アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部
実は必須?登山で温度計が役立つシーンとは

登山をする際に気をつけたいことのひとつが「温度管理」です。温度管理ができていないとパフォーマンスが低下してしまったり、最悪の場合は低体温症に陥ってしまったり、様々なリスクが生じます。
温度計はそんな温度管理を助けてくれる重要なアイテム。まずはその活用方法をチェックしてみましょう。
温度計の活用方法
【1】服装調節の目安になる

基本的に登山中は常に行動しているため温度を高く感じてしまいがちです。しかし、実際には体感温度が高いだけで、外気温は意外と低かったということも。
このような状況では休憩時など活動量が低下した際に身体を冷やしすぎてしまいます。

そのため、登山中に大切になるのが、”温度計を使って目で気温を確かめること”。そうすると、体感温度に左右されず、服装や装備を適切に調節することができます。
例えば、「温度計の数値が〇〇℃になったらシェルを着る」、「〇〇℃以下の場合は睡眠時にもダウンを着用する」などの基準を事前に決めておくことで、服装を調節するタイミングの目安にできます。
天気予報ではわからない山中の気温を把握しよう

一部の有料天気アプリを除き、天気予報では山の麓の気温しか分かりません。
しかし、標高が100m上がるごとに0.6℃気温が低下すると言われているように、山中ではどんどん気温が変化していくため、気温を正確に把握するためには温度計が必須です。
【2】装備を軽量化できる

山中で正確な気温が把握できることは装備の軽量化にも繋がります。なぜなら、気温に応じた適切な装備を選択できるから。
まずは実際に山に登り、温度計の数値を確認しながら自分が「寒い・暑い」と感じる温度を把握しましょう。
具体的には、「寒くてダウンが欲しくなる気温」や「少し薄手のシュラフでも良かったなと感じる気温」など、服装や装備の調節が必要なタイミングを知ることが重要です。
そうすることで「自分は〇〇℃の時、こんな装備が必要なんだ」とわかるため、本当に必要なものだけを持って登山に行くことができるようになります。
”安全のため”に軽量化は徐々に進めましょう

いきなり軽量化を進めるのではなく、最初は安全のために予備の装備を持っていくようにしましょう。
例えばシュラフを薄手の軽量タイプに置き換える場合、最初は予備のダウンジャケットやダウンパンツなどの補完アイテムも一緒に持って行くと、薄手のシュラフでは寒かった場合にも対応できます。
温度を確認しながら登山経験を重ねていくことで、季節や気温に応じた適切な装備が判断できるようになっていきます。
3つのポイントをチェックして登山用温度計を選ぶ
温度計を選ぶ際には次の3つのポイントをチェックしましょう。
【1】多機能な「デジタル式」、耐久性の高い「アナログ式」

まずチェックしたいのが「デジタル表示」と「アナログ表示」の違い。一般的にはそれぞれ次のようなメリットとデメリットがあります。
デジタル | アナログ | |
---|---|---|
メリット | ・パッと見ただけで気温がわかる ・暗い場所でも確認できる(バックライト搭載) | ・構造がシンプルで丈夫 ・軽量 ・水濡れに強い |
デメリット | ・電池が必要(残量の確認が手間) ・機種によっては高価な場合もある | ・パッと見ただけでは正確な気温を読み取るのが難しい ・温度計以外の機能を備えている機種が少ない |

この中でもアナログとデジタルによって大きく差が出るのが防水性能。
基本的にアナログの温度計は水に濡れても問題はないのですが、デジタルの温度計は防水性能についてよく確認するようにしましょう。
なお、デジタル温度計の防水性能は「防水等級(IPX)」で表されることが一般的。アウトドアで使用する場合は、IPX4以上のものを選ぶと安心です。
▼IP規格の防水保護等級
デジタル温度計とアナログ温度計のメリット・デメリットを踏まえると、テント泊登山や早朝登山など暗所での使用が多い方はデジタル温度計、沢登りなどタフな環境での使用が多い方はアナログ温度計を選ぶのがおすすめです。
【2】あると便利な「温度計以外の機能」

登山用の温度計は温度の計測以外にも湿度や気圧を計測できるもの、コンパスやGPSがついたものなど様々なものがあります。また、熱中症の予防に役立つアラート機能がついたものも。
自分にとって必要な機能を持った温度計を探してみましょう。
登山に役立つ便利機能の例

温度計に搭載される機能はいくつかありますが、特に温度計と相性が良いのがこちらの6つ。自分に必要な機能かどうか、また既に持っているギアと機能が重複していないかを確認してみてください。
【3】手のひらに収まる「携帯性」

最後にチェックしておきたいのが携帯性です。 どんなに素晴らしい機能があったとしても、大きかったり重かったりと持ち運びに適していない温度計は登山には持って行きたくありませんよね。
手のひらに収まるぐらいのサイズ感を目安に、なるべく軽量なものを選ぶようにしましょう。
デジタル温度計であれば40〜50g、アナログ温度計であれば15〜25gぐらいが一般的です。
登山用温度計ならこれ!おすすめアイテム6選
温度計はホームセンターや100円ショップなどでも購入できますが、登山での使用が想定されていないものを購入すると、すぐに壊れてしまい肝心な時に使えない可能性も。
そこで、登山の過酷なシーンにも対応するおすすめの温度計を紹介します!
SUN COMPANY サーモコンポ
表示形式 | アナログ |
---|---|
電源 | 不要 |
測定範囲 | -30℃〜50℃ |
防水性能 | ー |
サイズ | 約幅28mm×50mm |
重量 | 約9g |
わずか9gの定番人気モデル
最も一般的なアナログ温度計がこちらのサーモコンポ。
蓄光式のため暗所でも目盛りや方位を確認することが可能です。
おすすめポイント
- わずか9gしかない軽量性
- 蓄光式なので暗所でも目盛りの確認が可能
SUN COMPANY ハイクヒッチ2
表示形式 | アナログ |
---|---|
電源 | 不要 |
測定範囲 | -30℃〜50℃ |
防水性能 | ー |
サイズ | 約幅32mm×高さ57mm |
重量 | 約17g |
カラビナ機能で気軽に携帯
「カラビナ付きの温度計」ではなく「温度計付きのカラビナ」と表現できるほど、携帯性に優れた温度計です。
クライミング用のカラビナではありませんが、キーチェーンやアクセサリー感覚で普段使いもできます。
おすすめポイント
- 本体がカラビナになっているためザックやパンツのベルトループなどに取り付けて気軽に携帯することが可能
EMPEX サーモマックス50
表示形式 | アナログ |
---|---|
電源 | 不要 |
測定範囲 | -50℃〜50℃ |
防水性能 | ー |
サイズ | 約幅55×高さ55mm |
重量 | 約25g |
-50℃~+50℃まで対応する本格派
ネックストラップ付きで持ち運びが簡単なアナログ温度計。
厳格な加工技術にこだわり、一つ一つ丹念な手作業により造り上げられた日本製のセンサを搭載しています。
おすすめポイント
- ネックストラップによる携帯性の高さ
- 日本製センサを搭載しており測定精度が高い
EMPEX サーモ&コンパス
表示形式 | アナログ |
---|---|
電源 | 不要 |
測定範囲 | -20℃〜60℃ |
防水性能 | ー |
サイズ | 約幅30mm×高さ60mm |
重量 | 18g |
高温域に強い小型モデル
温度計に加えコンパスを搭載したアナログ温度計。
こちらの温度計も手作業によって丁寧に作られた日本製のセンサを搭載しています。
おすすめポイント
- 60℃の高温まで測定が可能
- 日本製センサを搭載しており測定精度が高い
dretec ポータブル温湿度計
表示形式 | デジタル |
---|---|
電源 | リチウム電池(CR2032×1個) |
測定範囲 | 温度-9.9~50.0℃(湿度10~99%) |
防水性能 | IPX4 |
サイズ | 約幅36mm×高さ70mm |
重量 | 約25g(電池含まず) |
湿度も計測できるデジタルモデル
温度と湿度をどこでも計測できるのが魅力のデジタル温度計です。
バックライトを搭載しており、暗所でも簡単に画面を確認することができます。
おすすめポイント
- デジタル温度計ながら約25gと軽量
- IPX4の防水性能
LAD WEATHER デジタルコンパス
表示形式 | デジタル |
---|---|
電源 | リチウム電池(CR2032×1個) |
測定範囲 | -10 ~ 60℃ |
防水性能 | IPX3 |
サイズ | 約幅40mm×60mm |
重量 | 約39g(カラビナ装着時は約47g) |
登山で活躍する多機能搭載
今回紹介する温度計の中で最も多機能なのがこちら。
温度だけでなく湿度や方位、時刻や高度、さらには気圧や天気予報まで表示することができます。
おすすめポイント
- 温度、湿度、方位、時刻、高度、気圧、天気予報の7種類の表示が可能
- 豊富なカラーバリエーションで他の人と被りづらい
温度をコントロールして安全で快適な登山を楽しもう

ベストなコンディションで山を楽しむためのアイテムとして、実は必須レベルの温度計。適切な温度管理をして、安全で快適な登山を楽しんでくださいね。