コース詳細ガイド

今回はコースを4つのセクションに分けて紹介します。
セクション①:大倉〜二俣(125分)
セクション②:二俣〜後沢乗越(80分)
セクション③:後沢乗越〜鍋割山(110分)
セクション④:鍋割山〜塔ノ岳(100分)
*各セクションをクリックすると、そのセクションへジャンプします
セクション①:大倉〜二俣(125分)

このセクションでは、大倉から一般道を経由して西山林道を歩きます。二俣で勘七沢を渡った先で、小丸尾根と鍋割山への道が分岐します。

大倉バス停から県道706号線を横断歩道で渡り、左奥の道へと進みます。

大倉自治会館を右手に見ながら、カーブして畑や住宅街の中を進みます。

この道標を目印に左へ進み、林道へと入っていきます。

鹿の往来を防ぐために設けられた防護柵です。中央がネットになっており開けることが可能。通過したら必ず閉めておきましょう。

小さな沢を左手に見ながら進み、この場所で橋を渡って対岸へ。その先の斜面は、植林地になっています。

西山林道のゲートに突き当たったら、右後方に二俣への道標があり林道が続いています。

作業道との分岐。西山林道は左側へと進みます。

路傍に小さな祠があり、石仏が安置されています。立った姿から、観音様であることがわかります。

西山林道の路面は砂利道が多いものの、ところどころコンクリート舗装されています。

大きな砂防堰堤の先に、道標が立てられています。

小さなベンチを過ぎて進むと、前方の奥に鍋割山と塔ノ岳を結ぶ鍋割山稜が見えてきます。

こちらの分岐は右手の道を上っていきます。

カーブの外側には、尾関廣氏の銅像があります。現在の社団法人日本山岳会の前進である全日本山岳連盟を結成し、神奈川県山岳連盟会長として丹沢山塊の国定公園化や遭難防止に尽力した方です。
周囲は広場になっており、複数のベンチが設置されています。

二俣では、勘七沢を渡る必要があります。水深の浅い場所にある石を踏んで歩けば難しくはありませんが、増水時には注意が必要です。

渡渉を終えて林道を上がると、右手の斜面に小丸尾根ルートが延びています。鍋割山へはそのまま林道を歩いていきます。
セクション②:二俣〜後沢乗越(80分)

このセクションでは、前半は引き続き四十八瀬川沿いの西山林道を歩きます。水歩荷ポイントの先でミズヒ沢を渡ると登山道に変わり、後沢乗越へと登っていきます。

平坦な西山林道を歩いていくと前方に小さな滝が流れており、水が林道を濡らしています。

広い河原のような場所に出ると、ふたたび鍋割山と塔ノ岳を結ぶ鍋割山稜が見えてきます。

さらに進んでいくと、最初にめざす鍋割山が奥の方に見えてきます。山頂は遥か遠くに見え、まだまだ遠く感じる場所です。

四十八瀬川支流の本沢を渡る場所です。二俣と違い木製の橋が設置されているので、靴を濡らすことなく通過できます。

水歩荷(鍋割山荘で使用する水が入ったペットボトルを荷揚げするボランティア)用の水場の先に木製の橋が掛かっています。体力やザックの容量に余裕があれば、用意されたペットボトルをザックに入れて水歩荷に協力してもよいでしょう。
この橋で四十八瀬川の支流であるミズヒ沢を渡ります。

ミズヒ沢渡渉点の先でもうひとつ木製の橋を渡ると、しばらくは谷間を歩くことになります。やがて右奥に樹林帯の斜面へ上がる登山道が見えてきます。

針葉樹林帯に入り、後沢乗越へと登っていきます。傾斜が急な場所には、階段が設置されています。

やがて登山道は、斜面左側をトラバース(横断)する平坦な道に変わっていきます。沢筋の崩落地を越えると、鉄製の橋を渡る場所です。

トラバース道が終わると、後沢乗越への斜面をジグザグに登っていきます。

後沢乗越に到着、鍋割山南山稜へと合流します。ここから鍋割山へは、右方向に登っていきます。
鍋割山から大倉へ下山する際は左へ進み、これまで通ってきた道を戻ります。直進してしまうケースが多く、道迷いの多発地点でもあるため、注意が必要です。
セクション③:後沢乗越〜鍋割山(110分)

このセクションでは、鍋割山南山稜を鍋割山へ向かって登ります。やや急な稜線をひたすら登りますが、樹間からは富士山や西丹沢の山々を眺望できるポイントもあります。

後沢乗越から鍋割山へ向かいます。ここからは黄色い標識が随所に設置されており、ケガや体調不良で行動不能になった場合の救助要請の際、最寄りの標識番号を伝えると素早い位置把握に役立ちます。

木製のハシゴを通過します。鍋割山南山稜はこの先にも、階段や木道が連続します。

稜線の傾斜がややゆるやかな箇所にも、階段が設置されています。

このあたりは、稜線の傾斜が平坦に変わります。

またしても階段。鍋割山へは、こうした登山道が続きます。

傾斜がゆるやか場所には、木道が敷設されています。左前方には西丹沢の山々、左には富士山を望むことができます。

さらに登り進めると、鍋割山が正面に見えてきます。

登山道は、いったんゆるやかな下りになります。

階段を登り返していけば、鍋割山は目前です。

階段を登りきると、鍋割山荘が建つ鍋割山へ到着です。山荘右奥にはバイオトイレが、山荘左側には展望案内板と富士山を一望できる広場があります。

鍋割山では鍋割山荘名物の鍋焼きうどんが大人気の山小屋グルメ。ただし月・金曜日は定休日です。また、営業日の営業時間(13時まで)前でも売り切れ次第終了のため、鍋焼きうどんをあてにせずとも行動可能な食糧は必ず携行しておきましょう。
セクション④:鍋割山〜塔ノ岳(100分)

このセクションでは鍋割山から塔ノ岳へ続く鍋割山稜を歩きます。稜線からは丹沢主脈や西丹沢の山々や相模灘を一望できるポイントも。小丸・大丸のピークを越えて大倉尾根と合流すれば、塔ノ岳は目前です。

鍋割山荘の裏手を進むと、鍋割山稜にぶつかります。こちらを右手(東)へ進みます。西へ進んだ雨山峠方面は難所が多いので、誤って迷い込まないようにしましょう。

鍋割山からは、いったんゆるやかな下りとなります。前方には、これから越える小丸・大丸や、めざす塔ノ岳が見えています。

階段を通過し、無名のピークに向けたなだらかな登り返しとなります。

この付近から右手を見ると、箱根の山々や相模灘を眺望することができます。

左手も樹林が開けており、玄倉川(くろくらがわ)の向こうに連なる蛭ヶ岳や丹沢山など丹沢主稜の山々を望むことができます。

無名のピークから、なだらかに下っていきます。この先で、道標がない熟達者向けのバリエーションルート・マルガヤ(丸茅)尾根が右から合流します。

小丸へ向けて、階段を利用して登り返していきます。傍らにはベンチが設置されています。

登りきった場所が小丸(1341m)です。山名標などはなく、行き先を示す道標と通報番号表示板や地図が設置されているのみです。


木製階段を登り返していくと、右手から小丸尾根が合流します。ここが小丸尾根分岐です。

小丸尾根分岐からは、無名のピークへとなだらかに登り返していきます。

無名のピークからゆるやかに下っていきます。

鍋割山稜最後のピーク・大丸へと登り返していきます。奥に見える階段を越えると、やや平坦な尾根となります。

大丸(1386m)に到着です。実際のピークは左奥にありますが、植生保護柵で保護されている場所であるため、登山道沿いのこの場所を山頂としています。

大丸からの下りは木道が連続します。前方にはこれから合流する大倉尾根が見えてきます。

大倉尾根との合流地点である金冷しまで登り返します。はじめはややなだらかな木製階段が続きます。

一部やや急な階段が連続する場所がありますが、やがてゆるやかな階段や木道に変わります。

右手から大倉尾根が合流するポイント・金冷しです。ここから前方へと進んでいきます。

大倉尾根と合流すると、しばらく木道が続きます。続いて、前方の斜面を木製階段で登り詰めていきます。

山頂手前は、いったん平坦な木道が続きます。

いよいよ最後の急階段です。前方にソーラーパネルが見えてくれば、山頂は目前です。

ついに塔ノ岳へ到着です。手前に木製の山名標識があり、狗留尊佛如来(くるそんぶつにょらい)が鎮座。展望案内板も設置されています。奥には尊仏山荘があり、軽食なども購入可能です。

西南西方向には、日本最高峰・富士山が堂々とそびえています。

南東には鍋割山稜、北西には日本百名山・丹沢山(1567m)や丹沢最高峰・蛭ヶ岳(1673m)を一望。丹沢山塊の奥深さを感じ取ることができます。
塔ノ岳の天気と地図をチェック
塔ノ岳のふもと(秦野市)の10日間天気
日付 | 09月08日 (月) | 09月09日 (火) | 09月10日 (水) | 09月11日 (木) | 09月12日 (金) | 09月13日 (土) | 09月14日 (日) | 09月15日 (月) | 09月16日 (火) | 09月17日 (水) |
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天気 | ![]() 晴のち雨 | ![]() 曇のち晴 | ![]() 晴時々曇 | ![]() 曇のち雨 | ![]() 曇一時雨 | ![]() 曇時々晴 | ![]() 曇時々晴 | ![]() 晴時々雨 | ![]() 曇時々雨 | ![]() 曇時々晴 |
気温 (℃) | 33 24 | 32 25 | 33 25 | 30 23 | 28 22 | 30 22 | 32 24 | 33 24 | 31 24 | 32 23 |
降水 確率 | 60% | 40% | 40% | 80% | 70% | 30% | 30% | 60% | 60% | 30% |
データ提供元:日本気象協会
塔ノ岳の登山指数
日付 | 09月08日 (月) | 09月09日 (火) | 09月10日 (水) | 09月11日 (木) | 09月12日 (金) | 09月13日 (土) |
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登山 指数 |
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登山指数の留意点
登山をするための快適さを、山頂や山麓の気象条件から、気象学的知見を用いて登山指数A~Cで表現をしています。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算したものです。
ただし、以下のリスクは含まれておりません。
- 雷の発生の可能性
- 前日の天気による道のぬかるみ
- 局地的大雨
- 土砂災害の発生の可能性
- 雪崩の発生の可能性
- 噴火の可能性
- 積雪の有無
- 濃霧
- 低温または高温
- 虫やヒルなどの発生状況
山の天気は大きく変わりやすいため、登山指数はあくまで目安としてご利用頂き、最新の気象データや天気図、各登山道情報をご確認ください。
なお、本情報に基づいた行為において発生したいかなる人物の負傷・死亡、所有物の損失・損害に対する全ての求償の責は負いかねます。ご了承下さい。
データ提供元:日本気象株式会社
塔ノ岳の地図
吉備人出版 登山詳細図 東丹沢
長距離に備え、エスケープルート確認やスケジュールの工夫を

今回紹介したのは、丹沢でも人気の2座をつなぐ魅力的なコースですが、かなりの長距離縦走となります。天候や体力に応じて、鍋割山から往路下山するのも賢明です。
また、セクション④の途中にある小丸(1341m)の先から小丸尾根経由でセクション①のゴールである二俣へ下るエスケープルート・小丸尾根もありますが、急傾斜の下りが続く難路となります。

スケジュールにゆとりがあれば、塔ノ岳山頂の尊仏山荘に宿泊しての1泊2日の山行もおすすめ。山頂からは眼下に広がる幻想的な夜景が広がります。
翌日のルートも選択肢が多数。ヤビツ峠への表尾根、日本百名山・丹沢山(1567m)や丹沢最高峰・蛭ヶ岳(1673m)が連なる丹沢主脈、西丹沢の盟主・檜洞丸(1601m)へ続く丹沢主稜など、さらに丹沢の魅力を満喫できる縦走登山を楽しむことができますよ。
※この記事内の情報は特記がない限り公開初出時のものとなります。登山道の状況や交通アクセス、駐車場ならびに関連施設などの情報に関しては、最新情報をご確認のうえお出かけください。