自在金具の取り付けはペグ側?それともテント側?

テント泊を何度か経験している人の中には、自在金具の取り付けをペグ側とテント側のどちらにしたらいいのかと、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。
たいていの山岳用テントは、出荷時にガイロープのペグ側に自在金具が取り付けられているため、そのまま使っている人も多いかと思います。しかし、ケースバイケースでテント側に自在金具を取り付けるのも有効なんです!
テント側に取り付けるメリット

テント側に自在金具を取り付けるメリットは大きく2つ。
◆ペグがぐらつきにくい
テント側でガイロープの張り具合を調整できるので、ペグ側で調節する場合と比べて、ペグがぐらつきにくくなります。地面が固くてペグが深く刺さらなかったり、柔らかい土で抜けやすかったりする場合に比較的有効です。
◆雪山で使いやすい
雪山では基本的にペグダウンができないため、板状や袋状のものを雪に埋めて支点として使います。ペグ側に自在金具があると、ガイロープが雪に埋まり調節が困難になる可能性も。そのため、雪山ではテント側に取り付けるのが一般的です。
どちら側に付けても間違いではありませんが、シーンによって使い分けるのがベストでしょう。これまで購入時のままペグ側で使ってきた人も、一度テント側に取り付けて使い勝手を試してみるのも良いでしょう。
カラビナを付ければ、擦れを防げて便利

テント側に取り付ける場合、ガイロープの摩擦によるテントループの擦れが気になるはずです。その対策として筆者がやっているのが、小型カラビナをループに取り付けること。
ループが切れるリスクも減らせますし、ループと自在金具の輪にカラビナをフックするだけなので、自在金具を結び直す手間もなくおすすめです。
自在金具がない!そんなときは「自在結び」で解決

テント場に到着し、いざ設営を始めたら「自在金具がない!」なんてことも。そんなときに役立つのが、「自在結び(トートラインヒッチ)」というロープワーク。
結び目をスライドさせることでロープの張り具合を自由に調整でき、自在金具と同様の役割を果たします。テントの設営以外にも役立つ技術なので、覚えておくと何かと便利です。
自在結びのロープワークを紹介
まずは一連の動きを見て、結び方をイメージしてみましょう。

初めは戸惑うかもしれませんが、構造はシンプルです。「反時計回りに4回巻きつける」がポイントです。
結び方の手順

ロープをアンカーに通します。短いと結びにくいので、先端を50cm程度引き伸ばしておきましょう。

軸となるロープを跨ぎます。

軸のロープを中心に、アンカー側へ向かって反時計回りに一周します。

一周巻きつけたらロープを引き伸ばします。これで一つ結び目ができました。

結び目から20cmほど距離をとり、再び軸のロープを跨ぎます。

軸のロープを中心に、アンカー側へ向かって反時計回りに巻きつけます。2回目の「反時計巻き」です。

そのままもう1周、反時計回りに巻きつけます。これで3度目の「反時計巻き」です。

巻いたロープを跨ぐように、手前側(左側)へ移動します。

ここで4回目の「反時計巻き」をします。これまで同じく、アンカー側へ向かって。

最後に結び目をしっかり締め付けたら完成!締めるときは結び目をつまみながら先端を引っ張るのがポイントです。
ガイロープはどんなものを選べばいい?

ガイロープは擦れや使用頻度など、劣化により切れてしまう場合も。そのため、テント泊の際は予備のガイロープを用意しておくことも万が一の対策の一つです。
そこで気になるのがガイロープの太さ。一般的に山岳用テントは3mm程度が主流。ULタイプのテントやシェルターでは2mmほどのガイロープが採用されているものもありますが、細すぎると自在金具が抜けてしまう場合もあるので気をつけましょう。
登山ショップではメーター単位で売っているので、1本2m程度を目安にガイロープを買って、好きな自在金具を付けるのもいいアイデアです。メーカーによっては、ガイロープと自在金具がセットで販売されている場合もあるので、それを選ぶと手軽ですよ。
ガイロープ&自在金具を使いこなそう!

出典:PIXTA
テント泊は大自然の中で過ごす特別な時間。そんな素敵な体験を安心して楽しむためにも、ガイロープと自在金具の使い方を理解しておくことは大切です。ほんの少しの工夫と知識で、テントで過ごす夜の快適さがぐっとアップするはず。
ガイロープと自在金具の使い方をマスターして、次のテント泊を、より素敵な体験にしてみませんか。
エリッゼステーク アルミ自在金具
内容 | 10個入り |
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素材 | アルミニウム |
穴の直径 | (約)6.0mm、板厚:(約)2.0mm |
全体のサイズ | (約)長さ39.4×幅16mm |
uxcell テントロープバックル 5.4mm 12個入り
内容 | 12個 |
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素材 | プラスチック |
穴の直径 | 5.4mm |
全体のサイズ | L36×W13×H4.2mm |
finetrack ガイライン2m蓄光自在付(カミナドーム1、2、4共通)
内容 | 2m×1本、蓄光自在×1 |
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