記事内の写真撮影すべて:鈴木千花
YAMA HACK初!クリーンナップイベントを開催

2025年4月20日(日)、YAMA HACKはMt.TAKAO BASE CAMPと一緒に、アースデイイベント「クリーンナップハイキング」を開催しました。
高尾の自然を楽しみながら、道中でゴミを拾うこのイベント。ハイキングのあとは、Mt.TAKAO BASE CAMPに集まり、参加者とスタッフが感じたことを語り合いました。
今回はその様子を、イベントレポートとしてお届けします。

イベント当日は、登山初心者からベテランの方、親子連れまで、幅広い層のみなさんが参加。
自然の中を歩きながら、環境について考えるきっかけにもなり、楽しさと学びがつまった一日となりました。
「やってみる」はやっぱり大切!ゴミを拾ってわかったことは?

実際にゴミを拾って歩いてみると「ゴミの量」や「ゴミの種類」など、各々の気づきがあったようです。
「捨てた」ではなく「落ちてしまった」ゴミ

「誰かがわざと捨てた」というより、「うっかり落ちた」ようなゴミが多かったと語る参加者が多数。
自分自身が「うっかり落とした人」にならないように、行動を見直す機会にもなりました。
正直、ゴミ少ないなって思いました。
でも、それって意識してゴミを拾ったり、落とさないようにしたりしている人がいるからなんだろうなって。
当たり前のことかもしれないですが、それって凄いことだなって思います。
明らかに「捨てたゴミ」というよりも、「あ、落としちゃったのかな?」とか、「無意識で落ちたのかも」と思うようなゴミがすごく多いと感じました。
私も山でジェルを食べることがあるので、普段は袋をポケットにしまったりしています。でも、もしかしたら自分も気づかないうちに落としているかもしれないと思ったので、「必ずジッパー付きのポケットに入れよう」とか、「ゴミを落とさない工夫って大事だな」と感じました。
やっぱり、山のふもとと山の中では、落ちているゴミの種類や量が全然違うんだなと感じました。
山の中に落ちているのは、小さなゴミや雨で濡れたものが多くて、「あ、落としちゃったのかな」と思うものばかり。
でも、道に落ちていたタバコの吸い殻なんかは、明らかに誰かが捨てたものですよね。
山や地球の環境をきれいにするのも、逆に汚すのも、結局は人次第なんだなって、改めて強く感じました。
「ゴミをジッパー付きの袋を使う」や「お菓子の包装紙をできるだけ外してから持ってくる」などの小さな積み重ねが、山のきれいを保つ力になりそうですね。
拾っている姿が周りにも影響を与える

参加者
途中で、年配の女性の方から「お疲れ様」って声をかけてもらいました。そんなふうに、活動している姿を見てくれる人がいることが、うれしかったです。
それだけでも、ゴミを落とさせない、捨てさせないための一つのアクションになるのかなと。
こういったイベントに参加する人は、「今日はゴミを拾おう」という意識を持って集まっています。
でも、登山者やハイカー全体で見ると、そうした意識を持つ人は、まだそれほど多くないのが現状です。
ただ、「山を歩いていてゴミが落ちていると嫌だな」と感じる人は、きっとたくさんいるはず。
だからこそ、誰かがゴミを拾っている姿を見かけることで、「自分もやってみようかな」と思うきっかけになるかもしれません。
ゴミ拾いが楽しい!で理由はOK

何人かの方と話したんですけど、「ゴミ拾いって、ゲーム感覚ですごく楽しい!」っていう声があって、すごく印象的でした。
「いいことをしよう」って気持ちだけじゃなくて、「これ、やってみたらけっこう楽しいよね」っていう感覚から広がっていくのもアリだなって思ったんです。
だからこそ、楽しみながらゴミ拾いをする。そんなスタイルで、もっと広がっていったらいいなと感じました。
“エコ”という言葉に縛られず、「キレイな道を歩きたい」 「気持ちよく登りたい」、そんな思いから始めるのもありですね。
山だけではなく、街でも

山の中にゴミがないと、歩いていて本当に気持ちいいんですよね。だからこそ、その気持ちが街に降りても続いてくれたらいいなって思います。
今回、山でゴミを拾って、「自然っていいな」 「ゴミのない世界って気持ちいいな」と感じたことを、ぜひ日常の暮らしにもつなげていきたいです。
「山の中ではゴミに敏感だったのに、街に戻った瞬間に気が抜けていた」という参加者の言葉が印象的でした。
きれいだったら嬉しいなという気持ちを、登山だけじゃなく日常にも広げていきましょう。
やりたいと思ったらまずはやってみよう

ゴミを拾うことは、特別なことではありません。「登山のとき、気づいたら拾う」だけでも十分です。
誰かの背中を見て、自分もやってみようと思ったなら、その一歩が、自然と自分の未来を変えていきます。
次に山を歩くとき、ポケットにゴミ袋をひとつ。
あなたの小さなアクションが、きれいな山を未来に残す力になります。

ゴミを拾うときは、できる限り登山道を外れないようにしましょう。もちろん、ゴミを拾うことも大切ですが、登山道を外れることで怪我や遭難の可能性が出てきたり、大切な植生を荒らしてしまうことにもつながりかねません。
ゴミを拾うことではなく「美しい自然環境をつないでいくこと」を忘れずに、できる行動から始めてみましょう。
「どんなことができるのか?」を誰かと話すことも、立派なアクションです。
取材協力:Mt.TAKAO BASE CAMP