「山の天気Ch.」を使い倒してわかった5つの機能
さっそく検証を兼ねて有料会員登録をし、実際に「山の天気Ch.」を使い倒してみました。まずは、各機能を細かく確認してわかった、登山に有効な5つの機能を紹介します。
①天気がいい山はどこ?がわかる「山の天気マップ」

「晴れ予報の山に登りたい!」 そんな誰もが思う山選びで便利なのが「山の天気マップ」。登山口・山頂それぞれの天気を、日本地図からズームしながら探すことができます。
行きたいエリア内で「天気がいい山に登る」、「悪天候の山は避ける」という探し方ができるのは便利ですよね。
②登山計画に便利な「登山口と山頂の天気予報」

登りたい山ごとに登山口と山頂で天気の表示を切り替えることができ、日別・時間別で詳細に予報。複数登山口がある場合でも、それぞれの予報を確認できます。
予報期間や間隔、予報内容は下記のとおり。
日別予報
細かく時間を区切って確認することはできませんが、1週間以上前から予報が出ているので、事前に服装や装備の計画を立てる参考にできます。

時間別予報
1時間単位で天気の移り変わりがわかるため、入山や下山の時刻、テント場や小屋への到着タイミングの計画に役立ちます。

このうち、特に特徴的なのが登山リスクと服装です。

- 登山リスク
気象条件を総合的に判断した指標。登山には問題ない、悪天候の可能性あり、悪天候の予想、気象遭難のリスクの4パターンに分けてアイコンで教えてくれます。 - 服装
着用の目安となるミドルウェアの指標で、半袖、長袖シャツ、フリース、ダウンの4パターンからイラストで教えてくれます。

例えば、上の画像のような予報の場合、晴れ予報ではあるものの風速はかなり強めの21m/s。これを裏付けるかのように服装は防寒対策が必要で、時間帯によっては悪天候になる可能性が高いことを示しています。
天気だけでなく服装や登山リスクを把握することで登山計画や準備に活かすことができ、安全で快適な登山が実現できます。
③山頂の展望がわかる便利な「霧」予報

山の天気Ch.には一般の天気予報と違う「霧」の予報があります。山の場合、一般の天気予報では晴れの予報でも山頂は雲に覆われ霧になっていることはよくあるので、ここまで細かく予報してくれるのはとても便利です。

こちらは実際に山頂が霧だった時の画像です。
時刻はちょうど12時だったので霧の中。予報通り残念な眺望でした。このあと15時ごろになれば霧が晴れる予報になっているので、もう少ししたら眺望が望めたかもしれません。
山頂で絶景を楽しみたいなら、山頂天気を参考に、霧予報が無い日や時間帯に登頂するように計画しましょう。
登山では霧による道迷い遭難の危険もあるので、事前に予報で知っておけばしっかりとルートを確認したり、別ルートを検討したりすることもできそうですね。
④登山計画の検討に使える「山レーダー」

登山での行動時、天気は晴れでも気をつけたいのが「風の強さ」。山岳地形の複雑さから風の向きや強さを予想することは難しいですが、「山レーダー」は、3日後までの風向と風速を細かくシミュレートするウェザーニュース独自の機能です。
うまく活用すれば、強風の稜線から谷側のルートに変更したり、行動する時間を調整したりすることができます。

上の画像は、ある日の北アルプス穂高岳周辺の山レーダー。稜線上、7時ごろは北西から強風が吹きますが、8時ごろには比較的穏やかになるので、8時以降に通過するなどその日の行程の判断に役立てることができそうですね。
ただし、ポイントになる山名や地名が見えにくいのが難点。また、2025年6月現在、山頂の天気予報をしている山すべてをカバーしておらず、有名な山や代表的な山のみとなっています。今後のアップデートを期待したいところです。
⑤山の天気が一覧形式でわかる「マイ山リスト」

よく登るお気に入り山を登録しておけば、アプリ起動後すぐに天気予報を確認できます。そのほか、登りたい山候補をマイ山リストに登録すれば、それぞれの天気と気温を7日分、一括で比較して登る山を決定することも可能です。
実際に使ってみて気になったポイントは、好きな山の順番に並び替えられないこと。自分で順番を変更できるようになれば、もっと便利に使えそうです。
他の登山天気情報サービスと比較してみた

※山の天気Ch.|AppStore決済の場合は月額360円、GooglePlayストア決済の場合は315円
代表的な山の天気予報サービスを比較してみました。どのサービスも登山に便利な天気予報をわかりやすく確認できますが、それぞれ特徴は異なります。
例えばヤマテンは対象山岳数は少ない分、専門的な情報が多く、より詳細に気象情報を知りたい人や、天気図を理解できる人には特に最適な印象です。
「山の天気Ch.」は、最適な登山ウェア選びに迷う初心者(服装予報)から、風の状況から登山計画を立てられる上級者(山レーダー)まで、幅広い登山者に向いているサービスといえるでしょう。
山の天気Ch.の活用シーンまとめ
- サッと週末に登る山を選びたい →「山の天気マップ」
- 登山口と山頂の天候から登山リスクや服装を知りたい人 →「登山口と山頂の天気予報」
- 山頂の展望にこだわりたい人 → 「霧予報」
- 登山ルートの風予測を把握し、計画に活かしたい人 → 「山レーダー」
- いつもの山の天気をまとめておきたい人 →「マイ山リスト」
「山の天気Ch.」の便利な使い方と注意点
筆者が山の天気Ch.をいろいろと使い倒してわかった、便利な使い方や注意点を紹介します。
アプリのトップページを山の天気Ch.にするとより便利

マイ天気のトップページ編集で「山の天気」を設定すると、アプリ起動時にすぐに山の天気Ch.を表示することができます。例えば、普段は住んでいる地域の天気予報、登山準備時は山の天気Ch.を設定しておけば、必要な時に、必要な天気予報を素早く確認できて便利です。
携帯電波圏外に注意!前もってスクショがおすすめ

当然ですが、使っている携帯キャリアの通信サービス圏外であれば使えません。特に山の中は電波が届かなかったり弱かったりするポイントが多く、圏外になることがあるので注意しましょう。
天気は登山前、自宅やサービスエリア内で確認しておき、スクリーンショットしてキャプチャ画像を保存しておけば、イザという時に便利です。
「山の天気Ch.」で、もっと登山を楽しもう!

実は筆者も登山するとき、一般の天気予報を利用して経験則で天気を予想していました。もちろん気象に関しては素人なので、登山口に着いたら雨で登山を中止したことも。今回紹介した「山の天気Ch.」を使えば、前もって高い精度で確認でき、そんなガッカリが少なくなるかもしれません。
みなさんも「山の天気Ch.」で、もっと登山を楽しんでみませんか?
山と渓谷社 山岳気象大全((山岳大全シリーズ 2)
著者 | 猪熊 隆之 |
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山と渓谷社 山登りABC 山の天気リスクマネジメント
著者 | 猪熊 隆之、廣田 勇介 |
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山と渓谷社 山の観天望気 雲が教えてくれる山の天気
著者 | 猪熊 隆之、海保 芽生 |
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山と溪谷社 山の天気にだまされるな
著者 | 猪熊 隆之 |
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山と渓谷社 山岳気象遭難の真実 過去と未来を繋いで遭難事故をなくす
著者 | 大矢 康裕 |
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監修者 | 吉野 純 |