル。軽量性・収納性の他に防水透湿素材(ゴアテックス インフィニアム™ ウインドストッパー® ファブリクス)を採用しています。使用時の蒸れや湿気を逃し、身体もダウンもドライな状態をキープ。防水スリーピングバッグなので、シュラフカバーは不要です。
日本の山岳シーン向け!<イスカ>エアシリーズ

イスカのシュラフは6つのシリーズがあり、その中でも“エア”シリーズは「かるい・ちいさい・あたたかい」をコンセプトに日本の山に対応したシュラフです。そして“エア”シリーズは、「エアドライト」「エアプラス」の2種類のモデルがあります。

6つのシリーズの各シュラフは使用時期によりQUICK CHOISE 1~5の5つに分類され、“エア”シリーズの夏山に相当するのが、QUICK CHOISE 1の夏用・QUICK CHOISE 2の夏秋用・QUICK CHOISE 3のスリーシーズン用。またモデル名に含まれる数字は、封入されているダウン量を表します。
エアドライト 190/290/480
エアを基本に作り出されたエアドライトは、750FPのダックダウンを封入しています。そのダウンには撥水加工が施され、湿気や濡れなどのデメリットを防止。保温性を保ちながら、シュラフ内はドライで快適です。エアドライト290とエアドライト480は、ショートサイズも展開中。
イスカ エアドライト 190
素材 | 生地表:ナイロン100% 生地裏:ナイロン100% 中綿:撥水ダウン |
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重量 | 415g |
羽毛量 | 190g |
FP | 750フィルパワー |
サイズ | 4.5(肩幅)×205(全長)cm |
収納サイズ | 直径12×21cm |
口コミ・レビュー
その辺のキャンプ場なら、ちょっと肌寒い季節位まで対応可能なシェラフだと思います。軽量で携帯性も高く、欠点を探すのが難しいシェラフです。
なお、オマケで付属するコンプレッションバッグは優秀です。
出典: 楽天市場
イスカ エアドライト 290
素材 | 生地表:ナイロン100% 生地裏:ナイロン100% 中綿:撥水ダウン |
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重量 | 560g |
羽毛量 | 290g |
FP | 750フィルパワ- |
サイズ | 78(肩幅)×210(全長)cm |
収納サイズ | 直径14×24cm |
イスカ エアドライト 480
素材 | 生地表:ナイロン100% 生地裏:ナイロン100% |
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重量 | 870g |
羽毛量 | 480g |
FP | 750フィルパワ- |
サイズ | 78(肩幅)×213(全長)cm |
収納サイズ | 直径16×32cm |
エアプラス 280/450
“エアプラス”シリーズは、「かるい・ちいさい・あたたかい」をさらに極めたダウンボールの大きいグースダウンを採用したフラッグシップモデル。かさが高く細かい小羽枝はたくさんの空気を抱えるので、高い保温性のほか軽量性にもつながります。
イスカ エアプラス 280
素材 | 生地表:ナイロン100% 生地裏:ナイロン100% 中綿:ダウン |
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重量 | 550g |
羽毛量 | 280g |
FP | 800フィルパワ- |
サイズ | 78(肩幅)×210(全長)cm |
収納サイズ | 直径14×24cm |
イスカ エアプラス 450
素材 | 生地表:ナイロン100% 生地裏:ナイロン100% 中綿:ダウン |
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重量 | 840g |
羽毛量 | 450g |
FP | 800フィルパワ- |
サイズ | 78(肩幅)×213(全長)cm |
収納サイズ | 直径16×32cm |
最上位モデル!<ナンガ>オーロラライトシリーズ

シュラフカバーのいらない防水シュラフ”オーロラ”を継承しつつ、軽量性と収納性を実現した”オーロラライト”シリーズ。使用する季節によって、夏向けの円筒状のシングルキルト構造・保温性能を活かす四角状のボックスキルト構造・効率良く保温できる台形状のボックスキルト構造を採用しています。

モデル名に含まれる数字は封入されているダウン量を表し、数字が大きくなるほど冬向けになります。夏山には350DX、3シーズン登山には450DXが適しています。
製品名 | オーロラライト | |
350DX | 450DX | |
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税込価格 | ¥37,400 | ¥42,900 |
総重量 | 750g | 865g |
収納サイズ | 13×25cm | 14×30cm |
快適使用温度 | 5℃ | 0℃ |
下限温度 | 0℃ | -5℃ |
FP | 760FP | 760FP |
オーロラライト
防水透湿性を持つナンガ開発の15デニールの“オーロラテックス®”に、15デニールの軽量かつ丈夫なリップストップナイロンを裏地に採用。また“オーロラライト”シリーズはヨーロッパ産のホワイトダックダウン(DX)を使用し、コストパフォーマンスにも優れています。
ナンガ オーロラライト 350DX
素材 | 表地:15dn オーロラテックス® 裏地:15dn リップストップナイロン 中綿:スパニッシュダックダウン90-10% |
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重量 | 730g |
羽毛量 | 350g |
FP | 760フィルパワー |
サイズ | ショート(~身長165㎝) レギュラー(身長166㎝~178㎝) ロング(身長179cm~185㎝) |
収納サイズ | - |
ナンガ オーロラライト 450DX
素材 | 表地:15dn オーロラテックス® 裏地:15dn リップストップナイロン 中綿:スパニッシュダックダウン90-10% |
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重量 | 865g |
羽毛量 | 450g |
FP | 760フィルパワー |
サイズ | ショート(~身長165㎝) レギュラー(身長166㎝~178㎝) ロング(身長179cm~185㎝) |
収納サイズ | 直径14×30cm |
コスパを追求したい人に最適!<タケモ>のダウンシュラフ

生地やダウンなどの素材と、快適に使用できるような構造にこだわりながらネット販売のみに限定し、「本物と呼べる良いものをより安く!」を実現。シュラフメーカーに30年勤務した創立者のノウハウが詰まった、こだわりのシュラフを展開しています。

数字が大きくなるほど冬向けで、夏山にはNo2、スリーシーズン登山には3と5が対応。また、モデル名に含まれる数字は封入されているダウン量を表し、スリーピングバッグ2なら200g、スリーピングバッグ5なら500gです。
製品名 | スリーピングバッグ | ||
2 | 3 | 5 | |
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税込価格 | ¥20,900 | ¥24,200 | ¥30,800 |
重量 | 約500g | 約730g | 約960g |
収納サイズ | 13×25cm | 15×28cm | 17×34cm |
最低使用温度 | 8℃ | 2℃ | ー6℃ |
FP | 750FP | 750FP | 750FP |
スリーピングバッグ
表地と裏地には、とても軽くて丈夫な20デニールのポリエステルに撥水加工を施し、ダウンは高品質の750FPのホワイトダックダウンを封入。シングル構造やボックス構造、またネックチューブなど、スリーピングバッグのモデルによって最適な機能を余すことなく採用されています。
タケモ スリーピングバッグ 2
素材 | 表地:ポリエステル100% 裏地:ポリエステル100% 中綿:ホワイトダックダウン(ダウン90%、フェザー10%) |
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重量 | 500g |
羽毛量 | 200g |
FP | 750フィルパワー |
サイズ | 内周囲・肩回り:158cm 全長:205cm 足元回り:104cm |
収納サイズ | 直径13cm×25cm |
タケモ スリーピングバッグ 3
素材 | 表地:ポリエステル100% 裏地:ポリエステル100% 中綿:ホワイトダックダウン(ダウン90%、フェザー10%) |
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重量 | 730g |
羽毛量 | 300g |
FP | 750フィルパワー |
サイズ | 内周囲・肩回り:158cm 全長:205cm 足元回り:104cm |
収納サイズ | 直径15cm×28cm |
タケモ スリーピングバッグ 5
素材 | 表地:ポリエステル100% 裏地:ポリエステル100% 中綿:ホワイトダックダウン(ダウン90%、フェザー10%) |
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重量 | 960g |
羽毛量 | 500g |
FP | 750フィルパワー |
サイズ | 内周囲・肩回り:158cm 全長:205cm 足元回り:104cm |
収納サイズ | 直径17cm×34cm |
1万円台!ひとまず安い寝袋を試してみたいなら……

シュラフは登山装備の中でも、それなりの価格になってしまうものの一つ。
「頻繁にテント泊するかまだ分からない」「本格的なシュラフを買う前に、一度安いシュラフで試してみたい」と言う人は、1万円台のシュラフを検討してみるのも一つの手です。
Naturehike CW 400
素材 | 生地:20D400Tナイロン 中綿:ダウン |
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重量 | M:0.91kg L:0.93kg |
羽毛量 | 400g |
FP | 750フィルパワー |
サイズ | M:75(肩幅)×210(全長)cm L:85(肩幅)×220(全長)cm |
収納サイズ | 直径18×35cm |
3シーズン用向けの封筒型シュラフ。750FPのグースダウンが400g封入されていながら、1万円台の価格で販売されています。
ダブルファスナーで、寝ながらシュラフ内の温度調整が可能です。
秘密兵器「コンプレッションバッグ」でさらにコンパクトに!

もっとコンパクトになればいいのに……そんなときは、圧縮して体積を小さくできる「コンプレッションバッグ」を活用してみましょう。
イスカ ウルトラライト コンプレッションバッグS
素材 | 生地 : ナイロン100% |
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サイズ | 直径15×40cm |
重量 | 120g |
口コミ・レビュー
ダウンシュラフ用に購入しました。
高さを縮めるか、径を細くするかで悩み、たかさを縮めるこちらを選びました。
届いて早速シュラフを入れてコンプレッション。
元々のスタッフバッグに入っていた時の半分の高さにまで縮める事ができました。
こんなに小さくできるんだぁ~と感動。
使い方も簡単。
山行はできるだけコンパクトに…ですよね
出典: 楽天市場
サイドのベルトを使い、締め加減によって半分以下の容量まで圧縮できるコンプレッションバック。
引き裂きに強く、耐摩耗性に優れたシリコナイズド・コーデュラを採用しています。
シートゥサミット ライトウェイトコンプレッションサック
素材 | bluesign®認証70D PUコーテッドリサイクルナイロン + C0-PFCフリー撥水加工 |
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サイズ | 5リットル:29.6x15.2x15.2cm 8リットル:35.5x18.1x18.1cm 13リットル:43.3x20.5x20.5cm 20リットル:47.5x24x24cm 35リットル:57.8x28.8x28.8cm |
重量 | 5リットル:68g 8リットル:86g 13リットル:112g 20リットル:134g 35リットル:167g |
24本のストラップで、2/3以下の容量にまで中身を圧縮できるコンプレッションバッグ。
バックパックに滑り込ませやすい、摩擦の少ない生地を採用しています。
軽くてコンパクトなシュラフは、夏山登山を快適にしてくれる!

重いテント泊装備を担いで長時間歩くのは大変ではありますが、そのぶん夏山の魅力を存分に堪能することもできます。寝袋やマットは、しっかりと睡眠をとってそれまでの肉体疲労を軽減し回復するための大切なアイテム。紹介したシュラフは、それぞれメーカーごとに特徴がありますが、初めてのシュラフにもぴったりです。ぜひ気になったシュラフを手に取って、夏山でのテント泊を快適に過ごしましょう。