コース詳細ガイド

今回はコースを3つのセクションに分けて紹介します。
セクション①:大倉〜戸沢出合(135分)
セクション②:戸沢出合〜政次郎尾根分岐(140分)
セクション③:政次郎尾根分岐〜塔ノ岳(90分)
*各セクションをクリックすると、そのセクションへジャンプします
セクション①:大倉〜戸沢出合(135分)

このセクションは、すべて戸川林道沿いを歩きます。コンクリートと砂利道が混在するゆるやかな上り坂で歩きやすいものの、クルマの通行もあります。特に見通しの悪いカーブ前後でエンジン音が聴こえたら、立ち止まって路肩に避けると安全です。

大倉バス停から秦野戸川公園の中を通り、風の吊橋で塔ノ岳が源流となる水無川を渡ります。対岸の奥には表尾根に連なる三ノ塔(1205m)・ニノ塔(1141m)がそびえています。

風の吊橋を渡り終えたら左手後ろへ180度振り返り、この階段を下ります。

階段を下り切ったら右手へ、アスファルト舗装された綺麗な車道を進みます。

左へ下ると滝沢園キャンプ場へ至る分岐。こちらを右手に進むと、戸川林道が始まります。

戸川林道はこのように斜面中腹を切り開いて作られた道です。水無川を挟んで対岸には、長大な大倉尾根な延びています。

左手へ下ると一般者は立入禁止の水道施設との分岐です。戸川林道は右手へ続きます。

路肩には、丹沢大山国定公園の立派な碑が建っています。地図も掲示されているので、表丹沢周辺の概略を確認していくのもよいでしょう。

右側の斜面から湧水が出ている竜神の泉です。秦野盆地湧水群として環境庁の名水百選にもなっていますが、天然の湧水のため飲用するには煮沸消毒が必要です。

戸川林道はほとんどが山の斜面に沿って続いていますが、この部分だけは太い尾根を切り開いて道を通したようです。

沢を橋でまたぐ箇所では、上流に砂防堰堤や滝が流れています。奥に見える稜線は、三ノ塔から大倉へ下るロングコース・三ノ塔尾根です。

一般車両は通行禁止の林道表丹沢線が、右手から合流します。

比較的大きな無料駐車スペースの先に、新茅荘があります。戸沢出合駐車場まであと1km弱なので、こちらに駐車してもよいでしょう。

ヘアピンカーブが連続する箇所を通過すると、戸川林道の終点が近づいてきます。

バリエーションルートである烏尾山仲尾根ルートの登山口を過ぎると作治小屋です。道の両側に建物があります。

いよいよこのセクションのゴールです。左手に下っていくと戸沢山荘と戸沢出合駐車場が、右手に進んでいくと花立戸沢休憩所の先に、政次郎尾根の登山口があります。
セクション②:戸沢出合〜政次郎尾根分岐(140分)

このセクションでは、今回の核心である政次郎尾根を登ります。岩場・ガレ場が多く急傾斜の稜線が続きますが、ところどころから周囲の山の眺望も広がります。

花立戸沢休憩所から進み、この道標で林道と分かれて右手へ進んでいきます。

戸沢に沿って河原を進みます。ルートはやや不明瞭ですが岩を伝って対岸に出ることができ、増水時以外は渡渉する必要もありません。

対岸に渡ったら、奥に見える砂防堰堤をめざしてさらに河原を登っていきます。

砂防堰堤が近づいたら、ぐるりと左へターン。針葉樹林帯の中へと政次郎尾根の登山道が続いています。

最初の試練は、土のうで補強された丸太の階段です。しばらくはこの階段を登ります。

政次郎尾根は、東の戸沢と西の本谷沢の分水嶺です。はじめのうちは本谷沢側に登山道がつけられており、対岸には大倉尾根の稜線が見えます。

いったん傾斜がややなだらかになり、針葉樹林帯の中の尾根を進んでいきます。

続いて、登山道は戸沢側になります。右奥にそびえているのは表尾根の一座である烏尾山(1136m)です。

登山道は、ふたたび急傾斜となり木の根が露出した尾根を登っていきます。

この箇所は複数本の丸太を組み合わせた階段です。一段あたりの段差が大きいので真っ直ぐ登らず、なるべく両端の段差が少ない場所を進みましょう。一部では一段ずつの木製階段も並行して設置されています。

このあたりは、尾根上が溝のようにえぐれた洗堀状の登山道となります。

尾根が太くなり、西側から東側へとトラバースします。

植生保護柵沿いをジグザグに登りながら、高度を稼いでいきます。

登山道は尾根の西側に戻り、奥には塔ノ岳が見えてきます。

長らく続いてきた木製階段も、このあたりが最後になります。

周囲の植生は針葉樹林帯であることに変わりはありませんが、足元はやや大きな岩石が点在するガレ場になります。

針葉樹林帯を抜けて、広葉樹林の灌木帯へと入ります。足元はさらに険しい岩場となります。

岩場を登っていくと、前方には表尾根に連なる行者ヶ岳(1181m)を望むことができます。

尾根上の登山道は終わり、西側斜面をトラバースしながら登っていきます。道幅も狭いので、谷側への転滑落に注意して歩きましょう。

ついに表尾根コースと合流します。次のセクションでは左へ進み、塔ノ岳をめざします。
セクション③:政次郎尾根分岐〜塔ノ岳(90分)

このセクションでは、ヤビツ峠から塔ノ岳をめざす表尾根を歩きます。新大日・木ノ又大日をはじめとする3つのピークを登降するルートです。

表尾根コースと合流したら、稜線上の木道を歩きます。

木道が終わると、登山道はガレ場の登りへと変わります。

新大日への広い稜線上に、ガレ場が続きます。登山道は明瞭なので、浮石での転倒や落石に注意して進みましょう。

書策(かいさく)小屋跡にはベンチが複数設置されており、めざす塔ノ岳への稜線を眺望できます。

新大日へは木道を歩いて登ります。

長尾尾根コースと合流する新大日。ベンチや道標が整備されています。

新大日からは木道をゆるやかに下り、木ノ又小屋へと登り返します。

木ノ又小屋へ到着です。営業は原則として土・日曜日ですが宿泊も可能です。水場や電源もない昔ながらの山小屋。利用の際は山小屋予約サイト・Yamatanで事前に予約してください。

木ノ又小屋の先にあるピーク・木ノ又大日を木道で越えます。

木ノ又大日から下った鞍部は、南側の崩壊が進行しています。稜線の北側に設けられた木道・木製階段を経て通過します。

崩落地の鞍部を越えたら、木道を歩いて小さなピークを越えます。

塔ノ岳への最後の登りが始まります。一部に鎖が設置されたガレ場を登っていきます。

前方に、塔ノ岳山頂の尊仏山荘が見えてきました。ガレ場の登りが続きます。

灌木帯を登っていくと、ソーラーパネルが見えてきます。塔ノ岳山頂までは間近です。

尊仏山荘がある塔ノ岳に到着です。山頂からは、全方位の眺望を楽しむことができます。

西南西方向には、日本最高峰・富士山が堂々とそびえています。

南東には鍋割山稜、北西には日本百名山・丹沢山(1567m)や丹沢最高峰・蛭ヶ岳(1673m)を一望。丹沢山塊の奥深さを感じ取ることができます。
塔ノ岳の天気と地図をチェック
塔ノ岳のふもと(秦野市)の10日間天気
日付 | 09月17日 (水) | 09月18日 (木) | 09月19日 (金) | 09月20日 (土) | 09月21日 (日) | 09月22日 (月) | 09月23日 (火) | 09月24日 (水) | 09月25日 (木) | 09月26日 (金) |
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天気 | ![]() 晴 | ![]() 晴のち雨 | ![]() 雨のち曇 | ![]() 雨のち曇 | ![]() 晴のち曇 | ![]() 曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 曇 | ![]() 曇時々晴 |
気温 (℃) | 35 24 | 36 25 | 25 20 | 25 19 | 30 21 | 26 20 | 26 17 | 26 17 | 25 18 | 29 21 |
降水 確率 | 0% | 100% | 100% | 80% | 40% | 30% | 20% | 30% | 40% | 20% |
データ提供元:日本気象協会
塔ノ岳の登山指数
日付 | 09月17日 (水) | 09月18日 (木) | 09月19日 (金) | 09月20日 (土) | 09月21日 (日) | 09月22日 (月) |
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登山 指数 |
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登山指数の留意点
登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。
- 雷の発生の可能性
- 前日の天気による道のぬかるみ
- 局地的大雨
- 土砂災害の発生の可能性
- 雪崩の発生の可能性
- 噴火の可能性
- 積雪の有無
- 濃霧
- 低温または高温
- 虫やヒルなどの発生状況
山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。
データ提供元:日本気象株式会社
塔ノ岳周辺の地図
車で行ける最短コースですが、戸川林道の通行は慎重に

セクション①を歩くことなくクルマで戸沢出合までアプローチできる戸川林道ですが、道幅が狭く起伏も激しい未舗装の道路となります。車高が低い車種だと底を擦ったり、タイヤやホイールの破損リスクも高まります。
もちろん歩行者の往来や対向車とのすれ違いもあり、カーブミラーもないので交通事故の危険性も。クルマで通行するのが当たり前だとは考えず、この林道に慣れた地元のタクシーに乗車するか、まずは大倉から歩いてみることをおすすめします。
※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。