これだけはやっておくべし!腰痛予防におすすめのストレッチとケア
腰痛予防には、腰とここまで紹介してきた周辺の筋肉をストレッチしたり、ほぐしたりすることが有用です。登山前・登山中・下山後にやっておきたい、部位ごとのストレッチ法を紹介します。
登山前|腰と股関節をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
腰に手をあてて、股関節をできるだけ大きく回します。身体の中心を支える部位であるため、足の動きが良くなり、身体のバランスを整えることができます。
登山中①|背中〜腰を伸ばす

撮影:YAMA HACK編集部
テーブルなどに手を置いて、背中を伸ばします。背中を反らすのではなく、お尻の方向に引っ張るようなイメージで行ないましょう。
登山中②|大腿四頭筋をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
柱や壁につかまってバランスをとりながら、大腿四頭筋(太もも前側)を伸ばしていきます。足の向きを内側や外側に変えて、全体を万遍なく伸ばすのが◎。
登山中③|ハムストリングスを伸ばす

撮影:YAMA HACK編集部
つま先を上げて膝をおさえ、ハムストリングス(太もも後側)を伸ばしていきます。きついようであればつま先は地面につけてもOKです。
登山中④|お尻の筋肉を伸ばす

撮影:YAMA HACK編集部
ストレスを感じて伸ばしたいお尻側の足を前に曲げて置き、体をゆっくり前に倒します。痛いと感じる手前で止めて、呼吸をしながら、しっかりとお尻の筋肉を伸ばします。
下山後①|膝周り・太ももの筋肉をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
膝から始まり、太ももの内側・太ももの外側の順に、登山で硬くなった筋肉を指先や手のひらでほぐしていきます。
下山後②|股関節をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
寝転がった状態で膝を曲げ、力を抜いて呼吸をしながら足を外側に開いたり閉じたりします。大きな血管が集中している股関節の柔軟性を高めることで血流が促進され、老廃物が排出しやすくなる効果も期待できます。
下山後③|大腿四頭筋をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
登山中に行なうストレッチと同じです。柱や壁につかまってバランスをとり、足の向きを内側や外側に変えながら、太もも全体を万遍なく伸ばしていきます。
下山後④|腹筋をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
登山時に姿勢を維持するためずっとに緊張していた腹筋を指先でほぐしていきます。椅子やザックの上に足を乗せて、腹筋がリラックスした状態で行ないましょう。
下山後⑤|ボールを使って疲れている部位をほぐす

撮影:YAMA HACK編集部
野球ボールやテニスボールなどがあれば、硬くなっている部位の下に置いて上から体重をかけることで、自重によってほぐすことも可能です。ふくらはぎや太もも、お尻、お腹など、疲れているところや痛いところの筋肉を緩めていきます。
もしも登山中に腰が痛くなってしまったら……?

ここまでのストレッチやケアを行なっても登山中に腰が痛くなってしまった場合、患部に直接作用する背中〜腰を伸ばす運動を念入りに行なってください。
ただし、なかなか改善しない場合に行動を続けることは賢明ではありません。仲間がいれば荷物を一部でも持ってもらい少しでも軽量化(=腰への負担軽減)を図るか、早めに下山した方がよいでしょう。
腰のストレスから解放されて快適な登山を楽しもう!

今回紹介したようにハードなトレーニングではなく、バランスのよい歩行を心がけたり、心地よいケアやストレッチを行なったりすることで、腰痛になりにくい“腰まわりの柔軟性”の向上が可能です。
直立して二足歩行する人間にとっては、登山だけでなく日常生活においても重要な部位が腰。ストレスを少しでも軽減して、快適な登山を楽しんでください。
登山の運動生理学とトレーニング学
著者 | 山本 正嘉 |
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登山と身体の科学 運動生理学から見た合理的な登山術
著者 | 山本 正嘉 |
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